新型インフルエンザ

新型インフル終結宣言

 もう、いいだろう。
今回の「新型インフルエンザ」の流行は、終了したことを宣言する。
(あくまで、「私が個人的に」だけど。w)

 しばらくこの話題にはふれていなかったけど。
完全に忘れていた訳ではない。w

最新のデータでは、定点あたりの患者報告数は1.76
一部、注意報が残っているところがあるけれども、
大阪府は、もうきれいなもんだ。どこも注意報なんか出ていない。

 ピークはとっくに過ぎていたんだけれども、
年明けを過ぎてからも患者数は減少し続けている。
もう、問題ないレベルだな。

 このブログのアクセス数も、流行前のレベルに戻っている。w
(今となっては不思議な話だが、このブログのアクセス数は、
 新型インフルの流行のピークときれいに一致していた。)

.

 さて、一般の人たちは気づいているだろうか?
今年は、季節性インフルエンザが全くと言っていいほど出ていないことに。
例年なら、この時期は病院(特に小児科)はインフルエンザの患者が
大量に受診するんだけれども・・・。
 この時期に注意報も警報も出ていないなんてこと、いまだかつてないんじゃないか?

 そう、新型におされて旧来の季節性インフルエンザが消えてしまっているんだ。
このまま消えたままになるのか、それとも復活するのかはわからないが・・・。

 来年のインフルエンザワクチンは、去年の新型「H1N1」の株を入れる。
さらに、B型とH3N2(いわゆる、A香港)を混合する予定らしい。
つまり、Aソ連(H1N1)を、ワクチンから除外する方向で進んでいる。

 今までも、新型インフルエンザが発生すると、
それまで流行っていたインフルエンザがなくなる、というケースはあった。
(なくならなかったケースもあった。)
今回も、どうもなくなってしまいそうな雰囲気である。

 まぁ、この辺はもう半年、というか1年経たないとわからんが。

.

 さて、新型ワクチンはどうなっているのか、、というと・・・
大量に余ってる。輸入ワクチンどころか、国産ワクチンが余ってる

まだ、それほど報道されていないからいいようなものの。

 なんだろう。国としては、それほど注目されないままに処理したいんだろうな。
大量に輸入したワクチン、ほぼ無駄」なんて事実は、おおっぴらにしたくないだろ。
しかし、どうするんだろうなぁ??

.

 私は、当初から海外からの輸入には反対の姿勢を取って来たけれども、
でも、それにしたって、「いらないから」という理由ではなかったぞ。w
まぁ、この結果はやってみなければわからないからしょうがない。

 未来を完璧に予想することはできないんだから。
輸入を決めた段階では、「毒性を増した第2波が来る可能性がある」と
言われていたし。(その可能性は少ないとは思っていたが、0ではないし)
そうなると、輸入ワクチンがないから大量に死者が出る、という可能性も
0ではなかった。
 こういう場合、安全な方に賭けておくのは、悪くないと思う。

 あとで「その選択は間違いだった」と言われてもなぁ。
だって、「大丈夫だと思ったから、輸入しなかった」なんて言って、
強毒性になって大流行したら、誰が責任取れるのさ?って話だ。
下手したら、業務上過失致死罪に問われかねないし。(汗)

.

 あと、まだわからないのは今後のH1N1の動向。
たぶん、他の季節性と同じように冬になると流行する・・・と思うんだけど。
ひょっとしたら、他の株よりも暑さに強い可能性はあるかも、と。
そうなると、来年も秋に流行するかも知れないなぁ。。
それなら、インフルエンザワクチンの接種時期も考える必要がある。

.

 今回の新型「H1N1」の流行は、もう終わり。
騒動はもう一山あるかも知れないが、大したことにはならないだろう。

 ただ、新型はこれで終わりではない。
次以降が、またいつ来るかはわからない訳で・・・。
特に、以前に問題になっていた「H5N1」は死に絶えた訳じゃないからな。
何かの拍子に、変異しないとは限らない。
 まぁ、以前よりも可能性は遥かに下がっていると思うが。

.

