読書記録 2021.9
2021.9の読書記録。
直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)
.
9月は42冊読了。
小説(新規)21冊、小説(再読)9冊
学術/ビジネス9冊、その他3冊。
ちょっと体調不良もあって、読みにくい時期があったけど、
終わってみればまずまず読んでるな。
年間500冊ペースを維持している。
.
3冊紹介する。
まずはフィクション。
「鹿の王」(上橋菜穂子)
.
2015年の本屋大賞受賞作。
過去の大賞受賞作をすべて読むのは、今年の目標の一つだった。
ひと月に一冊くらいのペースで読んでいる。
上橋さんは、児童文学の大家、というイメージがある。
けど、実はまだ一冊も読んだことがなかった。
この作品は、非常に重厚なファンタジー小説なんだが、
感染症がテーマの一つとなっており、
なんというか、非常にタイムリーな時期に読めたと思う。
ファンタジーだけど、中華風の名前と遊牧民が混じり合っていて、
勝手に中央アジアあたりを想定してしまった。
ウイルスとか、抗体という言葉こそ出てこないけれども、
やってることは治療薬とワクチンの開発な訳で、
まさに現在進行形のコロナ禍にふさわしい作品だった。
.
次、学術系。
「肝炎のはなし 巨大感染症の発見とその克服の30年」(竹原徹郎)
またしても感染症の話。
C型肝炎が発見されて、やっと30年くらい経つ。
肝炎は、慢性化して肝硬変から肝がんに至る。
かかって1週間で亡くなるような病気ではないが、
この感染症が原因となった死亡者数は、膨大であり、
その意味では「巨大感染症」とよぶにふさわしい。
.
C型肝炎の治療法の進化は、目覚ましいものがある。
「肝炎は治らない」なんてすでに大昔の話。
インターフェロン療法から、リバビリンの発見。
そして、インターフェロンを使わない抗ウイルス薬の併用療法。
今となっては、治る人の方が圧倒的に多い。
(ただし、膨大な治療費がかかるけれども。)
C型肝炎が発見されるまでは、
非A,非B肝炎、と呼ばれていたんだけれども、
C型肝炎が治る時代となってからは、
「非B,非Cの肝がん」をどうやって治すかが
課題になりつつあるらしい。
医学の発展は、すごいね、と感心するとともに、
そりゃ、医療費も高騰するよなぁ、と思ったりもした。
.
3つ目。
「行動を変えるデザイン」(Stephen Wendel)
3冊紹介するときは、1冊はフィクション。1冊は学術系。
最後の一冊は縛りなしにしている。
この本は、どちらかというと学術系なんだけどね。
少し前の本になるのかな。
「デザイン」と書いてあるけれども、ファッションとか、画面構成とかの
(狭義の)デザインの話ではない。
簡単に言うと、「アプリで人の行動を変えるには?」という話。
(厳密にはアプリに限った話ではないが。)
どうすれば、人の行動に影響を与えられるか、というのは、
これだけICT技術が発展すると、非常に重要になってくる。
いかにして他人の思考を操るか?という話なので、
悪用すればとんでもない結果をおこすこともできるんだろうけど、
その技術そのものが悪いのではなくて。
うまく活用すれば、非常に役に立つ。
.
実際に、医療用機器としてアプリが開発されている。
禁煙用のアプリは、すでに保険で使える?という話も出ているし、
高血圧などの生活習慣病に対するアプリなんかも、
開発が可能だと思う。
ようは、食事療法や運動療法を促すようなアプリがあればよいので。
昔、メタボ対策の健康指導のことを少し勉強したことがあるが、
「行動変容」というのはとても大変な話。
どうすれば、運動させられるか。
どうすれば、減塩させられるか。
間食を減らせるか。
もちろん、本人にやる気がなければ始まらないんだけれども、
これ、開発できたら薬よりも効果的かも知れない。
.
反発も大きいだろうけれども、
情報技術は、非常に大きな可能性を秘めていると思う。
そうすると、世の中の仕事内容が変わってくるかな。
栄養士さんによる栄養指導よりも、アプリの方が効果的かも知れんし。
それいうと、薬剤師さんの服薬指導よりも・・・(以下自粛)
.
毎月3冊紹介しているけれども、
1冊はフィクション。もう1冊は学術、と決めている。
3冊目は縛りなしだけど、今回は学術系になった。
最近、あんまりパッとしたフィクション読めてないんだよな。
今まで大量に読みすぎたので、なかなか、今までの感動を超える作品とは
出会いにくくなっているんだろう。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 読書記録 2024.9(2024.10.06)
- 読書記録 2024.8(2024.09.01)
- 読書記録 2024.7(2024.08.04)
- 読書記録 2024.6(2024.07.02)
- 読書記録 2024.5(2024.06.02)
コメント