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#読めよ薬剤師2020


 黒の薬剤師、るるーしゅさんのtwitter企画。
「#読めよ薬剤師2020」

【2020読めよ薬剤師企画】
《目的》2020年発売のオススメ書籍を他の薬剤師と共有する。
《日時》2020年12月30日(水)21時〜
《方法》
#読めよ薬剤師2020
    のハッシュタグでオススメの書籍(2020年発売されたもの)
    3冊
をツイート(自分のブログリンクでも可)
《罰ゲーム》なし

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 先に、書籍を紹介する。

新型コロナからいのちを守れ!」(西浦博・川端裕人)

 今年は新型コロナを外すわけにいかないだろう。
岩田先生の本や、峰先生の本もよかったけれども、
一番、面白かったのは「8割おじさん」西浦さんのこれ。

 そう、この本は、「面白い」んだよ。

 学術的な話はほとんどなくて、
西浦先生が、理論疫学者としてどう考えたか。
何が見えていたか。どのように伝えたか。その結果どうなったか。
 その辺が、聞き手の川端さんを通じてうまく表現されている。

 私は、この本は西浦先生の失敗の記録だと思った。
今回は、何もかも初めての挑戦だったので、うまくいかない部分もあった。
次回以降に、もっとうまくやるために出した、反省の本だ。

 私の今年の読書は、
正しいことを正しく伝えるにはどうすればよいか
が、一つの大きなテーマになっていた。
 これは、薬剤師としても避けることのできない話。
正論だけで、患者さんを行動変容させることは不可能だ。

 西浦先生は、国民全体の行動変容を促した。

 後だしじゃんけんみたいな批判も多かったけれども、
西浦先生の言ったことは、ほぼ全て正しい。
あとは、どのように伝えればよかったのか。
それを今後に備えて考える必要があるね。

 個人的には、尾身先生がアベノマスクにブチ切れた話が面白かった。w

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 次。

歴史を変えた10の薬」(トーマス・ヘイガー)

 タイトル通り、歴史を変えるほどのインパクトのあった医薬品が10個。
(そのうち、オピオイドだけで3つもあるが。
 現代社会にも深く爪痕を残しているからだろう。)

 現代となっては当たり前に使われている薬だけど、
それって、実は奇跡的にすごい発見なんだよ、と。

 特に印象深かったのは、クロルプロマジン。
抗精神病薬は、今まで向こうの世界に行ってしまって
帰ってこられなかった人たちをこっちの世界に引き戻した。
 今となっては副作用が多くてほぼ使われないけど、
発見当初は、本当に夢のような薬だったんだな、と思った。

 医薬品の「すごさ」を体感できる本。

 著者のトーマス・ヘイガーはあまり知られていないと思うけど、
私は以前に「大気を変える錬金術」という本を読んでいて、
すごくお気に入りだった。アンモニア合成のハーバーとボッシュの話。

大気を変える錬金術」(2012.10.8)

 あ、リンクはamazonじゃなくて私の過去記事ね。
その人が薬について書いたんだから、もう読むしかないでしょ、と。

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 最後。

ボクはやっと認知症のことがわかった」(長谷川和夫)

 長谷川式でおなじみ、認知症研究の第一人者、長谷川先生が、
自身が認知症になってみてわかったことを書いた本。

 NHKスペシャルで放送されたから知ってる人も多いと思うけど、
著書で読んでみた。なるほどなぁ。

 私も、今後は親の介護にあたることがあると思う。
また、いずれは私も認知症になっていくんだろう。
そうなった時に、是非読んでいて欲しい、読んでもらいたい本だ。

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 実は、この本だけレギュレーション違反である。
発売日が、2019/12/27で、今年じゃない。(苦笑)
いやでも、この本を去年紹介するのは無理だろうよ。

 他にも色々と読んだけど、
この本は認知症に関わる全ての人が読んだ方がよいと思った。
一般向けで非常に読みやすいので、おススメ。

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 この3冊。西浦先生の本はさすがに発売間もないから無理だけど、
他の2作は、KindleUnlimitedで、電子書籍で格安で読むことが可能だ。
(amazonプライムでも可能かも?)
 月額980円だけど、今まで登録したことがなければ、1ヶ月無料だし。
そうでなくても、稀に「2ヶ月99円!」みたいな格安セールもあるので、
読んでみたいけど、お金がな、という人にはぜひおすすめしたい。

 もちろん、図書館で予約して借りるという手もあるけど。
西浦先生の本だけは、人気あるだろうから買わなきゃ無理だろう。

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 という訳で、今年のおススメ三冊。
フィクションを入れられなかったのは痛恨の極みである。w
専門書は他の薬剤師の方が紹介してくれるだろうという
安心感があるんだけどね。

 フィクション、特に小説の分野は私が一番強いだろう、と。
(年間読書量約400冊、うち小説300冊)
ただ、今年発売という縛りが厳しいんだよな。
シリーズものの最新刊だけ紹介するのも変だし。

 来年もこの企画があれば、フィクションをぶっこんでやる。
そのためには、買い集めなきゃいけないよなぁ……。

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 さて、最後に企画に参加した経緯。

 るるーしゅさんとは、このブログがアクティブだったころに
よく絡んでた時以来かな。
 実は、私もtwitterはかなり前からやってたんだけど、
完全に読書アカウントなので、薬剤師との絡みはほとんどなかった。
実際、薬剤師はほとんどフォローしていない。

 きっかけになったのは児島先生(Fizz-DI)で、
薬剤師のための医療情報検索テクニック」を読んで。
(この本も、発売日は昨年末なので範囲外だ。)

 おそらく児島先生の意図とは全く異なるが、
英語が非常に苦手な私にとって、論文検索はハードルが高い。
結果として、この本の感想は、

「よく分かってる人に聞くのが一番早いんじゃね?」となった。w
まぁ、職場では私が一番よくわかってる人にあたるんだが。

 もっと言うと、
児島先生をtwitterでフォローしておけばそれでよくね?

 という訳で、今までの慣習を破り児島先生をフォローした。
実際、この先生は情報発信に優れているし、
そうでないつぶやきも面白い。

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 でも、そうするとTLに他の薬剤師の方も出てくる訳で。
そんな中で、るるーしゅさんの企画を見つけてしまった。

 もう、情報発信に関して言うと私は並以下になっているけど、
フィクション含む読書量だけなら、薬剤師でもかなり上位だろう。
という訳で、参加してみることにした。
 もともと、twitterも読書アカウントやし。

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 私は、職場でも色々本を勧めるけれども、
専門書を勧めることはほとんどなかったりする。
患者さんでも読めるような一般書の方が、
へっぽこ薬剤師には読みやすくて勉強になることが多いからね。

 さて、来年も頑張って本を読み続けよう!

 

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