読書記録 2024.2
2024.2の読書まとめ(読書メーター)
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2月は25冊読了。
小説(新規)14冊、小説(再読)2冊
学術/ビジネス 6冊、エッセイ/その他 3冊
2月はあっという間に終わってしまった。
読書量も極端に少ない。
25冊とはいえ、(薄い)乙女の本棚が
2冊あっての数字だからね。
なんか、忙しかったのかな。
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今月の3冊。
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小説。
「セゾン・サンカンシオン」(前川ほまれ)
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前川さんは初めて。看護師として働いているらしい。
いろいろな依存症に陥った女性たちが共同で生活し、
依存症からの回復を目指す施設、サンカンシオンのお話。
アルコール、ギャンブル、薬物。
基本的に、治るということはないらしい。
いつでも簡単にスリップするし、
頑張ってきてももとに戻ってしまうことがある。
でも、失敗してもそれを正直に言えるのが大事。
同じような境遇の人と話し合うことで、連帯する。
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先月紹介した「世界一やさしい依存症入門」を
そのまま小説にした感じ。
依存症になる原因は、おそらく「孤独」
そして、世間の偏見の目が非常に厳しい。
何人か登場人物がいるけれども、
「依存症ではない人」の目線から依存症の人を見る話が
多いので、最初は偏見にまみれている。
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世間の無理解に怒りを感じるなぁ。
じゃぁ、どないせえっちゅうねん、と。
強調されているのは、依存症は「病気だ」ということ。
風邪をひいて鼻水が出るのは、意思が弱いからかい?
アルコール依存症になって酒をのむのは、当たり前の話。
ただ、家族のことを考えるとしんどいなぁ。
依存症の家族をもった方もしんどいけど、
本人はもっとしんどいと思う。
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少しでも、世間に理解が進めばいいけどね。
次、学術系
「がんはどうやって治すのか」(ブルーバックス)
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国立がん研究センターから出ている、ブルーバックス。
ブルーバックスなんて読むの、何年ぶりだ?
下手したら学生時代以来かも知れない。
がんの治療法に関する教科書のような本。
発売は昨年12月なので、現時点での最新の知見だ。
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現在のがんの治療法は大きく4つ。
「手術」「放射線」「化学療法」「免疫療法」
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この4つが、4本柱として紹介されている。
私の知識では、3本柱だったので、
いつの間にか「免疫療法」が柱になっている、
ってことだ。
ターニングポイントになったのは、
免疫チェックポイント阻害薬。
本庶さんがノーベル賞とった研究やね。
オプジーボ、キイトルーダという薬は、
日本での売り上げが年間1位、2位だ。
どちらも免疫チェックポイント阻害薬。
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まだまだ昔からの薬も使われているけれど、
治療の選択肢が広がった感じがする。
20年前にくらべても、
「がん」は治る病気になってるな、と思う。
「標準治療」がかなり進化してるなぁ、と。
がん保険とかでも、先進治療まで含めた商品が
主流だったけど、あれ、いる?
先進治療は、「まだ効果の確定していない治療法」
健康保険の利く標準治療がここまで進んできたら、
先進治療を使うメリットってほとんどないんだけど。
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何にせよ、情報のアップデートが大事。
がんに対する怪しい民間療法とか、
まだまだ古い知識でやってるとこも多いから。
いまや、がんは治る病気ですよ、と。
アップデートしていこう。
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最後。
「なぜ男女の賃金に格差があるのか」(クラウディア・ゴールディン)
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去年のノーベル経済学賞、ゴールディン氏の著作。
題名はアレだけど、アメリカにおける女性の社会進出、
100年の歴史をふりかえっている。
制度的にはほぼ男女平等になっているけど、
それでも賃金格差があるのはなぜ?という話。
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100年前、大卒女性はいたが、結婚しない人が大半。
(それこそ、津田梅子とか、ヘレンケラーの時代である)
そこから、家事労働の省力化にともない、
女性の社会進出がすすむが、
「家庭、子供をもつこと」と「キャリアを積むこと」という
両立は、最近まで課題でありつづけた。
早々に結婚して、子供が大きくなってからキャリア、となると
キャリアの断絶がおこり、復職するのが難しい。
逆に、先にキャリア積んで、軌道に乗ってから子供、
とすると、高齢になり、そもそも子供ができなかったり。
(これは、今の日本だな)
最新のアメリカでは、この二つを両立させる動きになってる。
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大きな転換点となっとのは、「ピル」の存在だ。
ピルがなかったころは、子供をもつタイミングを
コントロールするのが難しかった。
ピルという確実な避妊法によって、
子どもをもつことを遅らせることができる。
その間にキャリアを積もう、子供はそのあと、と。
ところが、「女性がいつまで子供を産めるのか」という
データが当時はほとんどなかったのね。
実際に出産を遅らせると、思った以上に大変で
そもそも子供ができないことがわかってきた、と。
今では当たり前の話だけど、
当時はこれがわからなかったのが
新鮮だった。
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いまは、キャリアも家庭も、両立させる人が増えてきている。
日本では、まだまだだけどね。
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まず、前提として
「大卒女性がキャリアを目指すこと」はよいことか?
「家庭、子供をもつこと」は、必要か?
この本は、この2点を全面的に肯定して進んでいるので、
そもそもここで疑いをはさむと、話が進まない。w
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で、タイトルの賃金格差の話なんだが、
制度的には、完全に男女平等であってもね、
「長時間労働、高収入」「一定時間労働、平均収入」の
二つの職があり、夫婦ふたりともどちらも選べる場合でも、
ジェンダー規範から、男性が高収入、女性が平均収入を
選びがちになる、ということ。
子供が熱を出したときに対応するのどっち?
夫婦どちらかが対応できる状況を作っておかなきゃいけないが、
そこはアメリカでも「女性が対応すべき」となるらしい。
ようは、女性の方が家庭を維持するために
仕事をセーブする必要があるよ、ってことだろう。
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あとは、働き方改革が必須。
例えば、医師は働き方がえげつなかったので、
女性医師は少なかった。
今、まさに問題になっているけれども、
働き方改革が進むことで、女性も働きやすくなる。
それは、結果的に賃金格差が減ることにつながる。
日本は、これを進めるべきなんだろうな。
いろいろ不便になるところはあるが、諦めてもらうしかない。
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さて、私の思う解決策。
大卒女性が、キャリアを積みながら家庭を持つ方法として、
「家庭を重視する配偶者を持つ」
これで、ほぼ解決する。
お互いにキャリアを目指すから賃金格差ができるんだよ。
キャリアを目指す女性を、家庭で支えるパートナーがいれば、
簡単に解決しないか??
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というか、現在の我が家がその形である。
私は兼業主夫。奥さんの方が長時間労働で、収入も多い。
私はキャリア重視しないから、それで丸くおさまる。
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おそらくは、ここにジェンダーの壁があるのね。
大卒女性が、家庭的なパートナーを求めないのよ。w
おそらくは、自分と同等が、自分以上のキャリアを目指す
相手に魅かれてしまう、という。
もちろん、男性の方にも壁がある。
自分より稼ぐ女性に尽くすことを容認できるか、という。
でも、そこは気持ちの問題だから、
ひょい、と乗り越えることできそうなんだけどな。
ハイスぺ、バリキャリ女子は、家庭的なパートナーを探そうよ。
逆に、家庭的な男性に結婚できるチャンスが生まれないかな?
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私はキャリアを重視しないので、
のんびりだらだら、本でも読んで過ごそう。
それが一番平和だよね。
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