書籍・雑誌

読書記録 2023.8

2023.8の読書まとめ(読書メーター)

.

8月は30冊読了。

小説(新規)12冊、小説(再読)7冊
学術/ビジネス 8冊、エッセイ/その他 3冊

何とか30冊に届いたけど、
今月はあまり読書がすすまなかった。
学術系の本が難解だったり
合わなかったりしたからなぁ。

.

 今月の3冊。

.

 まずは小説
猫を処方いたします」(石田祥)

 この作者さんの本は初めて。
なのに、図書館で借りることもなく、いきなり購入。
初物をいきなり買うなんて、
過去にちょっと記憶ないなぁ。

 なぜか?
文庫本だというのもあるが、
表紙の猫にやられた。

 処方猫ってなにね?w

いやぁ、これはもうタイトルだけで売れるの確定。
中身も、まぁ予想通り。
アイデアの勝利としか言いようがないわ。

 普通にはたどりつけない心の病院。
たどりつけた患者には、怪しげな医師が、
猫を処方してくれる。

「大丈夫ですよ、
だいたいの悩みは
猫で治りますから

そりゃそうだ、としか言いようがない。

 患者さんは、先生が処方した猫と、
注意事項、餌などをもらって帰宅する。
処方期間は1週間くらいかなぁ。
 猫と暮らしているうちに、
(なぜか)悩みが解決してしまう。w

 アニマルセラピー?そんな生ぬるいもんじゃないよ。
猫様の力を侮ることなかれ。

 別に処方されたといっても、世話をするだけ。
猫を吸うとか、そういう訳ではない。(当たり前)

 もちろん、少しはファンタジー入ってる。
まだまだ謎も多いし、これは続きそうだなぁ。
そしてまた、買ってしまうんだろうか。
くそ、まんまと猫に買わされてしまった。

 私の好きなキーワード。
「猫」と「処方」が両方とも入っているんだから、
そりゃ買うしかないでしょ。


 次、学術系
因果推論の科学」(ジューディア・パール)

.

 分厚くて難解。難しい本だった。原題は「The book of why」
今までの統計学では、相関関係はわかっても、因果関係はわからなかった。
相関関係と因果関係は異なる」のが、統計学の基本。

 で、相関関係を求める計算方法とかはいろいろあるんだけど、
因果関係がどうなっているのか、を求める計算方法はなかった。

 そこを何とかしよう、と著者が新しい学問を始めた。
それが因果推論、ということかな。
これ、一応一般向けの本なんだけど、きわめて難解だった。

 まず、世の中で最も確実なテストは、
RCTだ。ランダム化比較試験。
これは、医薬品の開発には欠かせない。

 でも、恐ろしく時間と費用がかかるし、
倫理的にできない場合もある。
例えば、たばこと肺がんの関係を調べるのに、
ランダムに喫煙させる、とか無理がある。

 たばこと肺がんの関係が認められるのに、
相当な時間がかかった理由の一つでもある。

 で、この著者らの新しい因果推論を使えば、
RCTできないような事象に関しても、
因果関係を推定できるようになる。

.

 ようは、交絡因子を適正に処理していけばいいのだが、
これが難しい。修正してはいけない因子もあったりする。

 で、その辺はAIに判断ができない。
コンピューターは計算できるだけで、意味はわからないから。
因果関係がわからないんだな。

 最終的にストロングAIを作るためには、
この部分の因果推論を計算式で表す必要がある。
まだまだ非常に難しいが。
そうでなければ、人間のように判断はできないだろう。

.

 データはどれだけ集めてもデータであって、
それをうまく活用するためには、因果関係を踏まえた知恵が必要なのね。
でも、その知恵をコンピューターに教えるのが極めて難しい。

 ここを突破できれば、一気にブレイクスルーできそうなんだが。
科学全体が、一段階上のレベルに上がるんじゃないだろうか。

 でも、それって人類に可能なのかな?と思うが。(苦笑)

 とにかく、難しいけど学問的に非常に重要、
というのだけわかった。

できれば読んでみてほしい。

.

 あと、パラドックスの例が面白かったな。
知ってるのもあったけど、人間は勝手に因果関係を読み取ってしまう生き物だから。

 一つ紹介すると、
異性の容姿と性格に負の相関が見えることの説明が面白かった。
2枚のコインがあって、どちらも裏なら記録しない。
そうでないなら記録すると、およそ2/3の確率で表と裏の組み合わせになり、
負の相関が見えてくる。片方が表なら、もう一つは裏の確率高くない?って。
いや、両方とも裏を記録してないから当たり前なんだが。
これは、喩え。

異性の容姿と性格についても、両方悪い人(どちらも裏)を眼中にいれないから、
容姿と性格に負の相関が見えてしまう、らしい。
基本的には、容姿と性格には何の相関関係もないはずだけど。
容姿も性格も悪い人をサンプルから排除してしまうと、(人は無意識にそうする)
どっちかだけいい人が多くなってしまうのね。

データの観察の仕方によって、いろんなパラドックス、相関がみえてしまうんだ。

 難しいけど面白い。でも難しい。

.

