書籍・雑誌

2021年読書まとめ


 2021年、1年間の読書記録まとめ。

 2020年は400冊オーバーで、人生で一番本読んだ年だったけど、
よもや記録更新してしまうとは。

 今年の記録は、511冊である。
(あまり読まないけどコミック含まず。
 ただし、一部のコミックエッセイは含む。)

 2021年読書メーターまとめ。

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 2021年に読んだ作家さんtop10

1位 今野緒雪 37冊
2位 J.K.ローリング 16冊
3位 香月美夜 13冊
3位 知念実希人 13冊
5位 椹野道流 11冊
6位 矢崎在美 10冊
7位 額賀澪  8冊
7位 喜多喜久 8冊
7位 原田マハ 8冊
10位 辻堂ゆめ 6冊

 今野さんは、マリア様がみてる全巻再読したから。
J.K.ローリングは、ハリーポッターを文庫本で読破した。
知念さんは、天久シリーズ。椹野さんは、最後の晩ごはん。
矢崎さんは、NNNとぶたぶた。額賀さんは、ほぼ全部コンプしたかな。
喜多さんは新作が多いのを全部追っかけてる。
原田さん、辻堂さんは、ちょこちょこ追いかけつつあるところ。
香月さんは、、毎月1冊は本好き再読してるので。w

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 今年トータルで記録をみると、
小説(新規) 243冊
小説(再読)  95冊
学術/ビジネス 123冊
エッセイ/その他 50冊

 全体の約50%が小説(新規)、約25%が学術/ビジネス。
小説以外の本も頑張って読んだほうだろう。

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 2021年からは、毎月の読書記録をつけているので、
どんな本を読んでいるのかは思い出しやすくなってる。

 医療系の本以外では、
ベーシックインカム、ジェンダー、
パラレルキャリア、働き方、あたりの本に興味があったらしい。

 ただ、読書に時間を取られ過ぎてしまって、
新しいことを始められなかったのが、反省点。
別に、年間500冊も読む必要はなかったかも。w
あとは、もう少し古典文学も読んでいきたいかも。

 今年こそ、何か新しいことにチャレンジしたいな。

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読書記録 2021.12

 2021.12の読書記録。

2021.12の読書記録まとめ(読書メーター)

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 12月は、39冊読了。
小説(新規)16冊、小説(再読)9冊、
学術/ビジネス 9冊、エッセイ/その他 5冊。

 今年1年のまとめは、次の記事であげる。

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 例によって、3冊紹介。
まずはフィクション

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どうぞ愛をお叫びください」(武田綾乃)

 略して愛ダサ。
武田綾乃さんは、響けユーフォニウムとか、君と漕ぐ、みたいな
高校生の青春小説が多いけれども、こちらもその系統。

 なんと、youtuber小説である。
男子高校生4人がゲーム実況動画をあげて、バズってしまうお話。
youtuberで収益を上げるのは非常に難しいと思うんだが、
うまいこといっても、そっから先も難しい。

 ひょんなことで炎上してしまったりね。
この作品は、そんな4人のピンチからの大団円が、
すごく面白かった。

 私はそんなにyoutubeみないけど、
見た目よりもはるかに難しい世界なんだろうな、とわかった。
おススメ。

 ちなみに、小学校6年生の息子にも読ませてみた。
彼の方が、youtubeは詳しいので。
小学校高学年でも、面白く読めると思う。

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 次、学術系

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医者が教える正しい病院のかかり方」(山本健人)

 お医者さんが、実際どんなことを考えてみているのか。
医師の間では常識でも、患者さんにはわからないことなんかを
丁寧に解説してくれている。

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 まず「後医は名医」という言葉から。
後から見る医師は、「前の医師がどんな治療をして、効果がなかったのか」が
分かっているので、それだけで前の医師よりもうまく治療できる。

 後から見た医師がうまく治療できたからといって、
前の医師がヤブだった、とも限らない。
前の医師だって、ちゃんと「よくならなかったら、また来てください」と
言っているんだから、もう一度いけばちゃんと治療できた可能性は高い。

 ま、ドクターショッピングは辞めといた方がいいよ、と。
ただ、どうしても相性が悪いとかはあるから、
それは仕方ないけどね。

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 あとは、がんに対する記述が詳細で面白かった。
人間ドックが必要かどうかは、個人の判断に任せるけれども、
普通の健診は、数多くあるがん検診の中でも、
エビデンスの高い「精鋭」を集めている、という感覚らしい。
人間ドックは、他にも色々みているけれども、エビデンスの低いものも多い、と。

 あえて人間ドック受ける必要あるのかな?という感じ。

 それでも、胃のX線検査よりは、内視鏡検査の方がいいんじゃないかな?
ま、個人差はあるだろうが。(苦笑)

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 最後。

この働き方大丈夫?」(中国新聞取材班)

 これは、最近の労働問題全般について、中国新聞の記事をまとめた書籍。
今年の終盤は、働き方とか、産業医とか、その辺の本をよく読んだけれども、
この本はそのまとめ、みたいな感じかな。

 就職氷河期世代が、ものすごく割を食っている。
他の本で読んだけど、この世代の非正規雇用が多いことが、
日本の少子化に拍車がかかった大きな原因だと思う。

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 就職氷河期世代って、第二次ベビーブーマー世代と重なるんだけど、
この、人口の多い世代の子どもが、「ベビーブーム」になってないんだよ。
つまり、この世代が子どもを作れるような社会環境になかった。

 結果として、もはや少子化脱出は、不可能である。
手遅れだ。こうなる前に、もっと手を打たなければいけなかった。
今さら、この世代に補助を与えたところですでに結婚、出産の時期をすぎている。

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 子どもに対する支援にしても、
そりゃ、しないよりもする方がマシだけどさ。
幼稚園無償化とかも、私の時は間に合ってないし。
高校授業料無償化は、なんとか恩恵に授かれそうだけど。

