« 緊急事態宣言(一部地域)解除 | トップページ | ブログ再開後1年 »

読書記録 2021.2

 先月の読書記録。

直近1ヶ月の読書記録

.

 2021年2月は、44冊読了。

内訳は、小説(新規)20冊、小説(再読)10冊、
ビジネス・学術 10冊、エッセイ・その他 4冊。

 先月の勢いのまま読み進めたらこうなった。
3月からは忙しくなるので、暇なときに読んでおこう、と。

.

 今月も3冊紹介する。
1冊はフィクション、1冊は学術から。あと1冊は適当に選ぶ。

 まず、フィクション。

本日は、お日柄もよく
作者は、原田マハさん。(リンクはamazon)

 最近の本ではなくて、かなり前の本。
具体的には、民主党が政権交代を目指していたころの。(苦笑)

 原田さんは人気作家さんだけれども、
なぜか縁がなくて読んでいなかった。
私にとっては、原田さんの長編は初めてとなる。

.

 スピーチライターという、言葉のプロフェッショナルについての話。
とにかく、言葉の力ってすごいなと思った。
CMや、コピーライターもそうだし、政治家の演説もそう。
この話は、オバマが「Yes,we can!」のフレーズで有名になった頃の話。

 結婚式のスピーチや、選挙での演説もあるんだけれども、
とにかく、どのスピーチを読んでも感動する。
原田さんって、スピーチライターじゃないよね?
ものすごく勉強したんだろうなあ。

.

 話のつかみから、ぶっ飛ばしてくれる。
幼馴染の結婚式に出席した主人公が、
来賓のスピーチのあまりの眠さに耐えかねて、
目の前のスープ皿に顔をつっぷしてしまう、という。w

 政権交代や、後期高齢者医療制度については、
私の意見とは異なるけれども(苦笑)、
この話では政治的な話はあまり関係なくて、
とにかく言葉の大切さの、というお話だ。

 できれば、今の総理に読んで欲しいな。
菅さん、演説苦手だよねぇ。
よいスピーチライターについて欲しいと思う。

.

 次、学術。

医療崩壊の真実
渡邊さちこさんと、アキよしかわさんの共著。

 これは、今年に書かれた本で、
ここでいう医療崩壊は、コロナによっておこったことを指す。
なぜ、病床数が世界トップレベルの日本が、
欧米の十分の一くらいの感染者数で医療崩壊をおこしたのか、
というお話。

 作者のお二人は、医療データを解析して病院のコンサルタントをする人たちで、
この本にも、全国の病院の入院データ等を繁用している。
つまり、印象だけでなくて、きちんとしたデータをもって論じている訳。

.

 一言でいうと、需要と供給のミスマッチによる。
急性期病床は余っているのに、医療従事者が足りていない。
病院が「集約化」されていないのも問題。

 例えば、救急医が一人しかいない病院が多すぎる。
救急医が一人だと、コロナ重症患者は診られないんだ。
基本、ずっと患者さんについている必要があるのに、
診られる医師が一人しかいないと、その医師はずっと休めなくなる。

 でも、例えば救急医10人を一つの病院に集めたら、
10人くらいの重症者を診ることができたかも知れない。
ただ、誰もそんな権限を持っていない。
 日本には民間の小病院が多いという欠陥があり、
コロナにその弱点を見事につかれた。

 公的な病院だったら、無理やり人員配置とかできたかも知れない。
実際、大阪でもコロナ専門病院を作る、みたいな話もあったし、
重症者センターを作ったりもしたけどさ。
 箱はできても、そこに医療従事者を集めるのに四苦八苦した。
そりゃ、他の仕事してるに決まってるもん。

 私の感想としては、これは半年や一年でどうにかなる話じゃない。
医師会を叩いている人には悪いけど、
そんなに短期間で何とかなる話じゃないんだよ。
法律や制度を1から、というか0から作り直すくらいの努力が必要。
それは、あの有事下で進めるのは無理だ。

 結局、少しずつ立て直していくしかないんだけど、
根本的な解決には時間がかかりすぎる。
人はみんな変化を嫌うので、
「ワクチンが劇的に効いて、以前の世界に戻らないかな」
と期待してしまい、改革が進まない、という。
うーん、厳しい。

.

 最後。

13歳の娘に語るガロアの数学
天才数学者、ガロアの理論を解説している本なんだけれども、
中学生の娘に語り掛ける形で、できるだけ優しくしようと試みた本。

13歳の娘に「語る」と書いたが、娘が「わかる」とは書いてないのがミソ。w

.

 私は数学がそんなに得意でなかった。
ちょっと復習したくなって、昨年から簡単な入門書を読んでいる。
ガロアは、フランス革命の直後に現れた、天才的数学者の一人。

 わずか20歳であっさり死んでしまうんだけれども、
「ガロア理論」は、当時の数学を超越していて、
ほとんどの人が理解できなかった、という。

.

 時代的には、「レ・ミゼラブル」と同時代のフランスになる。
後半の暴動(市街戦)のおこった時期が、まさにガロアが死んだ時期にあたる。
私は歴史好きなので、もう少し歴史的な話を知りたかったが、
この本はあくまで数学の本。

 ガロア理論の「香り」が少しわかる程度だけど、
これを組み立てる人間は、もはや人間じゃないな、と思った。
理解の範疇を超えている。

.

 まず、三次方程式の解の公式の話が出る。
(この時点で、高校数学を超えているんだが。)
三次方程式は、何とか解ける。

 次に、四次方程式。
この時点でもはや暗号にしか見えなくなる。
でも、ここまでは何とか解けるんだ。

.

 ガロアは、「五次以上の方程式は、解の公式がない」
ということを証明した人だ。
四次方程式の時点で、もう、暗中模索のような状態で
なんとか解いていったけれども、
多くの数学者が、「五次を何とかしよう」と頑張って挫折、
おそらく発狂した人間もいただろう。
(数学者はみんな狂人といっても過言ではない。)

 ガロアは、若干20歳足らずにして、
死屍累々の数学者どもをあざ笑うかのように、
「解けない」と証明して見せたんだ。

.

 気になる人は、調べてみて欲しい。
まぁ、何を書いてるのかさっぱりわからんから。w

 でも、この本を読めば
「ガロアのヤバさ」は、なんとなくわかった。

 次は、もうちょっと歴史的な話を読んでみたいところだ。

 

|

« 緊急事態宣言(一部地域)解除 | トップページ | ブログ再開後1年 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 緊急事態宣言(一部地域)解除 | トップページ | ブログ再開後1年 »