大坂なおみ、全米で2度目の優勝
新型コロナが広まっている中、無観客で行われたテニスのグランドスラム大会。
男子の錦織圭は直前でコロナに感染してしまい、大会出場はできなかった。
女子は大坂なおみが出場。
初戦は日本人対決で、土居との試合だったけどフルセットで勝利。
その後、圧倒的な安定感で勝ち上がり、いよいよ今日は決勝戦。
相手は、ベラルーシのママさんプレーヤー、アザレンカ。
今の世界ランクは下がってるけど、かつてのナンバーワンプレイヤーでもある。
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第1セット。
アザレンカがあまりにも良すぎた。ファーストサーブの確率が90%?高すぎる。
大坂があまりよくなかったこともあって、ワンサイドゲームとなって、アザレンカが6-1.
ただ、お互いに、このまま行く訳はないと思っていたんじゃないかな。
実際、勝負は、第2セットからだった。
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第2セットもアザレンカが先にブレークして、これはこのまま行ってしまうかと思ったが、
大坂がブレイクバックに成功し、終盤で突き放し、6-3で取り返した。
これで勝負は五分、というか勢いからいって大坂有利。
第3セットは大坂が粘るアザレンカを突き放して、見事逆転勝ち。
全米は、初優勝の2年前から2回目。グランドスラム3勝目となった。
朝5時から起きてみてたけど、うん、大坂強いわ。
第1セット取られても気にしてなかったように思う。
アザレンカから見ると、敗因は第1セットが良すぎたことじゃないかと思う。
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前哨戦からいろいろあった。
BLM問題だ。大会中に、黒人男性が白人の警察官に銃撃される事件があり、
スポーツ界の黒人たちが、一斉に抗議した。大坂もその中に含まれていた。
準決勝まで勝ち上がっていたのに、黒人のために試合を放棄すると発表した。
テニスは、他のスポーツに比べて白人の比率が高い。
でも、大坂の働きかけで、結局準決勝自体が延期になった。
大坂は準決勝で勝利したけれども、この試合のケガがもとで、
決勝戦(相手はアザレンカだった)は棄権した。
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全米オープン。大坂は登場時にマスクをつけて登場した。
そこには、名前が書いてあった。白人に殺された黒人の名前が。
大坂は、7種類のマスクを用意していて、すべてつけるつもりだと語った。
(当然だが、決勝まで残らなければ7つ着けることはできない)
有言実行。大坂は毎回違った「抗議マスク」をつけて戦った。
そして、勝ち抜いた。
優勝スピーチでは、そのことにはほとんど触れられなかったように思う。
インタビュアーがちょっと振ったのに、対応したくらいで。
「みんなが少しでも話題にしてくたらよい」と言った。
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大坂なおみは、完全に世界レベルの選手になったと思う。
2年前にGSを連した時は、まだまだ新人扱いだった。
コーチ解任をめぐる騒動などもあり、一時は成績を落とした。
でも、今回は完全復活したといってよいだろう。
前哨戦からもそうだったけど、安定した強さがあった。
何より、人間としての成長を見せつけてくれた。社会に影響を与えた。
世界に影響を与えるようなアスリート、今まで日本にいただろうか??
成績もさることながら、それ以外のところでも、とんでないことだと思う。
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さて、大坂なおみによる、黒人差別に対するアピールについて。
正直に書くと、はじめ、私にはピンとこなかった。
アスリートがそういうことするの、必要なの?と。
ただ、アメリカのほかのスポーツ団体でも同様の事例があったことから、
これは単純に、日本に住んでいる私には理解が難しいんだろう、と解釈した。
理解できないものを、すべて拒絶する必要はない。
理解するように努めればよいし、理解できなくても許容することはできる。
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一部の日本人には、全く理解できなかったようで、バッシングがおこった。
(理解できない日本人がいることは、理解できる。)
アスリートは政治的な発言をすべきではない、とか。
まぁ、日本ではそういう風潮だよね。でも、他の国では時々あるよ?
大坂選手は黒人なら日本人ではない、みたいな意見もあったらしい。
さすがにそれは失笑もんだ。
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私は気にしない。
アメリカには、日本に住んでいては理解しにくい黒人差別があるんだろう。
そして、それに対してアスリートが意見を表明することも許される。
何より、私が大坂なおみを応援するのは、彼女が日本人だからではない。
あれだけパワフルなテニスをして、人間味にあふれるスピーチやインタビュー。
もう、一流のアスリートだと思う。
それに、今回の大変勇気ある行動。
結果として彼女は、テニスの枠からはみ出すくらいの超一流アスリートになった。
そんな彼女が、日本語で語り掛けてくれることがうれしいと思う。
帰ってきた大坂なおみが、どこまで突き進んでいけるだろうか。
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