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読書記録 2022.12

記事の順番がめちゃくちゃだけど、
12月の読書記録

2022.12の読書まとめ(読書メーター)

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12月は26冊読了。

小説(新規)11冊、小説(再読)2冊、
学術/ビジネス 11冊、エッセイ/その他 2冊。

学術、ビジネスが多いのは、
これはKindleUnlimitedの加入期間だから。
ずっと入っている訳ではなくて、
格安の期間だけ加入して、いったんやめて、
を繰り返してる。

「3カ月198円」みたいなキャンペーンを時々
やってくれてるんだけど、
退会後1年くらいは、そういうキャンペーンは対象外。
でも、1年たつとまた対象になるので、
そのタイミングで再加入している。

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 さて、今月の3冊。

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 小説から。

小説の小説」(似鳥鶏)

 似鳥さんは、本格推理作家なんだけど、
普通ではない作品も多い。

 たとえば、「叙述トリック短編集」なんてのも書いてる。
叙述トリックというのは、作者が地の文で読者を騙してくる
トリックのこと。ふつう、小説でしか成立しない。

 なので、叙述トリックの本は紹介しにくいんだ。
ネタバレを書くわけにいかないし、
かといって、叙述トリックがあることを教えてしまえば、
慎重に読み進めていくだろうし。

 だが、この叙述トリック短編集は、
最初から「叙述トリックがあります!」と宣言して
書いてくる、とても変わった小説で、
こんなことできるのは似鳥さんしかいないと思う。

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 さて、この「小説の小説」もそういった似鳥さんのお遊び。
小説という形態をどこまで崩せるのか、に挑戦している。

 一編だけ紹介すると、「文化が違う」という作品。
これ、2022年で一番笑った小説。

 人は、ネーミングに引っ張られて、
勝手に自分の中で映像を捏造する。
という前振りから、
いきなり異世界ファンタジー転生ものが始まるんだが、
ネーミングがとてもおかしい。

 まず、ヒロインの名前が
マッスルゴリラ=ウンコナゲルです。ゴリラとお呼びください。」

 いや、名前以外の描写はいたって普通、というか
勝手に美少女を連想してしまっているのに、
名前がソレというだけで台無し。

 ほかにも、魔法(魔法もある世界なのだ)のネーミングが
やばくて笑える。ちょっと書けない。
ちなみに、ゴリラの得意魔法は「ウホッ!」

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 普通、ネーミングってのはそれらしく聞こえるように工夫する
もんだけど、この作品はすべてが逆転している。
「どんな名前なら面白いか?」を極限まで追求しているので、
本筋とは関係ないところで大笑いしてしまった。

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 次、学術系。

失敗の科学」(マシュー・サイド)

 少し前の本だけど、KindleUnlimitedに入っていたので。
人はみな失敗するけれども、その失敗をどう活かすのか?
むしろ、失敗することでシステムが改善されていくべきなんだが、
そうなっていないところも多い。

 優秀な例として、航空業界があげられている。
何らかの事故がおこれば、全て解析されて、
二度と同じようなことがおこらないように改善される。

 では、医療業界はどうなの?
医療事故による死亡者は、航空業界よりもはるかに多いが、
すべて「仕方なかった、避けようのない事故だった」とされて
隠ぺいされていないか?と。

 失敗を認め、それを次に活かすための仕組みづくりの話だけど、
そもそも、失敗を認めるのが非常に難しい。

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 人は、自分の失敗をなかなか認めたがらない。
その心理的メカニズムを解説してくれているんだが、
非常に恐ろしいと思った。

 私は自分の失敗を認める方だとは思うが、
それでも、認められないことってあるんじゃないかな。

 この本に出てくる、失敗を認められない人は、
はたから見ると、「いや、どう考えてもおかしいでしょ」
と思うんだけど、

 これ、自分だって同じ過ちに陥る可能性があるよ。
それが、非常に怖かった。

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 あとは、ミスを責めるのは百害あって一利なし。
それしたら、誰もミスを報告しなくなるので、
システムを改善することができなくなる。

 これって、常識だと思っていたけれども、
意外に知られていないのかもしれない。
じゃぁ、どうすれば報告してもらえるのか。
そういう仕組み作りから必要になるんだろうな。

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 最後。

グレーゾーンの歩き方」(成沢真介)

 少し前に、「認知症世界の歩き方」という本が流行った。
認知症の人がどう感じているのか?をわかりやすく解説した本で、
そりゃ健常者にはわからないわな、と思った。

 で、この「グレーゾーン」は、
発達障害のグレーゾーンにあたる人が、
どのように考えて、どのように感じているのか、という本。

 ま、二番煎じと言えばそうなんだけれども。(苦笑)
その視点は考えたことなかったから、新鮮だった。

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 いやこれ、誰にでも当てはまるでしょっていう内容が多い。
まぁ、白に近いグレーもいれば、黒に近いグレーもいる。

あと、人間は「自分」の当たり前しか認識できないんだよね。

 例えば、私は息子に対して、
「冬休み、計画的に勉強しなさいよ」と言っているが、
たぶん、できそうにない。(苦笑)

 おそらく彼は、「物事の計画を立てる」ことができない。
他の能力に比べて極端に弱いんだろうな。

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 でも、私から見れば、「なぜこれができない?」になる。
普通、みんなできることだよね?と思うから。
ただ、それも彼の「特性」なんだろう。

 で、特性ってのはそう簡単になおるもんじゃない。
なので、そういう特性があるのを、自分で自覚して、
じゃぁどうする?と考えるしかない。

 できないことをできるようになるのは、非常に難しいので、
できなくても何とか迷惑かからんように考えることが必要。

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 ちなみに、彼はなくしもの、落とし物が異様に多い。
おそらく、これも特性によるものだろう。

 私の対策としては、「高価なものを買い与えない」になる。w
どうせ、なくすんだから、なくすことを前提に買う。

 今度、腕時計を買ってやるつもりだけれども、
3000円の腕時計を買うよりも、
1000円のを3つ買う方がいいだろう。

 財布にしても、どうせなくすから大金いれない。
財布自体を高価なものにしない。

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 ものを落としやすい、なくしやすい、という性質を知っていれば
それだけで対策の立てようがあるんだ。

 でも、それは本人だけで気づくのは難しい


 特に今は、便利なアプリとか増えてるから、
うまく利用すれば、かなりの部分をフォローできるんじゃないかな。
スマホなくさないようにだけ気を付けてもらえれば。w

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