 最後。

くもをさがす」(西加奈子)

 西さんの本は全部読んでる。
西さんは直木賞作家で、私とほぼ同年代。

最新作は、小説ではなくてノンフィクション

 西さん、いつの間にか結婚して子供がうまれてて、
バンクーバーに住んでいるらしい。
そんな西さんが、乳がんになった。
この本は、西さんの治療の記録である。

「カナダで、がんになった」
「あなたに、これを読んでほしいと思った」

 あえて、「闘病」という言葉は使っていない。
あくまで治療。闘いではない、と。

.

 西さんの作品をたくさん読んでるので、
ノンフィクションであっても、
西さんの小説の一シーンが浮かび上がってくる。
ああ、このシーンはこの本に似てる、とか。
この表現は、西さんならでは、とか。

.

 ただ、薬剤師として読むならば、
西さんのがん(トリプルネガティブ乳がん)の
治療の記録は、勉強にもなる。

 そして、カナダの医療事情もよくわかる。
最終的に手術するんだけどね。。

 乳がんの手術、日帰り。

 ドレーンついたまま退院。
薬局でタイレノールもらって帰れ。

 タイレノール(アセトアミノフェン)が
万能すぎる。w

.

 バンクーバーの町のいいとこ、とか。
カナダのいいところ。よくないところ。
そういうのもたくさん書いてる。

 ただね、西さんね。
カナダ人のセリフ、全部関西弁で訳してるのよ。
これが面白い。いかにも西加奈子って感じで。w

 そして、哲学的な問いも多い。
この辺は「i」を思い出したなぁ。
過去のエッセイにもつながるところあるし。

.

 西さんの小説としての最高峰は、
「サラバ!」だと思っているけれども、
この「くもをさがす」は、
西さんの著作のなかで「サラバ!」に匹敵する。

 西さんファンのみならず、
がんサバイバーの人にも読んでほしいし、
今からがんの治療を受けるひとにも読んでほしい。
そして、医療従事者にも読んでもらいたい。

がんの治療を受ける人の気持ちもわかるし、
さらに、がんの治療の勉強までできてしまう。

 これ、間違いなく今年のベストだわ。
「読めよ、薬剤師」のノンフィクション枠確定だ。

 これは本当に、読んで。

 そして気に入ったら、
西さんのほかの作品も読んでみて。
すごいから。

 

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.7


2023.7の読書まとめ(読書メーター)

.

7月は31冊読了。

小説(新規)14冊、小説(再読)6冊
学術/ビジネス 9冊、エッセイ/その他 2冊

 今月も1日1冊ペースでいけた。
仕事がかなり忙しくて大変なんだが、読書時間は確保している。

.

 今月の3冊。

.

 小説から。

パラソルでパラシュート」(一穂ミチ)

一穂さんの本は、2冊目、かなぁ。
今年の本屋大賞ノミネート作はまだ読めてないけど、
本作はそのひとつ前の作品。

 30歳目前の受付嬢。何のとりえもない契約社員の雨ちゃんは、
誕生日に売れないお笑い芸人の亨と出会う。
雨ちゃんがなぜか芸人仲間に紛れ込んで人生を楽しむ。
そういうお話、かな。

 30歳までに結婚して、子供産んで。
そういう、「普通の幸せ」というところの普通って何?
芸人さんたちと付き合っているとハチャメチャでスリリング。
でも、ものすごく「今」を楽しく生きてると思う。
これはこれで、全然アリじゃないかなぁ。

.

 いや、普通はこの出会いならもっと恋愛小説になると思うんだが、
雨ちゃんと亨、これ、付き合ってるのか?ちょっと微妙。
相方の弓彦を含めた三人の掛け合いが絶妙に面白かった。
これも、「普通」の恋愛じゃないわな。
でも、このままみんな年を重ねていっても、それで面白いと思う。

 これも、多様性だよ。
結婚して子供産むだけが人生じゃない。

.

 大阪の地元民として、一つだけ突っ込むと、
茨木方面(雨ちゃん実家)から木津川駅(芸人シェアハウス)行くのに、
岸里玉手で乗り換えるやつはおらんぞ。
別にそこ、書く必要ないのにあえて間違ったルート書かなくても。
てか、校正も誰も気づかんかったのか?

