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読書記録 2022.7

 2022年7月の読書記録。

2022年7月読書まとめ(読書メーター)

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 7月は30冊読了。
小説(新規)12冊、小説(再読)9冊、
学術/ビジネス 8冊、エッセイ/その他 1冊。

 30冊読了は今年2月以来。
それでも、1日1冊ペースには届かない。
読み返したい本がたくさんあったので、
読書ペースが上がったようだ。再読の方が時間かからんからね。

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 今月の3冊。

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 まずは小説。

六人の嘘つきな大学生」(浅倉秋成)

 2022年本屋大賞第5位。
就職活動の最終面接に残った大学生六人。
最初は、六人でプレゼンをして、全員合格もありえる、という話
だったんだけど、結局のところ合格者は一人に絞られる。

 それも、

「あなた達六人でグループディスカッションをして、
 誰が入社するにふさわしいかを決めなさい」

 という、とんでもないルール。
結局、一定時間ごとに(自分以外の)誰かに投票して、
累計の得票数がもっとも多い人が合格、という。

………ライアーゲームか?

 というレギュレーションになった。

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 で、ここで事件がおこる。
刑事事件ではないが、誰が合格するかを大きく左右する
大事件。これの犯人は誰なのか?動機は?
というミステリーになる。

 あんまり話すとネタバレになるけれども、
結局のところはね、「就活って何?」って話。
そういう意味では、朝井リョウの「何者」に近いかなぁ。

 いろいろなところにちゃんと伏線も張ってあるから、
やろうと思えばしっかり推理できると思う。
テーマもさることながら、ミステリーとして面白かったな。

 そんなに重くないし、読み味も悪くなかった。
私は普通の就活してないからよくわかんないけど、
これってキツイよねぇ、って思った。

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 次、学術系

ビッグデータが明かす医療費のカラクリ」(油井敬道)

 同じ病気でも、医療費が全然違うことがある。
いや、薬剤師だから知ってるんだけどね。(苦笑)

 同じ糖尿病でも、
安井さんは「メトホルミン90日処方」
高田さんは、「SGLT2阻害薬30日処方」

 これ、効果が似たようなものでも値段は3倍違う。

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 医療にどこまでコスパを求めるのか、という話になるのかな。
メトホルミンは、極端にコスパのよい薬だけど、
SGLT2阻害薬だって、高いけど副次的効果が期待できる。。
かも知れない。

 ま、私が服用するならメトホルミンだけど。w

 これ、大まかに医療費を示した上で、
患者さんと相談して決める方がいいのかも知れないなぁ。

 まだまだビッグデータは出そろってないけど、
今後、どんどんデータが集まってくると
医療が変わっていく可能性は大きいと思う。

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 コスパ最強は、バイアスピリンじゃないかと思う。
世界で最も、人類に貢献している薬ではないだろうか。

 それが、19世紀に発見された薬だっていうんだから、
この業界の特異さがわかるよね。
未だに、コスパでアスピリンを超える物質が出てこないんだから。

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 最後。そのた。

本当の貧困の話をしよう」(石井光太)

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 貧困は、SDGsの一番最初に出てくる目標だ。
ある意味、最終目標でもある。
「世界中から、貧困をなくそう」というんだから。

 貧困って、対策すればなくすことができるんだ。

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 で、作者が日本や海外でみた、本当の貧困の話。

 日本の特徴は、貧困が見えにくいことだ。
普通に中学校に通っている子ども達の中に、貧困が紛れ込んでいる。
そういった子どもは、自分が「周りとは違う」ことを認識させられるので、
自己否定感が強くなり、悪循環にハマっていく。

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 海外だと、スラム街のように、
「経済的に貧しい人が集まって暮らしている」ことが多い。
この場合、生活は苦しくても、
「自分は貧困だ」と認識しないことがある。
だって、自分の周りもみんな同じ生活してるんだもん。

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 もっとも、その中でもストリートチルドレンだけは別格にヤバい。
スラム街から、さらに零れ落ちた子ども達。

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 今の日本は、過剰に自己責任が求められる世の中になりつつある。
ちゃんと、福祉なりなんなりで補償してあげることが、
結果としてみんなのためになるんだけどな。
そこを放置するから、犯罪が発生する訳で。

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 例えば、安倍さんの暗殺事件にしてもそうだよね。
あの犯人(容疑者)を、「カルト教団の被害者を助けよう」
という人たち、可能であれば政治が助けてあげていればさ、
あんな凶行はおきなかったんじゃないのかな??

 ただ、これは他の本の話だったけど、
「本当に支援が必要な人ほど、支援をはねつける」
ということがあるので、これがなかなか難しいんだが。

 SDGsの本丸は、貧困対策なんだ!
って強く主張したくなった。

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 さて、7月はこんなもん。
実のところ、この3冊を選ぶのはかなり苦労した。
正直、7月はあまりいい本に会えなかったような。
あえて選ぶならこの3冊かな、というところ。

 

 

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