 この記事をもって、カテゴリ「新型インフルエンザ」は終了することにする。
当初、このカテゴリを作ったときは、H5N1を想定していた。

 ところが、もっと弱いH1N1が「新型インフルエンザ」として出てきた。
今後も、H5N1の情報は(時々は)チェックしていくから、
このカテゴリを続けてもいいんだけれども・・・

 なんか、もう「新型インフルエンザ」という意味自体が、
カテゴリ作成当初とはかけ離れたものになってしまったと思う。
混乱を避ける意味で、この辺で区切りを入れておこう。

 

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季節性インフルは来ないの?

 新型インフルエンザは流行のピークをとっくに超えているが、
季節性インフルエンザが気になっている。

 例年、年明けどころか年末からぼつぼつ始まるんだけれども、
今のところ、そういった気配は感じられない。
といっても、仕事している感覚から、ではないが。
感染症情報センターのデータがそう言っている。

 インフルエンザは発生しているが、ほとんどはA/H1N1である。
新型に追いやられて、季節性がどこかに行ってしまった印象を受ける。

.

 もっとも、「今のところ」の話ではあるんだけれども。
だいたい、こういう予想って当たったり、外れたり。
外れたところで批判されてもしょうがない。
「その当時は」そう思っていたんだから。

 でも、もし季節性がなくなってしまったならば・・・
いいことじゃないのかな、と思う。
少なくとも、お年寄りの死者数は、新型よりも季節性の方が
圧倒的に多いんだから。

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ワクチン、健康な成人にも接種へ。

 ニュースより。

「新型ワクチン、健康な成人にも接種へ」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091215-00000672-yom-sci

以下、一部引用

政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長=鳩山首相)は15日、
これまで妊婦など優先接種対象者に限っていた新型インフルエンザ
ワクチンを、健康な成人にも接種する方針を決めた。
接種開始時期は未定。

引用終わり

 優先ではない人の接種を、前倒しで進めていこう、という話。
でも、肝心の接種開始時期は未定・・・って。
ようするに、対策本部がそう決定したけど、詳細は厚生労働省が
詰めるって話なんだろう。

 そんな状況で、発表されても医療機関が困るんだけど。
たぶん、「新聞で健康な成人にも接種できるって書いてた!」
って問い合わせが、末端の医療機関に殺到するんじゃないかと。w

 記事は、見出しだけで判断せずに、全部読みましょう。
ちゃーんと、「接種開始時期は未定」って書いてあるでしょ。

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 おそらく、ワクチン不足が少しずつ解消されてきているんだろうな。
最終的には、どうやっても大量に余ると予想できるんだけど・・・。

 打ちたい人が多い間に、打っておかないと、より大量に余るだろうし。
接種の値段は、公的に決定されているから、安売りも出来ないし。
打つより先にかかってしまえば、接種する必要もなくなるし・・・。

.

 さて、我が家では私だけが、まだ接種していない。
厳密には、下の息子も接種していないけど、そもそも接種できないし。
(1歳未満だから。)

 上の娘は、2回目終了。嫁も、ついでに打ってもらってる。
私は・・・どうしよっかな。職場の近くで打ってもらうことにする予定。

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インフル患者減少へ

 ニュースより。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/influenza/?1260450044

「インフル患者、前週比2割減」

以下、一部引用

国立感染症研究所が全国約5000医療機関を対象に行っている
インフルエンザの定点調査で、最新の1週間(11月30日~12月6日)
に新たに受診した患者が、1医療機関当たり約31人(速報値)となった
ことが10日わかった。


前週(11月23~29日)の39・63人から約2割減で、8月中旬の新型
インフルの流行開始以来、初めての大幅減となった。


引用終わり

 うん、ようやく目に見えて減り始めたか。
大阪府のデータを見ても、先週から少し減少している。
先週、いきなり増加に転じたから何が起こったのか?と思ったけど。
変異、ということではないのだろう。
 地方でも、ピークは超えつつあるようだ。

 ちなみに、このブログのアクセス数も緩やかに減少している。w

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ピークは過ぎているはずなのに

 インフルエンザの流行のピークは、もう過ぎている。
私がそう書いたのは、11/14だ。

峠はこえた(09/11/14)

