北京オリンピック(そのほか)
北京オリンピックの振り返り。
冬季五輪にて、日本のメダル数は過去最多となった。
金メダル3、銀メダル6、銅メダル9.
まずは、金の3つ。
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スキージャンプ、小林陵侑。
ノーマルヒルで金メダル、ラージヒルで銀メダル。
個人の金メダルは、長野オリンピックの舟木以来。
4年前は、兄の潤志郎の方がエース格だったんだけど、
結果は4年間の時点で陵侑のほうが上で、次期エースと見られていた、
前回の五輪後から一気に才能を爆発させて、
世界のトップに君臨している。
今回はその実力をしっかり見せ付けた。
しかし、ジャンプって前に跳べてた人でもすぐに追い抜かれていく。
いつまでもトップに君臨するのは難しそうだな。
日本勢の弱点として、陵侑以外に外国勢に対抗できる選手がいないため、
団体では不本意な成績に終わった。
ナンバー2が、トップ10内にもう一人くらいいたらなぁ。
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スピードスケート女子。高木美帆。
今回は、500、1500、パシュートで銀。最後の1000で金メダル。
個人でのメダル獲得数では前回とあわせて7つ。
これは、日本女子歴代最多になった。
今回は、日本選手団の主将もつとめていて、
主将は活躍できないというジンクスを木っ端微塵にした。
いや、強すぎるわ。
もともと、バンクーバーの時に史上最年少でオリンピックに出たけど、
その4年後のソチには出られなかった。
ピョンチャンでは、パシュートで金、1500で銀、1000で銅。
本当に、オールラウンダーに強い選手になってる。
500でも強いってどういうことだよ。
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スノーボードハーフパイプ、平野歩夢。
2大会連続の銀メダリストだったけど、三度目の正直で金メダル。
誰もやっていない大技「トリプルコーク1440」を成功させた。
予選では温存していたんだけど、
その時のインタビューでは、「いや、みんなやってくるっしょ」
みたいに言っていた。
その中で、完成度を極めたい、と。
結果として、トリプルコークに挑んだのは平野歩夢ただ一人だったが。w
2回目の試技で成功させたにもかかわらず、得点が伸びずに大ブーイング。
2位で迎えた3回目の試技で、さらに完成度を高めてぶっちぎりの優勝。
これ、3回目失敗していたら大騒動になったんじゃないだろうか?
あれが評価されないって、おかしいよ。
結果として、平野がジャッジ全員を黙らせた形になって、
ジャッジの方もほっとしたんじゃないだろうか。
日本勢は4人決勝に残っていたから、もう一人くらい表彰台からむか?
と期待していたけど、さすがにそこまで甘くなかった。
ショーンホワイトは、今大会限りで引退。
しばらくは平野の時代になるんだと思う。
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モーグルは、女子がおしくもメダルを逃したけれども、
男子では2大会連続のメダル。この種目も日本は安定して強いね。
エアーのレベルがとんでもなく上がっているけれども。
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ノルディック複合は、渡部ががんばった。
個人ラージヒルで3大会連続のメダル獲得。
今季は不調だったのに、最後の最後でがんばってくれた。
それよりもびっくりしたのは、団体の銅メダル獲得。
これも、リレハンメル以来になるのかな。
若手の山本が最後に意地を見せてくれた。
山本はジャンプが得意な選手で、個人戦でも
ノーマルヒル、ラージヒルともに、渡部よりも飛んでいた。
というか、ノーマルヒルでは全体トップだった。
それでも、クロカンがそれほど強くないので、
メダルにからむことはできなかった。
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今回、団体ではジャンプが終わったところで4位。
上位と差はなかったとはいえ、クロカンの走力を考えると
もっと余裕が欲しかった。「メダルは厳しいかな」と思ってた。
日本は1,2走ががんばってトップグループを維持。
3走にエースの渡部暁斗をぶつけて、2位でアンカーの山本に。
2位でもらったとはいえ、
アンカーのほかのメンバーの走力考えると
日本がメダル圏内を確保するのは厳しかったはずだ。
それでも、若い山本が必死にくらいついて、
2位のドイツから僅差の3位でゴール。
これは、今後にも期待が持てるメダルだと思う。
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最後まで日本の話題をさらったのが女子カーリング。
予選リーグ最終戦でスイスに負けて5勝4敗。
これで、グループリーグ敗退かと思いきや、
ライバルとの関係でぎりぎり4位で準決勝に残った。
ロコソラーレは本気で「敗退」と思っていたから、
準決勝に残れるとなったときの映像はとても面白かった。
(リアルタイムで放送されていた。)
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ニュースでは、「韓国がスウェーデンに敗れたため」
ってなってたけど、実はそんなに単純な話ではなくて。w
5勝4敗で並んだのがイギリス、日本、カナダ。
これで、韓国が最終戦に勝って5勝4敗になってたら、
直接対決の差でイギリス、韓国の勝ちあがりだった。
イギリス、日本、カナダだと、当該国の対戦成績が全部1-1.
こうなった時に、ゲーム前の先攻、後攻を決めるのに使ってる
ショットの距離の平均値で順位を決めることになってた。
ちなみに、日本はここで分が悪いことまでわかってた。
ところが、フタをあけてみたらカナダが日本よりさらに悪くて、
順位は、イギリス、日本、カナダとなった、と。
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勢いに乗って、準決勝ではスイスにリベンジ。
優勝候補筆頭のスイスに勝って、初の決勝進出。
決勝ではイギリス(前回大会、銅メダルを争った相手)に
負けてしまったけど、それでも立派な銀メダルだった。
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この人気には、ロコソラーレ自身の人気もあるよなぁ。
何回か放送みたけど、彼女たちだけ楽しそうに声かけあってる。
他のチームは、しかめっ面してやってるのに、
ロコソラーレだけ、なんか別の世界線にいるみたいだった。w
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さて、今回のオリンピックは、「失敗」もひとつの大きなテーマだと思った。
フィギュアでは羽生の4回転半の失敗があったし。
ジャンプ混合団体では、高梨選手の「スーツ規定違反」失格騒動。
スノーボードビッグエアでは、岩渕が、女子初の「トリプルコーク」に挑戦。
女子パシュートでは、高木菜那のゴール直前の転倒。
結果だけみると、悲劇なんだけど、
それぞれにものすごく重いストーリーがあってさ、
逆に成功するよりも記憶に残る結果になったんじゃないかと思う。
メダルの色だけが全てじゃないんだよ。
「努力は必ず報われる」とは限らない。
むしろ、努力はここぞというときに裏切るもんだ。
それでも、そこまでやってきた努力は無駄にならない。
というか、やってきたからこそ、物語になるんだと思うよ。
人は、その物語を求めているんじゃないのかな。
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コロナの中だから、いろいろ大変だったけど、
私はやっぱりオリンピック好きだなぁ。
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