 でも、あの辺(西成)の空気感はちゃんと出てるように思った。

.

 次、新書から
なぜ理系に女性が少ないのか」(横山広美)

.

 少し前に、ツイッターである人が意見を募集していた。
「理系に女性が少ないのはなぜか?」
その人の出した結論が面白くて炎上っぽくなったんだけど、
結論は「女性が少ないから」w

 は?ってなるけど、意味は理解できる。

 女性が極端に少ないところに行こうと思う女性が少ない。
ってことだよね。

 情報も回ってこないし、ロールモデルもいない。
女性が理系に進んで、どのような将来を描けるのか見えない。
だから、女性が少ない。女性が少ないから女性が来ない。
負のスパイラルにはまるわけ。

.

 まず、前提として、男女に能力差はない。
女子は数学が苦手、とか、それは妄想。
「みんながそう思ってるから」そうなってしまっているだけ。

 この本によると、欧米にくらべて、大学に行く女子が少ない。
実は、欧米の先進国では、女子のほうが男子より多い現象がおきている。
逆に「男子落ちこぼれ問題」がある、っていう。

 それと比べると、東大の男女比は尋常じゃない。
圧倒的に男子のほうが多いのよ。なんで?
そこには、ジェンダーギャップがあるんじゃないの?って話。

 さすがに減ってきたとはいえ、一昔前は
「女子が大学に行ってどうするの?」っていう時代があった。
短大卒のほうが、四大卒よりも就職がいい、みたいな
ありえない時代もあった。

 それは、女性は結婚して家庭に入り、
子供を産むのが普通の幸せ、という概念が強かったからだね。
結婚するために、学問いる?

 まぁ、いい男捕まえるためには、
いい大学に行っておいたほうがつながりは作りやすいけど。
でも逆に、東大女子って、ほかの男子が引いてしまう。
女性はむしろ学歴が結婚の邪魔になることがある、という。

 いい大学いって、いい就職をしたら、
逆に婚期遠のくよね。結婚する必要ないし。
キャリアを考えると、今の社会だとむしろ子育てなんかしてられない。

.

 女子の理系進学率を高めるには、
まず、親世代の意識改革が必要。
理系に進むと、どんな就職があるのか、とか。
著者によると、文系よりも就職はいいらしいけど、知られていない。

 確かに、私でも知らんかったもんなぁ。

.

 ちなみに、私の娘は理系志望だ。
うん、好きにしたらいいんじゃないかな。
好きなものを勉強したらいいよ。

.

最後も小説から。

君のクイズ」(小川哲)

.

 今年の本屋大賞第6位。
ジャンルとしては、ミステリ?になるのかな。

 とある生放送のクイズ王決定戦の決勝戦。
優勝者が決まる最終問題。
対戦相手、本庄は問題が一文字も読まれないうちに、
回答(「ママ、クリーニング小野寺よ」)して、
しかもそれが正解で優勝。

 もちろん、不正やヤラセが激しく疑われるわけで、
本庄はその後、音信不通になる。

.

 この本は、負けたほうのクイズプレイヤー、
三島が決勝戦を振り返りながら、
「なぜ、本庄は一文字も読まれる前に回答できたのか?
を解き明かしていくミステリーとなっている。

 うーん、クイズ番組の裏側、というか、
クイズプレイヤーが何を考えているのか、かなり取材したうえで
綿密に描写されているのが、新鮮で面白かった。

 例えば早押し問題なら、答えがわかってから押したら、
押し負けることがある。(ほかの人に先をこされる)

 なら、「わかりそう」と思った時点でボタンを押す。
そして、「答えをどうぞ」といわれている時間に必死に思い出す。w

 競技かるたの「決まり字」みたいな戦い。
問題文がどのように続くかを予想しながら、
「次にこの文字(音)が聞こえたら、ボタンを押す」
超一流のクイズプレイヤーはそういう世界になっているらしい。
ほんまかいな?

.

 で、読み進めていくともちろん、0文字回答の謎は解ける。
本庄が、出題者をうわまった結果なんだな、と。

 でも、もう一つ謎が残るんだよね。
すなわち、「なぜ本庄はリスクを知りながら0文字回答を行ったか

 本庄目線から言うなら、おそらくこの問題は相手(主人公)に
押し負ける可能性はかなり低いので、
2,3文字(音)読ませてから押してもよかったんだ。
むしろ、そのほうが不正やヤラセ疑惑から逃げられるんだから。

 で、もちろんそっちの謎にも解答は示されるんだが。
これが、賛否両論別れそうな感じ。(苦笑)
なんというか、今の時代だなぁ、と。

 ネタバレするのもあれなので、読んでみてほしい。
クイズ好きなら、はまると思うな。
確かに、めっちゃ面白いけど、読者を選ぶ感じがするな。
やっぱり、ミステリで本屋大賞は難しいよなぁ。

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.6

2023年6月の読書記録

読書メーター

.

