読書記録 2023.5
2023.5の読書まとめ(読書メーター)
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5月は31冊読了。
小説(新規)12冊、小説(再読)6冊
学術/ビジネス 9冊、エッセイ/その他 1冊
今月も1日1冊ペースでいけた。
忙しいんだけどね。
本好きの下剋上が、年末に完結編が出るとのことで、
それに向けて第1部から再読始めている。
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今月の3冊。
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小説から。
「セクシャル・ルールズ」(坂井希久子)
坂井さんの本は初めて。
「専業主夫の旦那さんとキャリアウーマンの奥さん」
のお話、と聞いていたので興味があった。
ウチも、似たようなとこあるしね。
私が兼業主夫だから。
世間の偏見と戦いながら、
二人の関係を模索していくんだけど、
なかなか難しいよなぁ、と。
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この話、男女逆だったらめっちゃ普通の話なんだけど、
男女逆にするだけで、新鮮に感じる。
私ですら、社会通念から逃れられないってことだ。
ワンオペ育児で苦しむ夫、
仕事が大変で、夫の苦労に気づかない妻。
どちらにも言い分はあるんだけどね。
こないだ、夫婦の対話についての本を読んだけれども、
対話を行うためには、ある程度の余裕が必要なのよ。
お互いに余裕がないと、喧嘩になるだけで対話にならない。
そういう時は、対話拒否する方がまだマシ。
お互いに余裕がないな、と思ったら、
まず休んでHPを回復させる。
話はそれからだ。
って、現実ではなかなかそうはいかんよね。
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しかし、このご時世で専業主夫ってのは
相当無理があるんじゃないかな、と思った。
せめて、兼業主夫だよねぇ。
夫婦のありかたも、この10年でだいぶ変わった気がする。
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次、学術系
「知の統合は可能か」(瀬名秀明)
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SF作家でもある瀬名さんと、
COVID19に関連した著名人との対談を集めた対談集。
瀬名さんは、バリバリの理系(薬学系)の方。
「知の統合」をテーマに、深く重い対談が続くので、
読み解くのはかなり苦労した。
というか、半分も理解できた気がしない。
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いわゆる、専門分野の垣根をこえた「学際研究」の
お話なのね。
新型コロナに関しては、
「科学なしでは話にならないが、科学だけでも解決できない」
いわゆる「専門家」が得られた知見を、
どうやって世の中に広めていくか。
今回のコロナ対策でいうならば、
感染症の専門家が、めちゃくちゃ頑張っていたけれども、
第一波が収束したあとは、感染症の専門家だけではだめ、
経済の専門家とかも入ってくるようになったけど、
そこの統合はあまりうまくいったように見えなかった。
政治の話も絡んでくるし、
それこそサイエンスコミュニケーションの話でもある。
どうやって伝えれば行動変容をおこせるか、とか。
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で、本書は哲学や宗教まで絡んだ話になるけれども、
この「知の統合」は非常に難しい。
なんだろう、人間世界全体をレベルアップさせるような
話になるんじゃないのかな?と。
AIならどんな答えを出してくるのかな?と思った。
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日本には、尾身さんという化け物みたいな専門家がいた。
ぼっこぼこに批判もされたけれども、
尾身さんは、感染症の専門家でありながら、
政治家との折衝にも優れていた。
知の統合の解決の一つとして、
「一人でなんでもわかってる天才」待ち、
という方法もあると思う。これは私の感想。
凡人には到底無理な話だな。
なんだろう、「人類の限界」を感じた。
どれだけ文明が進んでも、
意味の分からない戦争がおきるしねぇ……。
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最後
「答えがない時代の新しい子育て」(松丸亮吾)
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松丸くん、昨日もテレビで見たな。
謎解きクリエイターの人だ。
もともとは、メンタリストの「DAIGO」の弟、
だったと思うけど、
今やむしろ立場は逆転してるような。
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松丸亮吾さんは末っ子で、
偉大な兄たちには、何をやっても叶わない。
そんななか、唯一彼の方が優れていたのが、
「謎解き」だった。
小さいころにテレビでクイズ番組をみていても、
お兄さんたちより早く答えられたらしい。
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受験勉強を頑張って、東大に入ったけれども
そのころにはもうDAIGOはバリバリに活躍していて、
「学歴だけで俺に勝ったと思うなよ」みたいに
言われたらしい。w
そこで、自分が得意で好きだった「謎解き」
一本に絞って、活動しているうちに、
いつの間にか兄を超えていた?
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さて、この本も対談集だ。
松丸くんが教育界の10人の著名人と対談していく。
タイトルに「子育て」と入っているけれども、
内容はほぼ教育の話だ。
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松丸くんは自分がそうだったから、
子どもが好きなことに特化する方がよい、と。
どんどん変わっていく時代の中で、
必要な能力はなんだろう?
テストの点がいいだけの意味はあるのか?
勉強は手段であって、目的ではない。
定期テスト、必要?宿題、いる?
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机にむかってガリガリ勉強するだけじゃなくて、
ゲームやアプリを使った勉強とか、
それこそ、謎解きの経験だったりとか。
そういう、新しい教育法も出てくるんじゃないのかな。
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今の学校教育は、硬直している。
「何のために勉強させるの」
テストでいい成績をとるため?
東大に入るため?
そういうことじゃないんじゃない?
子どもたちが生きるためには、
自己肯定感が大事だし、
自分が好きなことを見つけることも必要じゃないかな。
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正直、松丸くんのことなめてたわ。
ただのタレント本だと思ったら恐れ入った。
これ、「教育」のあり方を根本から考える本で、
この時代には必読だと思う。
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一番必要なのは、変化に対応できる力よね。
どう変わっていくかはほぼわからないんだから、
世の中がどう変わっても生きていける力を
つけてほしいな。
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