 結局、バブル世代と、ゆとり世代が勝ち組になってて、
間に挟まれている氷河期世代が負け組、なんだよね。
たぶん、運が悪かっただけで。

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 ただ、このコロナ禍での働き方も大いに問題になるかもしれない。
それこそ、この時期に就職を迎える世代はしんどいよ。
氷河期世代はもはや手遅れだから仕方ないとして(苦笑)、
コロナで苦しむ若者が、きちんと子育てできるような支援は、
絶対に必要だと思うな。

 

 

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#読めよ薬剤師2021

 今年も、るるーしゅさんの企画に参加する。

【2021読めよ薬剤師企画】
《目的》2021年に読んで「コレオススメ」っていう書籍を
他の薬剤師にオススメする
《日時》2021年12月30日(木)21時?
《方法》#読めよ薬剤師2021
    のハッシュタグでオススメの書籍(今年読んだもの)
    3冊をツイート(自分のブログリンクでも可)

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 1冊目。フィクションから。

臨床の砦」(夏川草介)

「神様のカルテ」で有名な夏川さんの作品。
今年初めの新型コロナの第3波に立ち向かう
長野県の医療体制を描いた、
極めてドキュメンタリーに近い作品である。

 今年、私が泣いてしまった数少ない小説の一つ
といっても、いかにもお涙頂戴といった作品ではない。

 どうやっても勝てそうにない相手に挑んでいく、
医師の気概を見せつけられるような話だった。

 ものすごく感情移入してしまったし、
政治やマスコミに絶望してしまった。(苦笑)


 このあと、ワクチン接種が始まり、
一旦は落ち着いているけれども、
またオミクロンが広がると、同じことの繰り返し?
でも、みんな経験を積んでるから、強くなってると信じたい。

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 つぎ、学術系。

その病気、市販薬で治せます」(久里健人)

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 絶対読め。

 以上。

で終わってもいいくらいなんだけど。w

今年に関して言えば、この本が断トツで他が思い浮かばない。

 市販薬に関する一般向けの書籍としては、
突出した情報量と面白さを誇る。
OTCを扱う薬剤師や登録販売者は、絶対に読むこと。

 消費者含め、みんなで意識を変えていかないといけないな。

 私はこの本を計4冊買ってあちこちに貸しているが、
順調に借りパクされていって、
手元にはすでに1冊しか残っていない。

 ……また買い足すか?w

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 最後。

がんになった緩和ケア医が語る『残り2年』の生き方、考え方」(関本剛)

 関本さんは、お母さんが有名な緩和ケア医で、
ご自身も在宅での緩和ケア医として現役でバリバリ働いている。

ところが2019年の秋、43歳で、自身がガンであることがわかる。

 肺がん、ステージ4.脳転移あり。平均余命は、2年。

 それでも、この人は自分に何ができるかを必死で考える。
自身がステージ4の肺がんでありながら、
身体や頭が動き続ける限りは、緩和ケア医として働き続ける。

「最善に期待して、最悪に備える」
「たとえ世界の終末が明日であっても私は林檎の樹を植える」

 緩和ケア医の仕事内容も解説されていて、とてもよく分かる。
自分が、家族に、世の中に何を残せるかを必死に考えている。
末期がんの患者さんに向き合う医師も末期がんにかかってるって、
ある意味で最強だと思う。

 宣告から2年が経ったが、
関本さんはまだ緩和ケア医として、働き続けている。
(つい先日、テレビでお見かけした)

 多くのがん患者さんに希望と勇気を与えるべく、
もっともっと長生きして欲しいと思う。

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 この企画への参加は2回目。
今年、毎月の読書記録をブログに書き始めたのは、
実はこの企画がきっかけである。

 いや、あとで何読んだかな?って見返すのに、
記録残しておく方が圧倒的に楽だし、
紹介文もコピペできるし。

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 とりあえず、フィクション1冊ぶち込めただけで満足。

 他の(フィクション)候補としては、
映画化もされた南杏子さんの「いのちの停車場」や、
本屋大賞受賞作で、中華風ファンタジーでありながら、
実は感染症によるパンデミックを描いている「鹿の王」とか。

 今年からレギュレーション変わってるから、
今年発売の本じゃなくてもいいんだけど、
(一応)今年発売の「臨床の砦」を優先した。

 あと、薬剤師が活躍するミステリ?
日経DIでも連載中の薬剤師毒島シリーズ第三段。
「毒をもって毒を制す」あたりも考えたけど。
こちらもコロナがテーマで、今年発売だし。

 ただ、シリーズものの3作目をいきなり紹介してもな、
と思って、断念した。

 学術系は悩む余地なし。

 もう1冊はちょっと考えたけど、
関本さんの本はご存命のうちに紹介した方がよいだろう、となった。

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 他の人がどんな本を紹介してくれるのか、楽しみ。
可能であれば図書館で借りて読むし、
どうしても読みたい本であれば、買って読んでみようと思う。

 

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2021年おすすめランキングTop20

 読書記録、小説編。

 去年は、「この一年は一番本を読んだ本」と書いたけれども、
今年はそれよりもさらに読んでいる。(苦笑)

 2016年から始めてるから、6年目になるのかな。
今年読んだ小説のTop20。
今年の目標の一つに「本屋大賞完全制覇」があったので、
本屋大賞受賞作が多くなっている。

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 2021おすすめランキング

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20位 「君と漕ぐ」(武田綾乃)
 武田さんは高校生の青春モノが多い。
 この作品は、カヌー部というニッチなテーマ。

19位 「鹿の王」(上橋菜穂子)
 2015年本屋大賞受賞作。中華風ファンタジーだけど、
 テーマはパンデミックで、実にタイムリー。

18位 「いつかの岸辺に跳ねていく」(加納朋子)
 男性視点の前半と、女性視点の後半に分かれている。
 なかなか厳しい話だけど、読後感がよかった。

17位 「滅びの前のシャングリラ」(凪良ゆう)
 2021年本屋大賞ノミネート作。(7位)
 世界が滅ぶことがわかったらどうするかな?

