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読書記録 2021.5

2021.5の読書記録

直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)

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 2021年5月は39冊読了。

小説(新規)は20冊、再読は5冊。
学術・ビジネスは10冊、その他4冊。

 三回目の緊急事態宣言で、いくつか図書館が閉まったけれども、
最寄りの図書館が開いているおかげでなんとかなっている。

 少しペースが落ちてきてるかな?
例によって三冊紹介。

 まずはフィクション。

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52ヘルツのクジラたち」(町田その子)

 今年の本屋大賞受賞作。
子連れ再婚に、ヤングケアラーなどなど、
現代社会の問題がてんこもりで、さすがに本屋大賞だなぁ、と。

 クジラには、自分にしか聞こえない鳴き声(52ヘルツ)を出すものがいる。
そういう他人には聞こえない悲鳴を、受け取ることができる人がいるのか?

 タイトルはそういう意味である。

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 ネタバレは避けるけれども、とにかく、重い話だった。
児童相談所や福祉の本を読んだこともあるので、想像できて辛かったな。

 これ読んだ後には、軽い話が読みたくなる。

 本屋大賞は、5年くらい前から注目していて、過去の受賞作もぼちぼち読んでる。
今月は、ほかに「海賊と呼ばれた男」も読んだ。
本屋大賞受賞作全制覇も、今年の目標の一つなんだけど、
実は残り3作を残すのみになってる。

 名作が多いので、再読もしていきたい。

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 次、学術。

ぶった斬りダメ処方せん」(國松淳和、オニマツ・ザ・ショーグン)

 國松先生と、オニマツさんとの共著?というか、同一人物なんだが。w
医師の立場から、ダメな処方せんをぶった斬りしていく本。

 オニマツの斬りっぷりが痛快で、読みやすいのが特徴。
これ、医師がやる分にはいいけど、薬剤師がやったら絶対怒られるヤツや。

「今どき、デパス出す医師おる?」とか、
「経口セフェムとか逆にツッコむ気にならん」とか。

 面白さを理解するためには、最低限の予備知識が必要と思われる。

スボレキサントの使いどころが分からん、というのは意外だったな。
自分で使ったことないからわからんかった。

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 注意点として、まるっと信じてはいけない。(苦笑)
そういう見方をする医師もいる、というのが大事。
間違っても「オニマツ先生が言っていたから」と疑義照会しちゃダメ。

 最終日のポリファーマシーは必読。
医師と薬剤師のゲーム理論が独特な切り口で面白かった。
ちゃんと連携すれば、患者さんのためになるのにね。

 面白くて読みやすいので、活字が苦手な人にもおすすめできる。
勉強できる人にはわからんだろうが、活字読むの苦手って人は多い。
そういう層にささる本として、一級品だと思った。

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 最後。

女生徒」(太宰治 乙女の本棚シリーズ)

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 乙女の本棚シリーズは、最近のお気に入り。
明治から昭和にかけての文豪の有名作品を、
最近のイラストレーターが綺麗な挿絵をつけて出版している。

 知っている話であっても、絵がつくと全然印象が変わるし、
難しい話でも読みやすくなる。これ、高校の図書室でそろえて欲しい。

 今回紹介するのは、太宰治の「女生徒」
絵は今井キラさん。ふんわりした、不思議な感じの女生徒が表現されてる。

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 太宰治は、ほぼ教科書でしか読んだことなかったけど。
この作品もすごいな、と思った。

 主人公は、今でいう女子高生。
主人公が、朝、目が覚めてから夜眠りにつくまでの一日の日記のようなもの。
そして、いわば日常モノであり、大した事件はおこらない。

 これ、現代でいうとラノベにあたるんじゃないかな???
女子高生の一人称小説、かつ日常モノ、という。w

 これを戦前に出したってんだから恐れいる。
新鮮というか、斬新というか。世の中を先取りしすぎだろ!

 太宰が何を思ってこういうの書いたのかわからないけれども、
それでも、ちゃんと名作として評価されたんだよね。
こうして、読み継がれているってことは、そういうことなんだろう。

 世の中、何が受けるかわかんないな。
けっこう、現在の女子高生が読んでも共感できるところあるんじゃないかな。
私にはわからんが。

 

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