6月は、31冊読了。
小説(新規)12冊、小説(再読)7冊、
学術/ビジネス 9冊、エッセイその他3冊。
もっとも、薄い本も多かったので、
ページ数はさほどでもない。

.

3冊小説する。まずは小説。

病院でちゃんとやってよ」(小原周子)

 小原さんは、現役のナースらしい。
医師で小説家はたくさんいるし、薬剤師もそれなりにいるけど、
ナースって珍しい気がするなぁ。

 リハビリ病棟の看護師のお仕事小説。
いつまでも入院できるわけはないので、
ある程度、回復のめどが立ったら退院するしかないんだけど、
それって、自宅で介護になるの?それとも施設?

 その辺を患者さん、その家族と話し合いながら決めていくんだけど、
これがまたしんどいんだわ。
自分のことになった瞬、「え、無理」と思ってしまうんだろうなぁ。
そして、本作もそれはよくあらわされている。

 しかし、男どもに全く介護する気がないのはなぜだ?
家事や育児に関しては、男性も少しずつ参加しなきゃって
流れになってるけど、介護に関してはまだまだかも知れない。

 ちょうど、親が介護必要になるのが、私くらいの年齢。
働き盛りの40代~50代だから。
にしても、同じ年代でも女性には簡単に介護押し付けるよね。
ここにもジェンダーギャップがある。

.

 次、学術系。

あなたを変える行動経済学」(大竹文雄)

 行動経済学に関しては、特に医療分野に関して
大竹さんの本を読んだことがあったけど、
本作は、高校生向けに書かれている入門編。

 非常によみやすく、面白かった。

「サンクコスト」は、一度支払ってしまった費用や時間で、
もう取り戻せないものを言うんだけど、
人間はつい、このサンクコストを惜しんで合理的に
判断できないことがある。

 映画館に入れば、どんなにつまらない映画でも最後まで見ようとする。
「つまらない」と確信できた時点で、席を立って
その時間をもっと有意義に使った方が合理的なのに。

 ほかにも、損失を避ける、とか、つい先延ばしにする現在バイアスとか。
勉強の計画を立てる時も、自分の「意志の弱さ」まで計算にいれて、
計画を立てる方がよいよ。

.

 あとは、「ナッジ」のお話。
デフォルトをどう決めるかで、他人の行動を変えることができる。
ただ、この辺は目的によるよなぁ、と微妙に思った。

 例えば、コロナワクチンの接種券を、
「申し込んできた人だけ送付する」ということにした某自治体。

 いや、それするとデフォルトが「接種しない」になってしまい、
接種率が下がってしまう。
逆に、もう、こちらから日時まで指定してしまって、
「変更のある方はご連絡ください」とやってしまった方が、
絶対に接種率は上がる。

 でもね、接種券を送らない判断ってさ、
某自治体の首長の思想なんだよね。
この首長の考え(あるいは、それに忖度した人)なら、
「デフォルトをワクチン接種しない」にすることで
行動経済学をうまく利用していると思う。

 すなわち、彼(ら)の目的は、
「国に文句言われずに接種率を上げたくない」ってことだから。

 あくまで、任意接種だから接種したいという意思は尊重されてるし。

.

 やりようによっては、いくらでも悪用?できてしまうな、
というのが私の感想なんだけど。
ちょっと怖いなぁ、と感じた。

.

 最後。

学校というブラック企業」(のぶ)

元、公立中学教師による本音。
主にツイッターで活躍されているのかな?

 中学校にはよくわからない校則があるけれども、
それって、教師側も何のためにあるのかわからんことが
多々ある。

 でも、現状を変えることで生徒が荒れるのが嫌だから
とにかく現状を変えたくない、伝統を守る、のだそうだ。

.

 これ、先生の方にもかなりストレスがかかっている。
自分たちも「このルール意味ないよなぁ」と思いながら、
生徒に守らせている訳だから。
 生徒にも「ルールだから」以上のことが言えない。
そんなんでちゃんと指導できるわけないやん。

 でも、ルールを変えようとすると
ベテラン教師からの反発が強くて、なかなか変えられない、という。

.

 少しずつ、改善はされてきているんだろうけれども、
まだまだ、これから、ってところも多いなぁ。

 特に、いじめ指導に関してはそう。

 文部科学省は、加害者を別室指導にして
場合によっては出席停止などの措置をとること、としている。

 教室から出るべきは、被害者ではなく加害者であるべきだ、と。

 でも、実際にこの通りに加害者が出席停止になったケースは年間1人とか。
いじめが原因となった不登校は、年間500人以上もいるのに。

.