16位 「死にたがりの君に贈る物語」(綾崎隼)
 廃校に集まる7人、というベタな設定のミステリだが、
 別に殺人はおきない。綾崎さんらしい綺麗な物語。

15位 「八月の銀の雪」(伊与原新)
 2021年本屋大賞ノミネート作。(6位)
 地球や気象などに関係する理系の短編集。私の好み。

14位 「海賊とよばれた男」(百田尚樹)
 2013年本屋大賞受賞作。実在の人物をテーマにしているが、
 ただ金儲けすればいいってもんじゃない姿勢に好感がもてる。

13位 「お探し物は図書室まで」(青山美智子)
 2021年本屋大賞ノミネート作。(2位)
 本と仕事をテーマにした連作短編集。続き読みたい。

12位 「沖晴くんの涙を殺して」(額賀澪)
 感情を失ってしまった男の子が、余命一年の女性と出会い、
 感情を取り戻していく物語。でも恋愛とはちょっと違う。

11位 「復讐の協奏曲」(中山七里)
 幼女殺人事件をおこした御子柴弁護士シリーズ最新作。
 残りページの少なさに、ハラハラドキドキした。

10位 「本好きの下剋上 5-Ⅶ」(香月美夜)
 第5部、通算28冊目にして、いよいよクライマックス。
 全ての謎が明かされて、さあ、最終決戦へ。

9位 「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)
 2007年本屋大賞受賞作。陸上短距離がテーマの青春モノ。
 水泳もそうだけど、リレーって盛り上がって燃えるよね。

8位 「毒をもって毒を制す」(塔山郁)
 薬剤師毒島シリーズ3冊目は、2020年3月がテーマ。
 新型コロナの流行が始まった頃の、ホテルと薬局が舞台。

7位 「52ヘルツのクジラたち」(町田その子)
 2021年本屋大賞受賞作。現代の問題てんこもり。
 誰にも聞こえない悲鳴を「52ヘルツのクジラの声」で表現している。

6位 「本日はお日柄もよく」(原田マハ)
 原田さんは、今年ぼちぼち読み進めた作家さん。
 この作品は、スピーチ、言葉の大切さが面白かった。

5位 「木曜日にはココアを」(青山美智子)
 青山さん2冊目。シドニーと東京を舞台として、
 少しずつ人が重なっていく連作短編集。

4位 「あの日の交換日記」(辻堂ゆめ)
 こちらも、話が少しずつつながっている連作短編集。
 交換日記って、昭和の遺物かな?

3位 「臨床の砦」(夏川草介)
 2021年初めの、新型コロナ第3波に立ち向かう医師たちの小説。
 読んで泣いた本は、今年これだけかも知れない。

2位 「十の輪をくぐる」(辻堂ゆめ)
 昭和39年の東京オリンピックと、現在との2部構成。
 生きづらい時代を生き抜く力を。

1位 「たかが殺人じゃないか」(辻真先)
 昭和24年の高校生が主人公のミステリーだけど、
 作者(御年88歳)の体験が反映されていて凄い。

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 本屋大賞受賞作が4つ。今年のノミネート作が3つ。
まぁ、ハズレがないよね。

 ただ、全体的に今年初期に読んだ本の順位が高いのが気になる。
1位の「たかが殺人じゃないか」は1月の始めに読んだけど、
1年間、これを超えるインパクトのある小説に出会えなかったのか。

 どんどん、新しい作家さんも発掘していきたいな。

 

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読書記録 2021.11

 2021.11の読書記録。

直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)

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 11月は39冊読了。これで年間472冊。
今年の目標、500冊まで1ヶ月で28冊でよい。

小説(新規)20冊、小説(再読)5冊、
学術・ビジネス 8冊、エッセイその他6冊。

 数が少な目だったせいか、
何を紹介しようかちょっと悩む。
読了数が多いと、自分に記憶に残りにくいんだけど、
読了数が少ないと、面白い本を見つけられない、という
ジレンマがあるな。

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 フィクションから。

たゆたえども沈まず」(原田マハ)

 原田さんの作品を紹介するのは、今年2回目になる。
今年、ちびちびと読み進めている作家さんの一人。
「本日はお日柄もよく」がよかったので、
他の作品も読み進めていた。

 原田さんといえば「アート小説」らしい。
小説なんだけど、題材はモダンアート。
少し前に「暗幕のゲルニカ」を読んだけれども、
これはピカソが題材だった。
 ピカソがいかにして「ゲルニカ」を描いたのか。
そしてそれが、どのように評価され、扱われたのか。
スペインの歴史とともに書かれた大作だった。
(もちろん、フィクションも含まれているだろうが。)

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 で、この「たゆたえども沈まず」では、
ゴッホをテーマにして書かれている。
私は知らなかったけど、
ゴッホは生前、ほとんど評価されていない。

 今でこそ、私のような門外漢ですら名前を知っているほど、
世界に名を残している芸術家なのにね。

 ゴッホと、当時、浮世絵をヨーロッパに紹介していた
日本人(これは実在の人物)との交流(交流はたぶんフィクション)から、
ヨーロッパの印象派と日本の浮世絵の関係やら、
当時のフランス美術界の状況が描かれている。

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 私は、そもそもゴッホが若くして死んだことすら知らなかった。
知っていたら、読み味が変わっていただろうなぁ。
ゴッホの有名な作品も、作中に数多く登場するし。

 私は歴史が好きだから、こういう話は好きだ。
私のように芸術に疎い人間でも、
「たまには美術館とか行ってみようかな」
と思わせてくれる、そんな小説だった。

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 次、学術系。

伝え方の処方せん」(油沼)

 油沼さんは、薬学系のマンガを描かれている方で、
ご自身は薬剤師ではないんだけれども、
バックに薬剤師のブレーンがたくさんいるらしく、
そういう作品をいくつか描かれている。

 いわば、薬剤師ネタのコミカライズ担当作家?