 もっとも、これは大阪府での話。さらに言うなら岸和田の話だ。
もっと言うなら、うちの薬局での話でもあるが。。

 全国では、10/25~(第44週)の一週間がピークではないか、と書いた。

・・・ところが、11/23~29(第48週)でも、まだ全国的にはまっかっかだ。
全都道府県で警報が出ているし、定点あたり患者数はまだ増加している。
つまり、全国的には、まだピークを超えていない。

 この感覚との違いは何??と思い、調べてみた。
大阪府だけのデータを発見したので、見てみたところ・・・

http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/influ/shingata.html

 なるほど。大阪では第44週をピークに下がりつつある。
さらに言うなら、泉州地域は第42週がピークだ。
やっぱり、だんじり明けに爆発したことは間違いない。w

 少なくとも、大阪ではピークを超えている。
他の情報によると、他にも東京や神奈川などの大都市圏では、
流行のピークを超えているようだ。
 ただし、地方ではまだまだ流行が続いている。

 おそらく、「定点あたり」の患者数と、実際の患者数で違うんだろうな、と。
つまり、「定点あたり」の患者数は、全国的には増えているけれども、
実際の患者数は減少にむかっている、と。
 地方で流行していても、都市部で流行が引きつつある。
地域数でカウントすれば、増えていても、実際の人口を考えたときには、
人口の多い都市部でピークをこえているんだから、、ということか。

.

 ただし・・・11/23~29(48週)のデータが少し気になっている。
大阪府では、44週をピークに下がりつつあった。
具体的には、定点あたりの人数で、
44週の34.77から、29.87、27.19、25.52と3週連続で下がっていたのだが、
48週で、27.42と再び上昇に転じている

 これは何?ひょっとして、もう一山くるんだろうか?あくまで噂だが、
感染する年齢層が上がってきているんじゃないか?という話もある。

 厚生労働省の推計では、累計で、日本人の10人に1人くらいはかかっている。
感染者の8割が子供、ということは・・・
子供だけに限れば、2人に1人はもう感染した、くらいの計算になる。
逆に言うと、2人に1人はもう免疫を持っているってことだ。

 にもかかわらず、感染者がまだ伸びるってことは・・・
ひょっとして、変異したか?
少なくとも、その可能性は考える必要があると思う。

.

 ちなみに、私の勤務している薬局では、インフルエンザ患者は減少している。
もともと、小児科の先生が近くにいないということもあって、ほとんど来ない。
ある程度は流行してくれないと、定点観測としては使えないな。w

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ウイルス対策とマスク

 マスク論争は、新型インフル騒ぎの初期に問題になった。
今頃になって(苦笑)、国民生活センターが商品テストの結果を出した。

http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20091118_1.html

 結果としては・・・散々にこき下ろされているといってよいだろう。

以下、一部引用する。

 ウイルス対策をうたっているにもかかわらず、フィルターの捕集効率が
低いものがあった。さらに、N95マスクの基準を満たしていると受け取れる
表記があっても、捕集効率が80%以下のものが3銘柄あり、
消費者が誤認するおそれがあった。

 引用終わり

 試験は、その辺で売ってる、またはネットで購入した15銘柄について、
厳しい試験(N95相当)を課して、結果を見る、という方法。

 詳細データは、さっきのリンク先のpdf参照のこと。

 実は、この15銘柄だけど・・・大手のメーカーが入っていない
これは、おそらく試験するまでもなくどこかしらの認定が入っている、
っていうことだと思う。
 なるほど、なんとなく事情が見えてきた。

 新型インフル騒ぎの第一弾、五月の時点で、マスクが品切れした。
大手メーカーのものだけでは、とても足りないのは明らか。
そこで、いろんな会社が、あちこちから輸入して販売したわけだ。

 そして、その中に「粗悪品」が紛れ込んでいる、というわけ。
試験された15銘柄の中でも、まっとうなものもあれば、
こりゃ、確信犯だろ、ってほどひどいのもある。w

.

