読書記録 2023.4
2023.4の読書まとめ(読書メーター)
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4月は30冊読了。
小説(新規)12冊、小説(再読)4冊、
学術/ビジネス 11冊、エッセイ/その他 3冊
久々に月間30冊到達。
単純に軽い本が多かったということもあるが。
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今月の3冊。
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まずは小説
「ドミノin上海」(恩田陸)
恩田陸さんといえば、なんといっても「蜜蜂と遠雷」なんだが、
この人は非常にバラエティーに富んだ作風である。
ミステリーなところもあれば、ホラーチックな話もあり、
また、伏線が全然回収されないで余韻が残りまくりな話も多い。
で、この「ドミノ」は、恩田さんの数ある作品の中でも異色で、
もう、全力でエンタメに振り切った小説。
「んなアホな」の連鎖反応が続いていくパニックコメディ。
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一応「ドミノ」が前作にあたる。
東京駅を舞台にしたパニックコメディなんだけど、
今読み返すとさすがにいろいろと古い。
スマホがない時代だからなぁ。
待ち合わせ場所で、相手になかなか会えないとか、
今の時代では考えられんから。
で、in上海はその続編。
ドミノの10年後くらいのお話で、
登場人物も半分近く重複している。
でもこれ、前作知らずに読んでも十分面白いよ。
ただ、前作と連続で読むとさらに面白いので、
可能であれば2作連続で読むことをお勧めする。
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しかし、この上海編自体、執筆がかなり長期に渡っていて、
もう、今の時代から読むと古くなっているんだろうなぁ。
日本からみた中国観って、どんどん変わっているよな、
という感想もある。
上海編も、いろいろなキャラが登場するが、
一番の異色は、ジャイアントパンダの厳厳だろう。
「心頭滅却!おれはここにいない!」
いや、意味わからんよね。ww
でも面白い。
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次、学術系。
「患者指導・保健指導 説明10か条」(松本千明)
4月に入り、新しい薬剤師が入職してきている。
保健薬剤師の登録がおわれば、いよいよ投薬デビュー。
でも、ここが一番難しいと思う。
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薬剤師の業務って、昔は対物が多かったけど、
今はどんどん「対人業務」に重点が移っている。
人相手の業務って、怖い。
でも、国家試験では対人業務に関する内容とか
ほとんど触れられていないからねぇ。
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そんな新人薬剤師が、投薬デビュー前に読むのが
いいんじゃないかな、と思って紹介してみる。
もともと、薬剤師向けだけに書かれた本ではなくて、
医療者や保健者むけの本なんだけどね。
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内容は、正直、知っている内容がほとんどだった。
どっか、研修でやったよな、これ。とか、
ああ、先輩に聞いたことある、みたいな話ばかり。
でも、それは私がキャリア20年あるからであって。
最初にまとまった勉強をするなら、これをお勧めしたい。
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この本の特徴は、とにかく
「読みやすい、わかりやすい」ことだ。
これは当たり前の話で、
「わかりやすい説明」について書かれた本が
わかりにくかったら、それはどうしようもないよね。
魔法の数字として「3」がとりあげられていて、
どんな内容でもだいたい3つくらいにまとめると、
覚えやすいし、わかりやすいよ、ということなんだけど、
今どきのプレゼンって、だいたいそんな感じになってるよね。
できれば、説明10か条も「3か条」くらいにして欲しかった。
(いや、ボリューム的に無理があるんだが。w)
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最後
「ネットで故人の声を聴け」(古田雄介)
若くして病気で亡くなった人、自殺した人。
寿命で亡くなった人が残したネット上の記録(主にブログ)
を紹介している本。
当たり前だけど、重い話が多いので、そこは覚悟が必要。
半分くらいが闘病記だからね。
若い人が亡くなってしまう話は悲しいし
故人の声は重い。
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ただ、割と古い記録も扱っているのでそこは注意。
闘病記の読み方、みたいな話もでてきたけれど、
同じ病気でも100人いれば100通りあるので、
同じようになるとは限らないし。
何より、この20年での医学(特に化学療法)の進歩は
すごいからね。ステージ4でも普通に治る時代になりつつあるから。
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インターネットが世に生まれて30年くらいかな。
昔は、ネット使う人って若い人しかいなかったから、
そういう死に関する話ってほとんどなかったと思う。
でも、30年もたつとなくなってしまう人も出てくるし、
老人がネットに詳しいことも当たり前になった。
90歳のブロガーなんて方もいたんだね。
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デジタルの記録は劣化しないので、残り続ける。
うん、理論上はそうなんだけどね。
でも、ネット上の記録は、結構削除されていくんだよ。
ブログのサービスが終了したら、それで終わり。
だれも管理していないサイトは、人知れず消えていく運命にある。
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いや、このブログだってそうだよ。
niftyがサービス終了したらそれまで、だ。
今更引っ越すのは多大な労力を必要とするし。
(以前、やろうとしたことあるから知ってる)
ネットの情報の海に沈むだけ。
仮に残っていたとしても、
ネット上には膨大なデジタルデータがあるんだから、
更新されないデータは誰もみなくなる。
そうすると、それはないのと同じことだ。
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このブログも、私が死んだらそのうち消えるかな。
そもそも過去の医療情報なんか、すでに役に立たないし。
育児記録のところだけは製本してあるから、
そっちの方は子どもの代までは現存するだろうけど、
それ以後は知らんな。
読書メーターで管理している読書記録とか感想の群れも、
自分史的には貴重な資料ではあるんだけれども、
他人が(自分の家族含めて)読みたいか、というと、
「うーん……」
となるし。
読んでほしくはあるけれども、読まないだろうなぁ。(苦笑)
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今月も、3冊選ぶの苦労したなぁ。
これ、といった本が少ない。
世間は本屋大賞で盛り上がってたんだけど、
「汝、星のごとく」は、1月に読んでるんだ。
そして、その月は他の大賞候補作2作を紹介して、
「今月の3冊」の選にもれてるんだよ。w
いい作品だったけど、感想は書きにくい話だし、
凪良さんは3年前にも受賞してるから
ないだろ、って思っちゃったんだよなぁ。
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