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 患者さんへの服薬指導で、
「こう伝えたらいいよ」というポイントを教えてくれる本。
漫画で。(ここ大事)

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 私の感想は一言。「薄いよ!」
いや、もっと情報量くださいよ。高いよ。
といっても、これはあくまで「私の」感想。

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 どういうことかというと、
そもそも私は本を読むことを苦にしない。
 活字を大量に読めるので、
こういう情報は漫画ではなくて文章で欲しい。
だって文章なら、もっと少ない紙でもっと大量の情報を
読み込めるんだもの。

 実際、この本の内容を全て文章におこすと、
30ページくらいで事足りるんじゃなかろうか。
だから「薄いよ!」という感想になる。

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 じゃ、何がすごいのか、
そもそもなんで買ったのか、だけど。

 世の中には本を読むのが苦痛だという人がたくさんいるのね。

 そういう人たちにとっては、
「コミカライズされている」ということで
ものすごく情報が入ってきやすくなってるんだ。

 昔でいう、「学習マンガ」みたいなもんだな。
(〇〇のひみつ、シリーズ)

 若手薬剤師の勉強用に、購入してみた。
実際に読ませてみても、油沼さんの漫画は「読みやすい」という意見が多い。
まずは読んでくれなくちゃ始まらない訳だから、
「読みやすい」というのは圧倒的なアドバンテージになるんだ。

 いや、薬剤師は日々勉強が必要なんだから、
活字嫌いとかありえんでしょ、って思うけど、
実際に本読まない薬剤師が山ほどいる以上、
こういうアプローチも有用だと思う。

 なので、後輩に貸すために買った、という訳。

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 だいたい、油沼さんに限らず、薬剤師の出てくる漫画って、
私の評価は周りよりも低い。何が面白いのかわからん、とか。
ほとんど漫画読まないからだろうけどさ。

 でも、コミックもアニメも日本の文化であるわけだから、
情報の伝え方としては、素晴らしいんだよね。
あとは、本来のターゲット層に届けばいいんだけど。

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 最後にエッセイから。

風と共にゆとりぬ」(朝井リョウ)

 朝井さんは平成生まれ初の直木賞作家だけど、
デビュー作「桐島、部活やめるってよ」という作品の
(タイトルの)インパクト、知名度の方が大きい、という。

 そんな朝井さんのエッセイ集である。

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 これが、「めちゃくちゃ面白い」
「読んで得るもの、特になし」

 帯にそう書いてあるんだが、実際その通り。

 エッセイでこの人以上に面白い人っているのか?
そもそも、エッセイをそんなに読まないからわからないけど、
朝井さんに匹敵するのって、
さくらももこさんとか、三浦しをんさんくらいじゃないかな。

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 一番やばいのは、「肛門記」
痔(それも痔ろう)の闘病記である。
私はあまり縁がないけれども、これは大変だと思う。

 大変なのに、笑ってしまう。w
そこが、朝井さんの力量なんだろうな。
よくこんなの書けるな、と尊敬するわ。

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 実は、読んだのは初めてではない。
でも、何度読んでも面白いし笑ってしまう。

私にとってこの本は「笑いたい時に読む本」だ。

 再読にも色々あるんだけど、
私は、気分によって再読する本を選ぶことがある。

「気持ちを上げたい時に読む本」とか、
「泣きたい時に読む本」とか、
「気持ちを静めるために読む本」みたいなのがある。

 こういう時、「事前にどんな本か分かっている」というのは大きい。
ハズレをつかむことがないんだから。

 それでいて、何度読んでも新しい発見があったりする。
再読も、読書の醍醐味の一つなんだよね。
常に新しい知識ばかりを求めている訳ではない。

 ま、たくさん読んでるから、読んだ内容を忘れてしまう、ってこともあるんだけど。

 

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読書記録 2021.10

 2021.10の読書記録。

直近一ヶ月の読書記録(読書メーター

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 10月は47冊読了。
これで年間433冊。500冊まであと61日で67冊。
今月から忙しくなる予定だけど、
これくらいのペースならいけるかな。

 小説(新規)23冊、小説(再読)12冊、
学術/ビジネス 12冊、その他2冊。

 小説以外の本も、ぼちぼち再読が入っている。
新書でも、何度も読むたびに新たな発見があったりするし。

 3冊紹介する。

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 まずはフィクション。

八月の銀の雪」(伊予原新)

 今年の本屋大賞ノミネート本の一つ。
表題作は、非常に綺麗な言葉を使う作家さんだな、と思ったけれど、
もともと理系出身で、科学や気象の話が織り込まれていて、
なんというか、私好みだった。

 全て独立した短編が5本。
どれもよい話だったけど、私は「10万年の西風」が気に入った。
原発技術者が旅行中に凧あげしている男性に会う話。

 旧日本軍の風船爆弾の話と、原発の再稼働の話を絡めてあって、
とても興味深く読むことができた。
ちょっと、この作家さんは追いかけてみたいと思う。

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 次、学術系

ジェンダーと脳 性別を超える脳の多様性
(タフナ・ジョエル/ルバ・ウィハンスキ)