 粗悪品を粗悪品として売る分には、まぁ問題ないんだけど、
粗悪品で「ウイルス99%カット」とか宣伝されると、
そりゃ、まずいわな。

 ちなみに、うちの店で扱ってるマスクでそこまでひどいのはなかった。
正しくは、「売り物では」なかった。
売り物じゃなく、従業員が使用する、会社から支給されているマスクは、
相当ひどいものだったが。w
 ま、自分らで使う分にはいいだろう。

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 さて、国民生活センターの提言は、フィルター効率だけではない。

 どんなマスクであれ、正しい付け方をしないと意味がない。
鼻をしっかりカバーすること、顔に密着させること、などなど。
どれだけ気をつけても、隙間から入るのを0にはできないことも、
書かれている。

 結局、マスクだけでインフルエンザ予防ってのは無理があるってことだ。
もっとも、その辺は5月の頃にもかなり報道されたからなぁ。
「99.99%ウイルスカット」という宣伝を見て、
「99.99%インフルエンザ予防」と読む人は少ないんじゃないかと。

 念のため、復習。

マスク着用によるインフルエンザ予防は、限定的である。
効果がないわけではないが、99%とはいかない。(当たり前)

 ただし、咳エチケットの一環として、マスクは有用である。
つまり、「他人にうつさないため」にマスクを着用すべき。

.

 なので、私個人としては、今回の国民生活センターの報告は、
それほど大したことではない。
「99%ウイルスカット」が、90%だろうが80%だろうが、
マスク議論の大勢に影響はない。

もともと、「99%ウイルスカット」が、「99%感染しない」
という意味ではないんだから。

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ワクチン接種後の死亡例

 新型インフルエンザワクチン接種後の死亡例が報告されている。
厚生労働省の専門家検討会は、現時点で重大な懸念はないとの結論を
まとめた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091121-00000033-mai-soci

 今のところ、副作用の発現率は季節性と大差ないと言われている。
11/16までで、450万件の接種に対し、副作用報告は877件。
うち、入院相当の重篤な副作用は68件。
10万件に1~2件ある、くらいの計算になる。

 一方、接種後の死亡例は21件に上っている。
このうち、「副作用」として報告されているのがどの程度かは不明。

 まだ、評価できる段階ではないが・・・。
やや多いんじゃないかな、とも思うが、問題にするほどではない。

.

 おそらく、因果関係のない死亡例もカウントされているだろうから。
例えば、1日に全人口の1億2000万人に接種したと仮定する。
その場合、「接種後の死亡例」は、1日で3000人くらい出るはずだ。

 なぜかというと、日本では毎日それくらいの人が亡くなっているから。
別の言い方をすると、毎日、4万人に1人くらいは亡くなっている
450万人も接種すれば、100人くらい亡くなってても不思議じゃない。
それも、「基礎疾患あり」ってことは、一般の人よりも死に近い。

 そう考えると、死亡例といっても、全例が出ているわけではないな。
おそらく、因果関係のなさそうな事例は報告されていないだろう。
そうすると、確率が動くからまた難しくなるが・・・。

.

 大雑把に言うと、「たいした問題じゃない」となる。
1万人に1人くらいでどうにかなるなら、かなり問題だと思うが、
そのレベルではない、と。

 そもそも、インフルエンザの予防接種ってそういうもんだし。
10万人1人くらいの副作用発現率でも、1億人に打てば1000人。
接種人口が多いもんだから、件数は増える。
 100%安全なものなんてないんだし

 じゃぁ、なぜ予防接種をするのか?
1つには、リスクとベネフィットの問題がある。
予防接種を打って、重篤な副作用にあって苦しむ確率よりも、
予防接種を打たないで、インフルエンザにかかって苦しむ確率の方が高い。
 どっちを選ぶ?という話。

 もう1つ、公衆衛生上の問題だ。
みんなが予防接種を打つことで、社会でのインフルエンザの流行を
押さえ込むことができる、という考え方。

 医療従事者は特にそうだな。
自分がかかっても大したことはないが、万が一患者さんにうつすと、
大事になりかねない。
 特に、一人で開業している医師なんかは、別の意味もある。
自分が倒れると、その間、診ている患者さんに迷惑をかける。

 自分のためだけではなくて、他人のために、予防接種を打つ
そういう意識も大事だと思う。

 そのために、ごくわずかのリスクを引き受けなければならない、と。
それが嫌な人は、無理に接種する必要はないと思うが、
予防接種をしない人は、自分だけでなく、他人にもインフルにかかる
可能性をあげていることを自覚すること。