 法律がそうなっていても、学校が運用の仕方を知らない。
保護者や先生まで伝わっていない。そういう問題もあるらしい。
確かに、私も知らんかったからな。

 この運用をするためには、いじめなんかない最初の状態で、
保護者含めてみんなに周知する必要があるだろう。

「当校では、いじめ加害者に対して、別室指導や出席停止を含めた
 断固たる措置を取ります」
って、最初から宣言しておかなければトラブルになるな。

.

 なんにせよ学校は大変。先生の数も足りてないし。
問題山積み。ただ、少しずつは改善してるところもあるんだよ。
少なくとも、問題点が「問題だ」とわかるようにはなってきているから。

.

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.5

2023.5の読書まとめ(読書メーター)

.

5月は31冊読了。

小説(新規)12冊、小説(再読)6冊
学術/ビジネス 9冊、エッセイ/その他 1冊

 今月も1日1冊ペースでいけた。
忙しいんだけどね。
本好きの下剋上が、年末に完結編が出るとのことで、
それに向けて第1部から再読始めている。

.

 今月の3冊。

.

 小説から。

セクシャル・ルールズ」(坂井希久子)

 坂井さんの本は初めて。
「専業主夫の旦那さんとキャリアウーマンの奥さん」
のお話、と聞いていたので興味があった。

 ウチも、似たようなとこあるしね。
私が兼業主夫だから。

 世間の偏見と戦いながら、
二人の関係を模索していくんだけど、
なかなか難しいよなぁ、と。

.

 この話、男女逆だったらめっちゃ普通の話なんだけど、
男女逆にするだけで、新鮮に感じる。
私ですら、社会通念から逃れられないってことだ。

 ワンオペ育児で苦しむ夫、
仕事が大変で、夫の苦労に気づかない妻。

 どちらにも言い分はあるんだけどね。

 こないだ、夫婦の対話についての本を読んだけれども、
対話を行うためには、ある程度の余裕が必要なのよ。
お互いに余裕がないと、喧嘩になるだけで対話にならない。
そういう時は、対話拒否する方がまだマシ。

 お互いに余裕がないな、と思ったら、
まず休んでHPを回復させる。
話はそれからだ。

 って、現実ではなかなかそうはいかんよね。

.

 しかし、このご時世で専業主夫ってのは
相当無理があるんじゃないかな、と思った。
せめて、兼業主夫だよねぇ。

 夫婦のありかたも、この10年でだいぶ変わった気がする。

.

次、学術系

知の統合は可能か」(瀬名秀明)

.
SF作家でもある瀬名さんと、
COVID19に関連した著名人との対談を集めた対談集。

瀬名さんは、バリバリの理系(薬学系)の方。

「知の統合」をテーマに、深く重い対談が続くので、
読み解くのはかなり苦労した。
というか、半分も理解できた気がしない。

.

 いわゆる、専門分野の垣根をこえた「学際研究」の
お話なのね。

 新型コロナに関しては、
科学なしでは話にならないが、科学だけでも解決できない
いわゆる「専門家」が得られた知見を、
どうやって世の中に広めていくか。

 今回のコロナ対策でいうならば、
感染症の専門家が、めちゃくちゃ頑張っていたけれども、
第一波が収束したあとは、感染症の専門家だけではだめ、
経済の専門家とかも入ってくるようになったけど、
そこの統合はあまりうまくいったように見えなかった。

 政治の話も絡んでくるし、
それこそサイエンスコミュニケーションの話でもある。
どうやって伝えれば行動変容をおこせるか、とか。

.

 で、本書は哲学や宗教まで絡んだ話になるけれども、
この「知の統合」は非常に難しい。
なんだろう、人間世界全体をレベルアップさせるような
話になるんじゃないのかな?と。

 AIならどんな答えを出してくるのかな?と思った。

.

 日本には、尾身さんという化け物みたいな専門家がいた。
ぼっこぼこに批判もされたけれども、
尾身さんは、感染症の専門家でありながら、
政治家との折衝にも優れていた。

 知の統合の解決の一つとして、
「一人でなんでもわかってる天才」待ち、
という方法もあると思う。これは私の感想。

 凡人には到底無理な話だな。

なんだろう、「人類の限界」を感じた。
どれだけ文明が進んでも、
意味の分からない戦争がおきるしねぇ……。

.


 最後

答えがない時代の新しい子育て」(松丸亮吾)

.