 男女の脳に性差はあるのか?
一昔前に、男性脳、女性脳という話が盛り上がったことがあったが、
科学的には、男性と女性で性差はない?とも言われている。

 で、この著者はさらに一歩進んでいて、
性差はあるけれども、みんなが思っているほど大きくない。
また、どんな男性にも女性的なところがあり、
その逆もまた然り。

 冒頭にモザイク状に示された図があるんだけれども、
著者の言いたいことは、実はこの図1枚でほぼあらわされている。

 脳は個人差が大きく、モザイク状になっていて、
全体を通してみると、男性に多い特徴や女性に多い特徴はあるが、
個人差が大きく、ごく一部をのぞいてみんなモザイク状なんだよ、と。

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 男性脳、女性脳の話で私が疑問に思ったのは、
LGBTQなど、のセクシャルマイノリティーの人はどうなってるんだ?と。
そんなくっきりはっきり分かれてるもんじゃないだろう。

 実際、脳には可塑性がある。(これは、他の本にもあった気がする。)
例えば、女性は理数系が苦手だと言われているが、
そういう環境に身を置くから理数系が苦手になっていく要素が大きい。
つまり、社会が規定するジェンダーに合わせて脳が変化していくので、
結果として性差は出てしまう。

 もし、ジェンダーを完全に封印できたら、
男女差ってもっと少なくなるんじゃないのかな、と思う。

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 3つ目。

「非モテ」からはじめる男性学」(西井開)

 これも、少しジェンダーが関わってくる話だけれども。
「非モテ」という、全然異性にもてない男性のカテゴリがある。
その人たちの生態を通して、「男性とは」と学問にしている本。

 作者の西井さん自身も「非モテ」である。

非モテの男性が集まって、お互いの失敗を語り合ったり、
どういう感情で、どうしてこうなったか、を探求していく。

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 一言で感想を言うと、

「気色悪い」

 になる。これ、女性が読んだら引くんじゃないかな?
「非モテ」がストーカーしてしまう心理まで書かれているから。

 私も、女性にもてるほうではないし、
若いころは「非モテ」だったと思う。

 異性にもてないだけなら、男性も女性も一定(以上)の数がいる。
では、男性に特有の問題は、というと、
どうも、「拗らせてしまう」問題があるように思った。

 これもジェンダーの話になるんだけれども、
「男性は弱音を吐いてはいけない」
「情けないことを相談してはいけない」
という社会規範があるゆえに、非モテの男性は
 モテない女性よりもはるかに孤立しやすいんじゃなかろうか。

 昨今のネット環境は、悪い面もあるけれども、
こういう非モテな男性を緩くつなげる効果もある。
孤立して拗らせてしまうと、犯罪に走ることもあり得るので、
緩くでもつながっておくことが必要。

 別に、モテなくてもいいと思う。
恋人がいることが全てではないし、結婚できなくてもいいやん。
これは、女性にも当てはまるけれども、
「結婚しなくてはいけない」という社会規範が、
若者たちを追い詰めているところはあるんじゃないかと思った。

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 で、私の感想「気色悪い」だけれども、
この感想自体が、彼らをラベリングして追い詰める可能性がある。
なので、あえてこの感想をぶつけてるんだけどね。
 私だって一歩間違えればそうなっていた可能性はある訳で。

 モテないのは彼らに問題があるからだ、というのは真理だが、
だから努力しろ、といっても何も解決しない訳で。
どういう理由でその問題が発生しているのか?
どのように解決の道筋を立てるのか。

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 もともと論文だったこともあり、かなり難解な本だった。
ただ、作者が真剣にこの問題に取り組んでいるのは分かった。

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 さて、今年もあと2か月。
すかっと目の覚めるような傑作に出会いたいんだけどな。

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読書記録 2021.9

 2021.9の読書記録。

直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)

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 9月は42冊読了。
小説(新規)21冊、小説(再読)9冊
学術/ビジネス9冊、その他3冊。

 ちょっと体調不良もあって、読みにくい時期があったけど、
終わってみればまずまず読んでるな。
年間500冊ペースを維持している。

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 3冊紹介する。

まずはフィクション。

鹿の王」(上橋菜穂子)

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 2015年の本屋大賞受賞作。
過去の大賞受賞作をすべて読むのは、今年の目標の一つだった。
ひと月に一冊くらいのペースで読んでいる。

 上橋さんは、児童文学の大家、というイメージがある。
けど、実はまだ一冊も読んだことがなかった。
この作品は、非常に重厚なファンタジー小説なんだが、
感染症がテーマの一つとなっており、
なんというか、非常にタイムリーな時期に読めたと思う。

 ファンタジーだけど、中華風の名前と遊牧民が混じり合っていて、
勝手に中央アジアあたりを想定してしまった。

 ウイルスとか、抗体という言葉こそ出てこないけれども、
やってることは治療薬とワクチンの開発な訳で、
まさに現在進行形のコロナ禍にふさわしい作品だった。

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 次、学術系。

肝炎のはなし 巨大感染症の発見とその克服の30年」(竹原徹郎)

 またしても感染症の話。
C型肝炎が発見されて、やっと30年くらい経つ。
肝炎は、慢性化して肝硬変から肝がんに至る。
かかって1週間で亡くなるような病気ではないが、
この感染症が原因となった死亡者数は、膨大であり、
その意味では「巨大感染症」とよぶにふさわしい。

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 C型肝炎の治療法の進化は、目覚ましいものがある。
「肝炎は治らない」なんてすでに大昔の話。

 インターフェロン療法から、リバビリンの発見。
そして、インターフェロンを使わない抗ウイルス薬の併用療法。
今となっては、治る人の方が圧倒的に多い。
(ただし、膨大な治療費がかかるけれども。)

 C型肝炎が発見されるまでは、
非A,非B肝炎、と呼ばれていたんだけれども、
C型肝炎が治る時代となってからは、
「非B,非Cの肝がん」をどうやって治すかが
課題になりつつあるらしい。

 医学の発展は、すごいね、と感心するとともに、
そりゃ、医療費も高騰するよなぁ、と思ったりもした。

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 3つ目。

行動を変えるデザイン」(Stephen Wendel)

