読書記録 2023.3
2023.3の読書まとめ(読書メーター)
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3月は27冊読了。
小説(新規)15冊、小説(再読)4冊
学術/ビジネス 8冊、エッセイ/その他 0冊
エッセイ系が0ってのは、実は珍しい。
記録を取り出してから初めてじゃないかな。
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今月の3冊
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小説。
「名探偵外来 泌尿器科の事件簿」(似鳥鶏)
似鳥さんは、つい最近紹介したばかりなんだけど。
ミステリー作家さんで、トリックや謎は本格だが、
キャラがおかしい人が多くて軽いイメージがある。
その似鳥さんが、今回は医療系に初挑戦。
それも、泌尿器科をチョイスするあたり、やっぱりおかしい。w
主人公はいたって真面目な泌尿器科医だが、
周りを固めるメンツのキャラが濃すぎるんだよな。
それが面白い。
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泌尿器科あるあるを面白く紹介してくれているが、
実は事件としては、かなりシビアな事件が多い。
医師によるデマ情報の拡散とか、ヘイトスピーチや、
男性至上主義の信仰、などなど。
男性としては、第3話はぜひ読んでみてほしい。
多分、女性には考えられないようなショックを受けると思う。
ネタバレなので書けないけれども。
似鳥さんって、ライトなキャラが多いけれども、
結構社会派なのね。今作はそんな「ガチ似鳥」が見え隠れしている。
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次。
「友達の数で寿命は決まる」(石川善樹)
2014年出版だから、かなり昔の本だけど、
なかなかキャッチーなタイトルだったので読んでみた。
「人とのつながりが少ないと、死亡率が2倍」
「お見舞いにきてくれる人の数で余命が変わる」
「孤独は喫煙より身体に悪い」
などなど。
これはこの人の思い込みではなくて、
ちゃんとしたエビデンスのある話。
女性の平均寿命が男性よりも長いのは、
女性の方がコミュ力が高くて友達が多いからではないか?
という考察をしている。
うーん、そうかもしれないな。
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先月紹介した「社会的処方」にもつながる話で、
孤独を解消することが健康の秘訣、なんだ。
こないだ、私の勤務先であった話だけど、
95歳のおばあちゃんが、薬局に薬を取りに来てた。
そこに、たまたま同い年のおばあちゃんがやってきた。
久しぶりの再会だったようで、お薬を渡し終わった後も、
ずーーっと待合室でしゃべってた。
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たぶん、おばあちゃんたちにとっては、
薬局で渡された薬よりも、「同い年の方との会話」
の方が、よっぽど健康にいいだろう、と思った。
よく批判されることもある、
病院が老人のたまり場になっている話。
「あの人、最近見かけへんな、具合悪いんかな?」
といった笑い話にもなっているけど、
場所はともかく、顔見知りが集まるコミュニティーが
あることが、健康の秘訣なんだろうな、と
認識を改めた。
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ただ、少し古い書籍だから、
今の研究だとどうなっているんだろう?
特に、SNSと健康の関係が気になるな。
人とのつながりが保てるのならプラスだと思うけど、
今のSNSだとどうなんだろう?かえってマイナスかも?
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最後。
「数学者図鑑」(本丸諒)
偉大な業績を残してきている数学者の図鑑。
何年か前から数学の本を時々読んできたけれども、
私が読みたかったのはこれだな。
数学のことがあまりよくわからなくても、
その歴史的背景やエピソードを紹介してくれているので
わかりやすい。
自然科学はいろいろあるけれども、
数学者は、きまって変人なので、面白い。
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学問的な実績はともかく、
実際に数学を利用して社会に貢献した人、としては、
ナイチンゲールが最強だと思う。
統計やグラフの活用で、数学を素人にもわかりやすく
説明するテクニックを駆使して、社会を変革していった。
うん、立派な数学者だね。
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いろいろと読んでいたので知っている人や話が
多かったのもプラスかな。よりわかりやすく書いている。
革命前後のフランスは、偉大な数学者が山盛りだったけど、
アーベル、ガロアという二人の天才を
「送られてきた論文をなくした」
という理由で葬り去ってしまったコーシーがヤバい。
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今月はいろいろ読んだけど、
3冊選ぶのは少し苦労した。
わかりやすく突出した本がなかった。(特に小説。)
4月は本屋大賞の発表がある。
未読の本だったら購入して読むけど、
今年はどうだろうなぁ。
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