 松丸くん、昨日もテレビで見たな。
謎解きクリエイターの人だ。

もともとは、メンタリストの「DAIGO」の弟、
だったと思うけど、
今やむしろ立場は逆転してるような。

.

 松丸亮吾さんは末っ子で、
偉大な兄たちには、何をやっても叶わない。

そんななか、唯一彼の方が優れていたのが、
「謎解き」だった。
小さいころにテレビでクイズ番組をみていても、
お兄さんたちより早く答えられたらしい。

.

 受験勉強を頑張って、東大に入ったけれども
そのころにはもうDAIGOはバリバリに活躍していて、
「学歴だけで俺に勝ったと思うなよ」みたいに
言われたらしい。w

 そこで、自分が得意で好きだった「謎解き」
一本に絞って、活動しているうちに、
いつの間にか兄を超えていた?

.

 さて、この本も対談集だ。
松丸くんが教育界の10人の著名人と対談していく。

タイトルに「子育て」と入っているけれども、
内容はほぼ教育の話だ。

.

 松丸くんは自分がそうだったから、
子どもが好きなことに特化する方がよい、と。

 どんどん変わっていく時代の中で、
必要な能力はなんだろう?
テストの点がいいだけの意味はあるのか?

 勉強は手段であって、目的ではない。
定期テスト、必要?宿題、いる?

.

 机にむかってガリガリ勉強するだけじゃなくて、
ゲームやアプリを使った勉強とか、
それこそ、謎解きの経験だったりとか。
そういう、新しい教育法も出てくるんじゃないのかな。

.

 今の学校教育は、硬直している。
「何のために勉強させるの」

テストでいい成績をとるため?
東大に入るため?

 そういうことじゃないんじゃない?
子どもたちが生きるためには、
自己肯定感が大事だし、
自分が好きなことを見つけることも必要じゃないかな。

.

 正直、松丸くんのことなめてたわ。
ただのタレント本だと思ったら恐れ入った。
これ、「教育」のあり方を根本から考える本で、
この時代には必読だと思う。

.

 一番必要なのは、変化に対応できる力よね。
どう変わっていくかはほぼわからないんだから、
世の中がどう変わっても生きていける力を
つけてほしいな。

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.4

2023.4の読書まとめ(読書メーター)

.

 4月は30冊読了。

小説(新規)12冊、小説(再読)4冊、
学術/ビジネス 11冊、エッセイ/その他 3冊

 久々に月間30冊到達。
単純に軽い本が多かったということもあるが。

.

 今月の3冊。

.

 まずは小説

ドミノin上海」(恩田陸)

 恩田陸さんといえば、なんといっても「蜜蜂と遠雷」なんだが、
この人は非常にバラエティーに富んだ作風である。
ミステリーなところもあれば、ホラーチックな話もあり、
また、伏線が全然回収されないで余韻が残りまくりな話も多い。

 で、この「ドミノ」は、恩田さんの数ある作品の中でも異色で、
もう、全力でエンタメに振り切った小説。

「んなアホな」の連鎖反応が続いていくパニックコメディ。

.

 一応「ドミノ」が前作にあたる。
東京駅を舞台にしたパニックコメディなんだけど、
今読み返すとさすがにいろいろと古い。

 スマホがない時代だからなぁ。
待ち合わせ場所で、相手になかなか会えないとか、
今の時代では考えられんから。

 で、in上海はその続編。
ドミノの10年後くらいのお話で、
登場人物も半分近く重複している。

 でもこれ、前作知らずに読んでも十分面白いよ。
ただ、前作と連続で読むとさらに面白いので、
可能であれば2作連続で読むことをお勧めする。

.

 しかし、この上海編自体、執筆がかなり長期に渡っていて、
もう、今の時代から読むと古くなっているんだろうなぁ。
日本からみた中国観って、どんどん変わっているよな、
という感想もある。

 上海編も、いろいろなキャラが登場するが、
一番の異色は、ジャイアントパンダの厳厳だろう。

心頭滅却!おれはここにいない!

 いや、意味わからんよね。ww
でも面白い。


 
.

 次、学術系。

患者指導・保健指導 説明10か条」(松本千明)

4月に入り、新しい薬剤師が入職してきている。
保健薬剤師の登録がおわれば、いよいよ投薬デビュー。
でも、ここが一番難しいと思う。

.

 薬剤師の業務って、昔は対物が多かったけど、
今はどんどん「対人業務」に重点が移っている。

 人相手の業務って、怖い。
でも、国家試験では対人業務に関する内容とか
ほとんど触れられていないからねぇ。

.