 3冊紹介するときは、1冊はフィクション。1冊は学術系。
最後の一冊は縛りなしにしている。
この本は、どちらかというと学術系なんだけどね。

 少し前の本になるのかな。
「デザイン」と書いてあるけれども、ファッションとか、画面構成とかの
(狭義の)デザインの話ではない。

 簡単に言うと、「アプリで人の行動を変えるには?」という話。
(厳密にはアプリに限った話ではないが。)

 どうすれば、人の行動に影響を与えられるか、というのは、
これだけICT技術が発展すると、非常に重要になってくる。

 いかにして他人の思考を操るか?という話なので、
悪用すればとんでもない結果をおこすこともできるんだろうけど、
その技術そのものが悪いのではなくて。
 うまく活用すれば、非常に役に立つ。

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 実際に、医療用機器としてアプリが開発されている。
禁煙用のアプリは、すでに保険で使える?という話も出ているし、
高血圧などの生活習慣病に対するアプリなんかも、
開発が可能だと思う。

 ようは、食事療法や運動療法を促すようなアプリがあればよいので。
昔、メタボ対策の健康指導のことを少し勉強したことがあるが、
「行動変容」というのはとても大変な話。

 どうすれば、運動させられるか。
どうすれば、減塩させられるか。
間食を減らせるか。

 もちろん、本人にやる気がなければ始まらないんだけれども、
これ、開発できたら薬よりも効果的かも知れない。

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 反発も大きいだろうけれども、
情報技術は、非常に大きな可能性を秘めていると思う。

 そうすると、世の中の仕事内容が変わってくるかな。
栄養士さんによる栄養指導よりも、アプリの方が効果的かも知れんし。
それいうと、薬剤師さんの服薬指導よりも・・・(以下自粛)

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 毎月3冊紹介しているけれども、
1冊はフィクション。もう1冊は学術、と決めている。
3冊目は縛りなしだけど、今回は学術系になった。

 最近、あんまりパッとしたフィクション読めてないんだよな。
今まで大量に読みすぎたので、なかなか、今までの感動を超える作品とは
出会いにくくなっているんだろう。

 

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読書記録 2021.8

 2021.8の読書記録。

直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)

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 8月は51冊読了。
小説(新規)27冊、小説(再読)8冊
学術・ビジネス13冊、その他3冊。

 今年二度目の50冊超えで、年間343冊。
3分の2が終わって、500冊ペース継続中。

 多読にはメリットもあるけど、デメリットもある。
ただ、ここまで来たら年間500行ってみよう。
「500冊読んだ」という事実自体に意味が出てくるから。

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 例によって3冊紹介。

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 まずはフィクション。

水を縫う」(寺地はるな)

 今年の、高校生の読書感想文コンクール課題作らしい。
もっとも、予約した時にはそんなこと知らなくて、
たまたま図書館から回ってきたのが夏休み中だったので、
1週間で返さなきゃいけなかったという。

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 手芸が得意な高校生男子が、
女性なのに可愛いものが苦手なお姉ちゃんの
ウェディングドレスを縫う、という話。

 なんか、今どきの話だな、と思った。
男らしさとか、女らしさとか、気にする必要ないよね。
自分の好きなことをやればいいんじゃない?

 女の子でも、可愛いものが苦手なことあるし。
数学が得意な女の子もいる。
それで、別に構わないんじゃない?

 高齢者になってから、新しいことを始めてもよいし。
父親だからこう、母親だからこう、とか。
もっと楽に生きられるんじゃないかな。

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「あのさ、好きなことを仕事にするとかっていうやん。
 でも、好きなことがお金に結び付かへんこともあるやろ。
 私みたいにさ。でも好きは好きで、仕事に関係なくもっと
 きたいな、って思うねん。これからも。好きなことと仕事
 が結びついてないことは、人生の失敗でもなんでもないよな、
 きっとな」

 これは、主人公の女友達のセリフ。
仕事と関係なく、好きなことをするのもいいよね。

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 次、学術系。

図解即戦力
 医薬品業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
(松宮和成)

 最新の本で、薬局、製薬業界を解説した本。
コロナでどう変わったか、というところまで触れている。

 MRとは、MSとはどういう仕事をしているのか。
新薬の開発にかかる時間とお金は?
ワクチン開発が難しいのはなぜ?

 もちろん、私はだいたい知っているけれども、
最新の情報にアップデートしておきたかった。

 うん、やっぱりこの業界大変だよ。
少なくとも、今まで通りのやり方では、滅びると思う。
もっと、AIやデジタルを活用する必要がある。

 医薬品ではなく治療用のアプリとか、
そっち方面が伸びてくる可能性は大いにあると思う。
新薬の開発に莫大な費用かけるよりは、ありじゃないかな。

 あとは、薬剤師の仕事も変わっていくだろうな。

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 MRやMSの仕事が紹介されているが、
少なくともここ数ヶ月の後発品流通非常事態のなかでは、
MSの仕事は、全く違ったものになっていると思う。(苦笑)
本来の業務なんて、全然できてないよ。(泣)

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 三つ目。その他。

ぼけますから、よろしくお願いします。」(信友直子)

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 もともと、ドキュメンタリー映画があって、それを本にしたもの。
映像作家の娘からみた、老々介護の現実が描かれている。

 85歳で認知症と診断された母親を、
90代の父親が介護する。
よそ様のお世話になりたくないと、介護保険を拒否する。

 でも、娘は遠方に住んでいて、なかなか手を出せない。
非常に厳しい状況からのスタート。

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 このお父さんが、かっこいい。
90代になってから家事を覚えて、
お母さんのかわりに家のことをする。
日本で一番かっこいい90代じゃなかろうか。

