読書記録 2022.3
2022年3月の読書まとめ。
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3月は28冊読了。
小説(新規)16冊、小説(再読)3冊。
学術/ビジネス 6冊、エッセイ/その他 3冊。
3月は長いこと待った小説の予約本が多かった。
3冊紹介。フィクションから。
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「らんたん」(柚木麻子)
柚木さん初?の歴史もの。
明治から昭和にかけての教育者、河合道を主人公とした、
女性の教育大河小説。
シスターフッド、という概念が出てくる。
河合道と、その教え子でかつ親友の渡辺ゆりの二人をつなぐ関係。
女性同士でありながら、家族のような。
姉妹のように支え合い、高め合っていけるような関係、かな。
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とにかく、登場人物が有名人ばかり。
師匠にあたるのが津田梅子と新渡戸稲造。
新旧5000円札コンビ。
アメリカで野口英世に言い寄られるシーンもあったり。
旧友として頻繁に出てくるのが有島武郎だったり、
徳富蘆花にタンカきったり。
学友として、平塚らいてうみたいな女性運動家もいるかと思えば、
重要な登場人物として、大阪の実業家、広岡浅子に、
「赤毛のアン」の翻訳者、村岡花子まで出てくる。
NHKの朝ドラ主人公コンビ。
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河合道は、柚木さんの出身校である、恵泉女学園の創始者。
生涯、独身で通して女性の教育の発展に力を尽くした。
柚木さんの作品には、今までも女性の友情の話がよく出てきたけど、
そのルーツとなったのは、この学園なんだなぁ、とよくわかる。
明治~昭和にかけての女性教育の発展について興味があり、
かつ、柚木さんの過去の作品をよく読んでいる私にピタリとハマった。
これは、今年の一推しになりそう。
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次。学術系。
「腎と薬のファーストレッスン」(近藤悠希)
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#読めよ薬剤師2021というハッシュタグで集められた
薬剤師の推薦本の一番人気だった本。
処方せんに検査値がついていることが増えてきているが、
実際に検査値で疑義照会が必要になることと言えば、
大半が腎機能に関することではないだろうか?
ぶっちゃけ、腎機能さえチェックできてれば、
他の検査値は割とどうでもよい、くらい。
それくらい、薬にとって腎機能って重要。
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腎機能によって、減量しなきゃいけない薬は多いし、
薬によって腎臓に悪影響があったりもするから。
この本は、腎臓のことを気にする薬剤師が、
「はじめて」読むのにふさわしい本だと思う。
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ただし、かといって簡単な本という訳ではない。
深くて広い世界が、そこに広がっていることがわかる。
でも、スキルアップのためには、その世界に飛び込むことが必要で。
そのための、最初の足掛かりとしての本だと思う。
私が読んでもすぐに理解できないところはいっぱいあったから、
これは、何度も読み返す必要があるんだろうな。
かつ、実践していけば、少しずつ前に進んでいける、、と思いたい。
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検査値から簡単に腎機能がわかればいいんだけどさ。
年齢や性別、体格によって変わってくるのがね。
難しいというか、とっつきにくい。
検査値が同じ値であっても、
この年齢、体格なら、実際の腎機能はもっと低い、とか
評価しながら、薬の加減をしなきゃいけない訳で。
うん、がんばろう。
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最後。
「News Diet」(ロルフ・ドベリ)
これも#読めよ薬剤師2021、から。
自分一人ではこの本にたどり着けないだろうから、
本を紹介しあうことって大事だよね。
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さて、「ニュースダイエット」
これは、食生活を我慢するダイエットのように、
ニュースを見るのを我慢しよう、という本である。
ニュースをみるのはよいこと、という既成概念を打ち砕いてくれる。w
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というのは、ニュースが氾濫しすぎているということ。
しかも、しっかりした裏付けと深い考察があるニュースならともかく、
粗製乱造された、インパクトだけ大きいニュースって、読む価値ある?
フェイクニュースに踊らされるだけじゃないのか。
ニュースを見たからといって、自分に何かプラスがあるのか?
自分の糧になるようなニュースであれば必要だ。
でも、大半のニュースは、自分にとって必要ない。
いい加減な週刊誌の記事に何の価値があるのか?
信頼できる専門家の書いた、裏付けのある記事や本の方がよいだろう、と。
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問題は、何をもって「信頼できる専門家」と言えるかどうかだけどね。
それが理解できない分野には、あまり突っ込まない方がよさそうだな。
この本については、二つほど感想。
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一つ目。ニュースを断つより、SNSを断つ方が効率よいだろう。
あれ見てる時間、本当に無駄だよね。
単に好奇心を満たすためだけの時間ならともかく、
全く無意味なことも多々あるから。w
ダイエットと同じで、全てをいきなりゼロにする必要はない。
少しずつ減らしていければいいんじゃないかな。
とにかく、今の世の中は情報が多すぎるんだ。
もっと減らしていいから、良い情報だけを取ろうよ。
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二つ目。心の平安を保つために、ニュースから遠ざかろう。
新型コロナの問題から、ウクライナ戦争と、
本当に心を痛めるニュースが多い。
私がニュースを見て心を痛めたところで、
世界が好転する訳ではないよ。
そりゃ、いくばくかの寄付はするし、
意見表明もしたけれどさ。
私はこの本を読んで、ウクライナ戦争のニュースから距離をとった。
それまでは、中毒のようにウクライナ関連の情報を集めていたけれど、
そんなことしたって、何にもならないんだから。
新型コロナもそうだけどさ。
最終的には「祈る」くらいしかできないのよ。
それなのに情報を集めたところでね。
心身ともに疲れ果てるだけだ。
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できることはするけれども、そんなに多くない。
もちろん、情報を遮断する訳ではないけれども、
必要最小限に絞ってもいいんじゃないかな。
その方が、心の平安が保ちやすいよ。
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さて、3月終了時でちょうど100冊。
今月も忙しいから、読書ペースはさらに落ちると思う。
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