 そんな新人薬剤師が、投薬デビュー前に読むのが
いいんじゃないかな、と思って紹介してみる。
 もともと、薬剤師向けだけに書かれた本ではなくて、
医療者や保健者むけの本なんだけどね。

.

 内容は、正直、知っている内容がほとんどだった。
どっか、研修でやったよな、これ。とか、
ああ、先輩に聞いたことある、みたいな話ばかり。

 でも、それは私がキャリア20年あるからであって。
最初にまとまった勉強をするなら、これをお勧めしたい。

.

 この本の特徴は、とにかく
読みやすい、わかりやすい」ことだ。

 これは当たり前の話で、
「わかりやすい説明」について書かれた本が
わかりにくかったら、それはどうしようもないよね。

 魔法の数字として「3」がとりあげられていて、
どんな内容でもだいたい3つくらいにまとめると、
覚えやすいし、わかりやすいよ、ということなんだけど、
今どきのプレゼンって、だいたいそんな感じになってるよね。

 できれば、説明10か条も「3か条」くらいにして欲しかった。
(いや、ボリューム的に無理があるんだが。w)

.

 最後

ネットで故人の声を聴け」(古田雄介)

 若くして病気で亡くなった人、自殺した人。
寿命で亡くなった人が残したネット上の記録(主にブログ)
を紹介している本。

 当たり前だけど、重い話が多いので、そこは覚悟が必要。
半分くらいが闘病記だからね。
若い人が亡くなってしまう話は悲しいし
故人の声は重い。

.

 ただ、割と古い記録も扱っているのでそこは注意。
闘病記の読み方、みたいな話もでてきたけれど、
 同じ病気でも100人いれば100通りあるので、
同じようになるとは限らないし。

 何より、この20年での医学(特に化学療法)の進歩は
すごいからね。ステージ4でも普通に治る時代になりつつあるから。

.

 インターネットが世に生まれて30年くらいかな。
昔は、ネット使う人って若い人しかいなかったから、
そういう死に関する話ってほとんどなかったと思う。

 でも、30年もたつとなくなってしまう人も出てくるし、
老人がネットに詳しいことも当たり前になった。

 90歳のブロガーなんて方もいたんだね。

.

 デジタルの記録は劣化しないので、残り続ける。
うん、理論上はそうなんだけどね。

 でも、ネット上の記録は、結構削除されていくんだよ。
ブログのサービスが終了したら、それで終わり。
だれも管理していないサイトは、人知れず消えていく運命にある。

.

 いや、このブログだってそうだよ。
niftyがサービス終了したらそれまで、だ。

 今更引っ越すのは多大な労力を必要とするし。
(以前、やろうとしたことあるから知ってる)
ネットの情報の海に沈むだけ。

 仮に残っていたとしても、
ネット上には膨大なデジタルデータがあるんだから、
更新されないデータは誰もみなくなる。
そうすると、それはないのと同じことだ。

.

 このブログも、私が死んだらそのうち消えるかな。
そもそも過去の医療情報なんか、すでに役に立たないし。

 育児記録のところだけは製本してあるから、
そっちの方は子どもの代までは現存するだろうけど、
それ以後は知らんな。

 読書メーターで管理している読書記録とか感想の群れも、
自分史的には貴重な資料ではあるんだけれども、
他人が(自分の家族含めて)読みたいか、というと、

うーん……

 となるし。
読んでほしくはあるけれども、読まないだろうなぁ。(苦笑)

.

 今月も、3冊選ぶの苦労したなぁ。
これ、といった本が少ない。

 世間は本屋大賞で盛り上がってたんだけど、
「汝、星のごとく」は、1月に読んでるんだ。
そして、その月は他の大賞候補作2作を紹介して、
「今月の3冊」の選にもれてるんだよ。w

 いい作品だったけど、感想は書きにくい話だし、
凪良さんは3年前にも受賞してるから
ないだろ、って思っちゃったんだよなぁ。

 

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.3

2023.3の読書まとめ(読書メーター

.

3月は27冊読了。

小説(新規)15冊、小説(再読)4冊
学術/ビジネス 8冊、エッセイ/その他 0冊

エッセイ系が0ってのは、実は珍しい。
記録を取り出してから初めてじゃないかな。

.

今月の3冊

.

 小説。

名探偵外来 泌尿器科の事件簿」(似鳥鶏)

 似鳥さんは、つい最近紹介したばかりなんだけど。
ミステリー作家さんで、トリックや謎は本格だが、
キャラがおかしい人が多くて軽いイメージがある。

 その似鳥さんが、今回は医療系に初挑戦。
それも、泌尿器科をチョイスするあたり、やっぱりおかしい。w

 主人公はいたって真面目な泌尿器科医だが、
周りを固めるメンツのキャラが濃すぎるんだよな。
それが面白い。

.

