読書記録 2023.6
2023年6月の読書記録
(読書メーター)
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6月は、31冊読了。
小説(新規)12冊、小説(再読)7冊、
学術/ビジネス 9冊、エッセイその他3冊。
もっとも、薄い本も多かったので、
ページ数はさほどでもない。
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3冊小説する。まずは小説。
「病院でちゃんとやってよ」(小原周子)
小原さんは、現役のナースらしい。
医師で小説家はたくさんいるし、薬剤師もそれなりにいるけど、
ナースって珍しい気がするなぁ。
リハビリ病棟の看護師のお仕事小説。
いつまでも入院できるわけはないので、
ある程度、回復のめどが立ったら退院するしかないんだけど、
それって、自宅で介護になるの?それとも施設?
その辺を患者さん、その家族と話し合いながら決めていくんだけど、
これがまたしんどいんだわ。
自分のことになった瞬間、「え、無理」と思ってしまうんだろうなぁ。
そして、本作もそれはよくあらわされている。
しかし、男どもに全く介護する気がないのはなぜだ?
家事や育児に関しては、男性も少しずつ参加しなきゃって
流れになってるけど、介護に関してはまだまだかも知れない。
ちょうど、親が介護必要になるのが、私くらいの年齢。
働き盛りの40代~50代だから。
にしても、同じ年代でも女性には簡単に介護押し付けるよね。
ここにもジェンダーギャップがある。
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次、学術系。
「あなたを変える行動経済学」(大竹文雄)
行動経済学に関しては、特に医療分野に関して
大竹さんの本を読んだことがあったけど、
本作は、高校生向けに書かれている入門編。
非常によみやすく、面白かった。
「サンクコスト」は、一度支払ってしまった費用や時間で、
もう取り戻せないものを言うんだけど、
人間はつい、このサンクコストを惜しんで合理的に
判断できないことがある。
映画館に入れば、どんなにつまらない映画でも最後まで見ようとする。
「つまらない」と確信できた時点で、席を立って
その時間をもっと有意義に使った方が合理的なのに。
ほかにも、損失を避ける、とか、つい先延ばしにする現在バイアスとか。
勉強の計画を立てる時も、自分の「意志の弱さ」まで計算にいれて、
計画を立てる方がよいよ。
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あとは、「ナッジ」のお話。
デフォルトをどう決めるかで、他人の行動を変えることができる。
ただ、この辺は目的によるよなぁ、と微妙に思った。
例えば、コロナワクチンの接種券を、
「申し込んできた人だけ送付する」ということにした某自治体。
いや、それするとデフォルトが「接種しない」になってしまい、
接種率が下がってしまう。
逆に、もう、こちらから日時まで指定してしまって、
「変更のある方はご連絡ください」とやってしまった方が、
絶対に接種率は上がる。
でもね、接種券を送らない判断ってさ、
某自治体の首長の思想なんだよね。
この首長の考え(あるいは、それに忖度した人)なら、
「デフォルトをワクチン接種しない」にすることで
行動経済学をうまく利用していると思う。
すなわち、彼(ら)の目的は、
「国に文句言われずに接種率を上げたくない」ってことだから。
あくまで、任意接種だから接種したいという意思は尊重されてるし。
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やりようによっては、いくらでも悪用?できてしまうな、
というのが私の感想なんだけど。
ちょっと怖いなぁ、と感じた。
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最後。
「学校というブラック企業」(のぶ)
元、公立中学教師による本音。
主にツイッターで活躍されているのかな?
中学校にはよくわからない校則があるけれども、
それって、教師側も何のためにあるのかわからんことが
多々ある。
でも、現状を変えることで生徒が荒れるのが嫌だから
とにかく現状を変えたくない、伝統を守る、のだそうだ。
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これ、先生の方にもかなりストレスがかかっている。
自分たちも「このルール意味ないよなぁ」と思いながら、
生徒に守らせている訳だから。
生徒にも「ルールだから」以上のことが言えない。
そんなんでちゃんと指導できるわけないやん。
でも、ルールを変えようとすると
ベテラン教師からの反発が強くて、なかなか変えられない、という。
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少しずつ、改善はされてきているんだろうけれども、
まだまだ、これから、ってところも多いなぁ。
特に、いじめ指導に関してはそう。
文部科学省は、加害者を別室指導にして
場合によっては出席停止などの措置をとること、としている。
教室から出るべきは、被害者ではなく加害者であるべきだ、と。
でも、実際にこの通りに加害者が出席停止になったケースは年間1人とか。
いじめが原因となった不登校は、年間500人以上もいるのに。
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法律がそうなっていても、学校が運用の仕方を知らない。
保護者や先生まで伝わっていない。そういう問題もあるらしい。
確かに、私も知らんかったからな。
この運用をするためには、いじめなんかない最初の状態で、
保護者含めてみんなに周知する必要があるだろう。
「当校では、いじめ加害者に対して、別室指導や出席停止を含めた
断固たる措置を取ります」
って、最初から宣言しておかなければトラブルになるな。
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なんにせよ学校は大変。先生の数も足りてないし。
問題山積み。ただ、少しずつは改善してるところもあるんだよ。
少なくとも、問題点が「問題だ」とわかるようにはなってきているから。
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