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読書記録 2025.2

2025年2月の読書記録
(読書メーター)

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子どもたちの受験も佳境。
ストレスのため、読書量減少中
(関係あるのか?)

2月は21冊読了。
小説(新規)8冊、小説(再読)1冊
学術/ビジネス 11冊、エッセイ/その他 1冊

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今月の3冊

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小説

7.5グラムの奇跡」(砥上裕將)

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 デビュー作、「線は僕を描く」という水墨画の小説で
本屋大賞ノミネートされた砥上さん。
この人、水墨画の作家さんでもあるので、
他が書けるのか?という疑問があったが、
この「7.5グラムの奇跡」は、水墨画まったく関係ない。

 本作は、視能訓練士のお仕事小説である。
視能訓練士とは、眼科のお医者さんの検査技師、
というのが一番近いかな。
 そういえば、そんな人いたな、と思うけど
これもまた、かなりニッチな分野をついてきている。

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 眼科ならではの豊富な症例を、
素人に近い、ペーペーの視能訓練士から見ることで
「眼科の世界」を見せてくれる。

 カラコンの注意点とか、緑内障と眼圧の話とか。
緑内障の目薬、大事なのにコンプラ悪くなりがちなんだ。
医療者として、結構勉強になることが多い。

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 ただ、よくも悪くも
「線は僕を描く」と雰囲気が似ている。
ほぼ、いいひとしか出てこないし
人情系のお話も多い。

 これはもう、この人の味なんだろうな。
好きな人は好きだけど、
物足りない、と思う人もいるかも知れない。

 最近、続編も出たみたいなので読んでみたい。

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つぎ、学術系

休養学」(片野秀樹)

休むこと。休養を掘り下げていく本だけど、
今売れているらしいので読んでみた。

図書館だと待ち人数がえぐかったので
電子書籍で買ったけど、
別の電子図書館を探せば普通に借りられた。
(ちょっと残念)

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「休むこと」は「寝ること」だけではないよ、と。
当たり前だけど、気づいてなかった。

 家でゴロゴロすることだけが休養だと思ってた。
リフレッシュも十分、休養。
読書をしたり、ゲームしたり、
(軽い)運動したり。それも休養。

 旅行に行くことだって休養だ。
確かに、海外のバカンスってそんな感じだよね。

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 ただ、個人的にはそういう
「寝る以外」の休養をとるには、
最低限の体力が必要だと思う。

 本当に疲れているときは、
とにかく「寝る!」しかないよなぁ。

 そういう意味では、日本人って
しんそこ疲れ切ってから休養を取るから
「休養」=「寝ること」になってるんじゃないのかな。

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 積極的な休養、という考え方も紹介されてた。
「攻めの休養」

 普通は、月曜日から金曜日までしっかり働いて、
土日休んで、身体を整える。という感じだけど、

「攻めの休養」では、
土、日にしっかり休んで月から金の仕事に備える。

 疲れたから休む、じゃなくて、
しっかり休んでから働く、と。
仕事で消耗する分だけ、先に休んで元気になっておく、
という考え方が紹介されていた。

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 いや、結果としては変わらんのでは、と思うけど。w
疲れ切ってから休むと、それこそ寝るだけになり効率悪いから、
疲れ切る前に休んでおく、ということなのかな。

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 疲れてパフォーマンス落ちた状態で仕事するよりも、
すぱっと休んで万全の体勢で仕事をした方が
かえって効率よくない?

 うん、それはその通りだと思う。
あとは、世間の方がそれを許してくれる環境に
ならないと、ね。

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 最後

注文に時間がかかるカフェ」(大平一枝)

 これは、ノンフィクション。
吃音で悩む若者たちが接客する
「注文に時間がかかるカフェ」の話。

 吃音の人は目立たないだけで割と多いし、
どうしても子供のころにいじめられやすい。
なので、予想以上に大きなハンデなんだ。

 「話すのが苦手」ではあるけれども、
話したいことがない訳ではない。
むしろ、話したいことがいっぱいあるのに、
伝わらないもどかしさ、みたいなのがあるらしい。

 あと、吃音といっても人によって全然違う。
歌なら歌える人、とか、特定の行(たとえばサ行)が
出にくい人、とか。
 また、日によって調子が変わることもあるらしい。

 自分の特性がわかってくれば、
対処することはできる。
特定の行が苦手なら、言葉を言い換えることによって
回避することは可能。
(頭フル回転でしゃべらなきゃいけないと思うけど)

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 日常生活の困難もあるけれども、
それよりも小、中でいじめられる困難の方が
よっぽどひどい、と感じた。

 このカフェは、自信をつけてもらって、
自己肯定感を高めるため、でもあるのかな。

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 もともと、主催の奥村さんはカフェで接客するのが夢だった。
でも、吃音者が接客するのは、ハードルが高い。
そこで、そういうカフェを作ってみた。
それが、「注文に時間がかかるカフェ」

 常時ある訳ではなくて、プロジェクト、かな。
基本的には1日限定。参加者の若者を募り、
お客さんも事前予約制にする。
 事前予約制なので、全く事情を知らない人が
入ってくることはない。

 また、料金はない。すべて無料である。
かかった経費は、クラウドファウンディングとかで
何とかしてるっぽい。
 営利目的というよりは、
吃音の悩みを知ってもらう。
吃音者が生きやすい世の中を作るための
NGO活動なんだろう。

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 主催者の奥村さんがどう考えても働きすぎで、
著者の大平さんが心配しているのが伝わってくる。
素晴らしい活動だと思うけど、
一人でやっちゃうのはしんどいよ、と私も思う。
(でも、やりたい気持ちもわかる)

 世の中がどんどん、住みやすくなってくれればいいな、
と思った。吃音だって個性のひとつ。
 

 

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