読書記録 2021.11
2021.11の読書記録。
直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)
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11月は39冊読了。これで年間472冊。
今年の目標、500冊まで1ヶ月で28冊でよい。
小説(新規)20冊、小説(再読)5冊、
学術・ビジネス 8冊、エッセイその他6冊。
数が少な目だったせいか、
何を紹介しようかちょっと悩む。
読了数が多いと、自分に記憶に残りにくいんだけど、
読了数が少ないと、面白い本を見つけられない、という
ジレンマがあるな。
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フィクションから。
「たゆたえども沈まず」(原田マハ)
原田さんの作品を紹介するのは、今年2回目になる。
今年、ちびちびと読み進めている作家さんの一人。
「本日はお日柄もよく」がよかったので、
他の作品も読み進めていた。
原田さんといえば「アート小説」らしい。
小説なんだけど、題材はモダンアート。
少し前に「暗幕のゲルニカ」を読んだけれども、
これはピカソが題材だった。
ピカソがいかにして「ゲルニカ」を描いたのか。
そしてそれが、どのように評価され、扱われたのか。
スペインの歴史とともに書かれた大作だった。
(もちろん、フィクションも含まれているだろうが。)
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で、この「たゆたえども沈まず」では、
ゴッホをテーマにして書かれている。
私は知らなかったけど、
ゴッホは生前、ほとんど評価されていない。
今でこそ、私のような門外漢ですら名前を知っているほど、
世界に名を残している芸術家なのにね。
ゴッホと、当時、浮世絵をヨーロッパに紹介していた
日本人(これは実在の人物)との交流(交流はたぶんフィクション)から、
ヨーロッパの印象派と日本の浮世絵の関係やら、
当時のフランス美術界の状況が描かれている。
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私は、そもそもゴッホが若くして死んだことすら知らなかった。
知っていたら、読み味が変わっていただろうなぁ。
ゴッホの有名な作品も、作中に数多く登場するし。
私は歴史が好きだから、こういう話は好きだ。
私のように芸術に疎い人間でも、
「たまには美術館とか行ってみようかな」
と思わせてくれる、そんな小説だった。
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次、学術系。
「伝え方の処方せん」(油沼)
油沼さんは、薬学系のマンガを描かれている方で、
ご自身は薬剤師ではないんだけれども、
バックに薬剤師のブレーンがたくさんいるらしく、
そういう作品をいくつか描かれている。
いわば、薬剤師ネタのコミカライズ担当作家?
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患者さんへの服薬指導で、
「こう伝えたらいいよ」というポイントを教えてくれる本。
漫画で。(ここ大事)
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私の感想は一言。「薄いよ!」
いや、もっと情報量くださいよ。高いよ。
といっても、これはあくまで「私の」感想。
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どういうことかというと、
そもそも私は本を読むことを苦にしない。
活字を大量に読めるので、
こういう情報は漫画ではなくて文章で欲しい。
だって文章なら、もっと少ない紙でもっと大量の情報を
読み込めるんだもの。
実際、この本の内容を全て文章におこすと、
30ページくらいで事足りるんじゃなかろうか。
だから「薄いよ!」という感想になる。
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じゃ、何がすごいのか、
そもそもなんで買ったのか、だけど。
世の中には本を読むのが苦痛だという人がたくさんいるのね。
そういう人たちにとっては、
「コミカライズされている」ということで
ものすごく情報が入ってきやすくなってるんだ。
昔でいう、「学習マンガ」みたいなもんだな。
(〇〇のひみつ、シリーズ)
若手薬剤師の勉強用に、購入してみた。
実際に読ませてみても、油沼さんの漫画は「読みやすい」という意見が多い。
まずは読んでくれなくちゃ始まらない訳だから、
「読みやすい」というのは圧倒的なアドバンテージになるんだ。
いや、薬剤師は日々勉強が必要なんだから、
活字嫌いとかありえんでしょ、って思うけど、
実際に本読まない薬剤師が山ほどいる以上、
こういうアプローチも有用だと思う。
なので、後輩に貸すために買った、という訳。
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だいたい、油沼さんに限らず、薬剤師の出てくる漫画って、
私の評価は周りよりも低い。何が面白いのかわからん、とか。
ほとんど漫画読まないからだろうけどさ。
でも、コミックもアニメも日本の文化であるわけだから、
情報の伝え方としては、素晴らしいんだよね。
あとは、本来のターゲット層に届けばいいんだけど。
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最後にエッセイから。
「風と共にゆとりぬ」(朝井リョウ)
朝井さんは平成生まれ初の直木賞作家だけど、
デビュー作「桐島、部活やめるってよ」という作品の
(タイトルの)インパクト、知名度の方が大きい、という。
そんな朝井さんのエッセイ集である。
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これが、「めちゃくちゃ面白い」
「読んで得るもの、特になし」
帯にそう書いてあるんだが、実際その通り。
エッセイでこの人以上に面白い人っているのか?
そもそも、エッセイをそんなに読まないからわからないけど、
朝井さんに匹敵するのって、
さくらももこさんとか、三浦しをんさんくらいじゃないかな。
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一番やばいのは、「肛門記」
痔(それも痔ろう)の闘病記である。
私はあまり縁がないけれども、これは大変だと思う。
大変なのに、笑ってしまう。w
そこが、朝井さんの力量なんだろうな。
よくこんなの書けるな、と尊敬するわ。
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実は、読んだのは初めてではない。
でも、何度読んでも面白いし笑ってしまう。
私にとってこの本は「笑いたい時に読む本」だ。
再読にも色々あるんだけど、
私は、気分によって再読する本を選ぶことがある。
「気持ちを上げたい時に読む本」とか、
「泣きたい時に読む本」とか、
「気持ちを静めるために読む本」みたいなのがある。
こういう時、「事前にどんな本か分かっている」というのは大きい。
ハズレをつかむことがないんだから。
それでいて、何度読んでも新しい発見があったりする。
再読も、読書の醍醐味の一つなんだよね。
常に新しい知識ばかりを求めている訳ではない。
ま、たくさん読んでるから、読んだ内容を忘れてしまう、ってこともあるんだけど。
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