 本、映像の作者であるところの娘さんの苦悩もよくわかるが、
「この映像をドキュメンタリーとして撮る」と決めたことで、
事態が一気に好転していくのが面白い。

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 今まで、悲惨だと思っていた老々介護の現実が、
カメラを通した瞬間に「面白い!」と感じてしまうんだ。
いや、カメラ向ける前に助けろよ、とも思うけれども。w

 でも、そうやってカメラを向けることで、
娘である信友さんの気持ちに変化が生じる。

 どんなに酷いことがおこっても、
「ネタとして消化してやる」っていう気持ちが出てくるというか。w

 テレビが入ることで他人と接した親御さんは、
それがきっかけとなって、介護保険を使っていくようになる。

 介護保険の入り口の難しさがわかった。
どうしても、本人たちは介護受けたくないんだな。
そこを突破するには、プロの力が必要なんだと思う。

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 作中で、チャップリンの言葉が紹介されている。

「人生はクローズアップでみると悲劇だが、
 ロングショットでみると喜劇だ」

 困難な事態がおこったとき、少し離れてみよう。
一歩下がると、視界が広がる。変わる。

 何事も、楽しまなきゃ。
笑えるようになれば、楽になる。

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 実は、この本を読んだ時は、色々あってしんどかった。
絶妙のタイミングでこの本に救われた。
そうそう、私は何事も楽しめる人間だったはずだって。

 今でも、これからもしんどいことはあるけれども、
ロングショットで引いてみれば、たいてい喜劇になるんだよ。w

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 8月はたくさん読めたけど、
小粒な本が多くて、「これ!」って3つに絞るのは難しかったな。
9月はどんな本と出会えるだろうか?

 

 

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読書記録 2021.7

 2021.7の読書記録。

直近1ヶ月の読書記録(読書メーター)

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 7月は43冊読了。
小説(新規)18冊、小説(再読)5冊
学術・ビジネス13冊、その他7冊。

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 2ヶ月連続の40冊超え。年間500冊ペース継続だけど、
別に冊数を求めてる訳じゃないので、無理する必要ない。
でも、冊数を多く読めば読むほど、「これはすごい!」
っていう本にあたる数も多くなる。

 例によって3冊紹介。

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 小説。「お探し物は図書室まで」(青山美智子)

 2021年本屋大賞2位。
1位の「52ヘルツのクジラたち」は、強烈なメッセージ性をもっていて、
インパクトは強いけれども、読後感がかなり重かった。正直、二度読みはしたくない。
でも、本作は何回読んでも癒されると思う。
 少しずつ話のつながった連作短編集で、
図書室の司書の(ベイマックス)小町さんが、迷える利用者たちに、
これぞ、という本をピンポイントで勧めて導いていく、優しいお話。

 こういう、書店や図書館をテーマにした作品って、
紹介されている本も読みたくなるから、楽しい。
ぐりとぐらのカステラに挑戦してみたくなった。

 基本的には、「仕事」がテーマになっている。
私は、仕事なんてお金稼ぐため、としか考えてなかったけど、
それだけで人は働けないのかな、とも思った。

 これ、続編も書いて欲しいなぁ。

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 次、学術。「患者さん向け耳鳴診療Q&A

 今月はいろいろ本読んだけど、「これ!」ってのがないなぁ、と思ってた。
7月の最後に読んだこの本が、一番面白かった。

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 耳鳴りの最新のガイドラインを、患者さん向けに解説してくれている。
耳鳴りは、昔から悩んでいる人が多いんだけれど、
原因がよくわからないことも多く、効果的な薬もない。

 ただ、「放置しても命に別状はない」ので、
医療者としても本気で取り組んでこなかったところはある。
人によってはかなりQOL下がるんだけどね。

 この本によると、耳鳴りそのものに対しての薬物療法は、
ほぼ、エビデンスがないことが示されている。
(医療者は、感覚的に分かっていると思うけど。)

 もちろん、サプリメントもエビデンスない。
気休め程度にしかならない。
耳鳴りの原疾患があったり、不眠やうつを併発している場合は、
そっちの治療にあたれば、耳鳴りも改善されるんだけど。

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 じゃ、何が効果的なのかというと、
「教育的カウンセリング」
耳鳴治療のゴールは、耳鳴を消すことではなくて、
「気にならなくすること」なんだ、と患者さん本人が納得すること。
この薬のめば治る、なんてものは今のところ存在しないから。
患者さんに寄り添いながら、ゆっくりと耳鳴りについて理解を深めていけば、
自然に耳鳴りが気にならなくなっていく。
つまり、治療のゴールに近づく、という訳。

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 この本の何が面白いか、というとね。
この本自体が、患者さんの治療に効果があるということ。

 たぶん、効きもしないビタミン剤なんかよりも、
この「耳鳴診療Q&A」をじっくり読み込む方が、
耳鳴が改善する可能性ははるかに高い。

 これ、そんじょそこらの医薬品やサプリなんかより、
よっぽどエビデンスがありそうな気がするよ。w

 もちろん、プロフェッショナルによる教育的カウンセリングには
全然及ばないだろうけど、耳鳴りに困っている患者さんは多いから、
この内容をかみ砕いて伝えることができれば、
大いに役立つのではないかな、と思った。

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 最後。

夢の猫本屋ができるまで

この本は、最初に紹介した「お探し物は図書室まで」で紹介された本。
猫の店員がいて、猫に関する本だけを扱っている
猫本屋「キャッツミュウブックス」の立ち上げドキュメンタリー。

【世田谷】猫のいる本屋「Cat's Meow Books」でお気に入りの1冊を見つけよう | icotto(イコット)

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 現代では、本屋単独では採算が取れない時代。
「本屋×〇〇」という掛け算が必要なんだけれども、
そこに、保護猫を掛け合わせたのが、このキャッツミュウブックス。