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ワクチンは足りないけど余ってる

 大阪では、今月中旬から小児へのワクチン接種が始まる・・・らしい。

 実は、ウチの娘はすでに予約済み。
まだ、季節性の2回目も終わってないんだけど、、どうしよっかな。

 接種回数は、結局1回ということに落ちつきそうだ。
最終的に、輸入ワクチンが余りそうな予感がひしひしするけど、
今現在の混乱ぶりを考えると、少しでも接種回数は減らしたい。

 ところで、現状として医療機関では大混乱している。
総数として、ワクチンはまだ足りていないんだけれども、
医療機関毎のレベルで見ると、余っている、、という・・・。

 朝日新聞に、記事が出ている。

「新型ワクチン、不用な大瓶 10ミリ、一度に使い切れず」
http://www.asahi.com/special/09015/OSK200911120149.html

 以下、一部引用

 不足する新型の豚インフルエンザのワクチンを効率よく供給しようと、
全国で流通し始めた10ミリリットル入りの大瓶が、医療機関によっては
容量が大きすぎ、ワクチンが余る事態となっている。24時間以内に使用
しなければならず、一度に十分な人数が接種に集まらないと無駄が出るため、
医療機関は対応に苦慮している。

 引用終わり

 ワクチン問題に関しては、現場の小児科医である、Yosyan先生が、
現場の状況を愚痴・・・いやいや、報告してくれている。

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20091110

 あ、これは代表的な1記事だけ。
他にも、この周りには惨状がいっぱい書いてある。

 どうやって使うんだ?という10ミリバイアルは、
現場では、卸から医療機関に事実上押し売りされている。
最初の「契約」の時に、10ミリいりませんと言っていても、
全医療機関、平等に「10ミリ」が配布されているようだ。

 そりゃ、どこの医療機関だって10ミリなんて使いたくないわな。
病院ならともかく、個人の診療所では特に嫌だろう。
 子供なら、大瓶一本で40人前後に打てる量。
診療所で、その人数を調節するのは至難の業だ。
どこの診療所も、10mlなんていらんに決まってる。
でも、国産ワクチンの約半数は10mlバイアルで作ってあるから、
使わなくちゃしょうがない。

.

 しかも、接種費用は公定。政府によってすでに決められている。
さらに、10mlバイアル1本分の値段も、公定価格らしい。
この値段設定は、「ロスが出たら赤字」なんだそうな。

 で、非常にロスの出やすい10mlバイアルを押し付けられている、と。
余ったらどうすんの?と、大阪府に聞いてみたところ・・・

回答は「余ったら捨ててください」。

 全体としてワクチンは足りていないのに、余ったら捨てろという・・・。
他の優先接種外の人に接種するのは、「契約違反」になる、と。

 どこまで本気かはわからないけれども、
「もう新型ワクチン打つのやめます」という開業医もちらほら・・・。
どうやっても赤字になるし、面倒な業務だし、情報も二転三転するし。
いっそのことやめてしまえば、楽になれる・・・。

.

 接種する方としても、情報が錯綜しているし。
どこで、どうやって接種できるかもわからん。
情報収集しないと、情報は手に入らないし。
そりゃ、都道府県レベルで、市町村レベルで接種方法が異なるんだから、
マスコミで報道されることも少ないし。

 救いは、新型インフルの患者自体が減ってきていることだろう。
一通り流行した後に予防なんて、本末転倒な気がしないでもないが、
実際問題として、あの「流行」中に予防接種する余力はないだろうし。

 通常診療と、予防接種は時間帯を分けろ、という指示が出てる。
そんなこと言っても、通常診療が患者であふれてるのに、時間作れない!
と開業医が言ってもおかまいなし・・・。

.

 私が接種できるのはいつになるかなぁ?
乳児の両親は、一応優先権あるんだけれども。。
ひょっとしたら、近所の医療機関が「余ってるからこっそり打ってあげる」
なんてことに・・・ならんかな?w

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峠はこえた

 新型インフルエンザの流行は、峠をこえたと思われる。
少なくとも、私の周りでは。

 一応、先週(11/1~11/7)のデータでも前週よりわずかに減っている。
もっとも、祝日があるからどうか・・・という話もあるけれども、
薬局の実感として、また、他の医療機関の情報なども(噂レベルだが)
勘案して、少なくとも大阪では流行のピークをこえたと思う。
 大阪が一番ひどかったのは、3週間前かな・・・。
今週は、はっきりと患者数が減っている。

.