 保護猫を使って集客して、売上を一部を保護猫活動に寄付する。
こんなん、猫好きが寄ってくるに決まってるやん。
開店時にクラウドファンディングもやったけど、
あっという間に目標額達成したらしい。

 これは是非いってみたいな。

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 で、この猫本屋を作った安村さん。
なんと、会社員を続けながら猫本屋を始めている。
ただ副業というのではなくて、
「パラレルキャリア」という考え方らしい。
(この辺の話は、「お探し物は図書室まで」でも出てくる。)

 副業というと「お金のため」という感じだけれども、
安村さんにとって、本当にやりたいのは「猫本屋」の方。
 ただ、それだけだと生計が立たないので、
会社員も続けながら、ということになるらしい。

 コロナでリモートワークが増えてきている現状を考えると、
こういうダブルワークではない「パラレルキャリア」は、
むしろこの時代に合っているような気がするな。
安村さんが起業した時よりもやりやすくなってるはずだ。

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 ただ、私はこんな働き方できないよな、と感じる。
身体がもたん。(苦笑)

 そうすると、「ベーシックインカム」の方に期待したい。
最低限、食べていけるだけのベーシックインカムがあれば、
こういう、自分の夢を実現させるような仕事も
もっと気軽に負担少なく始められるんじゃないかな、と思うんだ。

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 今月はこんな感じ。
この「掛け算」の考え方は、薬剤師でも話題になってて、
「薬剤師×〇〇」みたいな話もよく聞く。

 本屋と薬局を掛け算してしまった人もいるしね。
(こっちも行ってみたいのに、なかなか行けてないな。)

 私がやるなら、「薬剤師×読書家」かなぁ。

 今月は、読書の面白さを堪能できた気がする。
ビジネスや学術書しか読まない人なら、
「夢の猫本屋」にはたどり着けないんだよ。

 でも、そっから先(ベーシックインカム)まで思考を飛ばせるのは、
今年、山ほど本を読んでる成果だと思う。
ただ、読みすぎててあまり残っていないところも多々あるんだけど。(苦笑)

 

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読書記録 2021.6

 2021年6月の読書記録。

直近一ヶ月の読書記録(読書メーター)

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 6月は、44冊読了。

小説(新規)は23冊、再読は7冊。
学術・ビジネスは12冊、その他2冊。

 途中までは先月と同じ月40冊ペースだったけど、
ワクチン休暇の日に1日5冊読めたので、一気に増えた。
これで、半年で250冊。一応、年間500冊ペース。
まぁ、このペースが守れるとも思ってないけど。

 3冊紹介する。
まずは、フィクション

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臨床の砦」(夏川草介)

「神様のカルテ」で有名な、夏川さんの新作。
コロナ第3波を食らった長野県を舞台にした、
かなりドキュメンタリーに近い小説。

「この戦、負けますね」と帯にあったけれども、
長野県の医療が、「抵抗空しく崩壊していく様子」
が手に取るようにわかって、辛かった。
今年、初めて泣いたかもしれない。

 コロナはただの風邪、とか言ってる人は、
この小説を読んでみて欲しい。

 願わくば、この負け戦を次に活かして欲しい。
今、到来しつつある第5波は、今までと違って、
「ほぼ、来ることが予想できている波」になる。
第5波はもう来ないなんて甘い予想してる人、いないだろ。
 最前線の砦で、必死に耐えた人たちの屍を糧に、
私たちは前に進まないといけない。

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 次、学術。

その病気、市販薬で治せます」(久里健人)

「ドラッグストアとジャーナリズム」のkurieditsさんが、
ついにOTC医薬品に関する本を出版した。しかも、新書で。

 これまでも、雑誌記事とか監修とかではお名前見かけていたけど、
単独での出版は初めて。初期からの愛読者としては、買うしかないでしょ。

 エピソードが豊富で、読んでいても面白い。
私(薬剤師)でも、知らない話が結構あるのがびっくり。
セルフメディケーションの推進のためには、
薬剤師や登録販売者が、うまく情報を伝える必要がある。

 素晴らしい市販薬もあれば、よくわからんのもある。
もっともっと、専門家の発信力を高めれば、
この分野をもっとマトモにできるかも知れない。

 いつまでも「OTCなんてほとんどインチキ」と言ってても、
未来がないでしょう?未来は私たちで作らないと。

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 この本のもう一つの特長は「安い」こと。
これだけの情報量なら、3000円はくだらないと思う。
それが、新書だから1000円足らずで買えてしまう。
 こんなの、ドラッグストア関係者は全員買え、と言いたい。

 ちなみに、私は計4冊購入した。w
友達や後輩、上司、みんなに読んで欲しいので。
同じ本を4冊買ったのは初めてだな。
(2冊くらいなら普通にあるあるw)

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 最後。

おうち性教育はじめます」(フクチマミ、村瀬幸浩)

 これは、コミックエッセイ。
対象者がわかりにくいんだけど、
「小学生を子どもにもつ、親」が読むべき本。

 日本の性教育は、一向に進まない。
それはかなり問題なんだけど、
言うてても間に合わないので家でするしかない。

 小学生向けに、どういう説明をしたらいいのか?
がポイントをおさえてわかりやすく書いてあった。

 男女とも、両方の知識が必要で、
子どもからの質問で困ったら、

「いい質問だね、ちゃんと調べて答えるね」と言って、
一旦撤退するのが吉。焦って、変なこと言わないように!

 性犯罪の被害者にも加害者にもなって欲しくないので、
この取り組みは素晴らしいと思う。
ってか、私でも知らん事があったりして。
(マスターベーションの位置づけとか)

 AVを教科書にして、変な認知の歪みをおこさないように。
娘にはもう教えられないけど(基本的に同性が教えるしかない。)
息子には、ちゃんとしてやらないといけないな。

 

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