 全国的には、おそらく10/25~10/31の週がピークだったと思う。
このブログは、新型インフルの話題がgoogle上位に入っている関係で、
ここ数ヶ月はアクセス数が飛躍的に上がっている。

 が、最もアクセス数があがったのが、10/26で1日790アクセス。
ここがピークで、徐々に下がりつつある。
これは、おそらく実際の流行のピークとリンクしていると思う。w

.

 もっとも、これで終わりという訳ではないだろうが・・・。
とりあえず、一旦小康状態になると思う。
その間に、新型ワクチンの接種が間に合えば・・・
もう、「新型」のインフルエンザではなくなるだろう

 今後、季節性のインフルがどうなるか、が次の焦点だ。
今のところ、A型インフルはほぼ新型だけど、
そろそろ、通常の季節性が出てきてもおかしくはない。
その割合がどうなってくるか?
 混ざって発生した時に、どう対応できるのか?

 少なくとも、高齢者にとっては新型よりも季節性の方が恐ろしい。
それは、知っておいた方がいいと思う。
おそらく、季節性インフルの方が圧倒的に死者は多いと思うぞ。

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タミフルドライシロップが品薄?

 インフルエンザの流行は・・・ピークを超えたような気がする。
といっても、一薬局だけの定点観測のデータだから、なんとも言えないが。

 少なくとも、先週よりは今週の方が患者数は少なかった。
もっとも、うちの地域だけの可能性は大いにある。
流行は全国に比べて比較的早かったからなぁ。だんじり効果で。

 全国的には、先週のデータでいうとまっかっかだ。警報だらけ。
都道府県内で、警報の出ていないのは山陰地方など、ごくわずかだけ。

.

 大流行しているが、患者のほとんどは10代以下の子供だ。
実は、それが問題になっている。

 国は、新型インフルエンザ対策として、タミフルの備蓄を進めてきた。
また、タミフル耐性も考慮し(異常行動の可能性もかな)、
リレンザの備蓄も少しずつ始めていた。

 小児用のタミフルドライシロップは、使用期限が短いこともあり
備蓄されていなかった。なくてもなんとかなるという見通しもあったが。

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 つまり、成人用のタミフルのカプセルは大量の備蓄があるが、
リレンザの備蓄は始めたばかりでそれほどの量はない。
さらに、小児用のタミフルドライシロップは、備蓄がない。
そういう状況。

 で、現状の大流行では、10代以下が流行の中心である。
10代には、タミフルは原則禁忌になっている。
(医師の判断で使っても構わないけど)
処方としては、やはりリレンザが多い。

 10代未満は、成人用のタミフルカプセルは使えないことがほとんど。
こちらは、タミフルドライシロップで対応することになる。
もちろん、吸入薬のリレンザでも構わないけど。

 つまり、備蓄のない、あるいは備蓄の薄い薬がどんどんはけていき、
大量の備蓄があるタミフルカプセルは、あまり使われていない。(苦笑)

.

 その結果として、とりあえずタミフルドライシロップが品薄になりつつある。
なくなったらどうするか、というと・・・薬局で作る(!)

 薬局で、タミフルカプセルのカプセルを外して、乳糖かなんかと混ぜて、
小児用の粉薬を作る計画・・・というか、そうするしかないわな。
本家のドライシロップと比べると、格段に味は落ちるだろうけれども。。

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 実は、昔、タミフルが出たばかりの頃に、そうやって小児に与えていた。
実績があるだけに、なんともしょうがないわな。
いざとなれば作れるんだから、備蓄しようって話にもならないし。
(たぶん、最初から困ったらそうするつもりだったんだろう)

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 うちの薬局は、子供はあまり来ないからそれほど影響ないけど・・・
小児科の近くだと大変かも知れない。
まぁ、そういうところは前もって大量に作っておくのかも知れないが。
 一番困るのは、中途半端に子供が来る薬局かな?w

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