 泌尿器科あるあるを面白く紹介してくれているが、
実は事件としては、かなりシビアな事件が多い。
 医師によるデマ情報の拡散とか、ヘイトスピーチや、
男性至上主義の信仰、などなど。

 男性としては、第3話はぜひ読んでみてほしい。
多分、女性には考えられないようなショックを受けると思う。
ネタバレなので書けないけれども。

 似鳥さんって、ライトなキャラが多いけれども、
結構社会派なのね。今作はそんな「ガチ似鳥」が見え隠れしている。

.

 次。

友達の数で寿命は決まる」(石川善樹)

 2014年出版だから、かなり昔の本だけど、
なかなかキャッチーなタイトルだったので読んでみた。

「人とのつながりが少ないと、死亡率が2倍」
「お見舞いにきてくれる人の数で余命が変わる」
「孤独は喫煙より身体に悪い」
などなど。

 これはこの人の思い込みではなくて、
ちゃんとしたエビデンスのある話。

 女性の平均寿命が男性よりも長いのは、
女性の方がコミュ力が高くて友達が多いからではないか?
という考察をしている。

 うーん、そうかもしれないな。

.

 先月紹介した「社会的処方」にもつながる話で、
孤独を解消することが健康の秘訣、なんだ。

 こないだ、私の勤務先であった話だけど、
95歳のおばあちゃんが、薬局に薬を取りに来てた。

そこに、たまたま同い年のおばあちゃんがやってきた。

 久しぶりの再会だったようで、お薬を渡し終わった後も、
ずーーっと待合室でしゃべってた。

.

 たぶん、おばあちゃんたちにとっては、
薬局で渡された薬よりも、「同い年の方との会話」
の方が、よっぽど健康にいいだろう、と思った。

 よく批判されることもある、
病院が老人のたまり場になっている話。
「あの人、最近見かけへんな、具合悪いんかな?」
といった笑い話にもなっているけど、

 場所はともかく、顔見知りが集まるコミュニティーが
あることが、健康の秘訣なんだろうな、と
認識を改めた。

.

 ただ、少し古い書籍だから、
今の研究だとどうなっているんだろう?

 特に、SNSと健康の関係が気になるな。
人とのつながりが保てるのならプラスだと思うけど、
今のSNSだとどうなんだろう?かえってマイナスかも?

.

 最後。

数学者図鑑」(本丸諒)

 偉大な業績を残してきている数学者の図鑑。
何年か前から数学の本を時々読んできたけれども、
私が読みたかったのはこれだな。

 数学のことがあまりよくわからなくても、
その歴史的背景やエピソードを紹介してくれているので
わかりやすい。

 自然科学はいろいろあるけれども、
数学者は、きまって変人なので、面白い。

.

 学問的な実績はともかく、
実際に数学を利用して社会に貢献した人、としては、

 ナイチンゲールが最強だと思う。

統計やグラフの活用で、数学を素人にもわかりやすく
説明するテクニックを駆使して、社会を変革していった。

 うん、立派な数学者だね。

.

 いろいろと読んでいたので知っている人や話が
多かったのもプラスかな。よりわかりやすく書いている。

 革命前後のフランスは、偉大な数学者が山盛りだったけど、
アーベル、ガロアという二人の天才を
「送られてきた論文をなくした」
という理由で葬り去ってしまったコーシーがヤバい。

.

 今月はいろいろ読んだけど、
3冊選ぶのは少し苦労した。
わかりやすく突出した本がなかった。(特に小説。)

 4月は本屋大賞の発表がある。
未読の本だったら購入して読むけど、
今年はどうだろうなぁ。

 

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.2

2023.2の読書まとめ(読書メーター)

.

2月は24冊読了。

小説(新規)12冊、小説(再読)4冊
学術/ビジネス 6冊、エッセイ/その他 2冊

 やや少なめだけど、2月は28日しかないから。
難解な学術書読んでたら、
それ一冊に三日かかったってのもある。

.

 今月の3冊。

.

 小説から。

アルツ村」(南杏子)

 南さんは、高齢者医療を専門とする医師の小説家。
これまでも何冊か読んでいたけれども、
基本的には医師の活躍や、在宅医療の話が多かった。

 でも、本作は主人公こそ看護師だけれども、
がっつり医療の話、というわけではない。
どちらかというと、ホラーじゃないかと思う。

.

 北海道の、辺地。場所もわからない山奥。
そこに、全国から高齢者を集めた村がある。
 もちろん、高齢者だけでは生活が成り立たないから、
医療や介護のスタッフはいるけれども、
基本的には自立した生活を送っている。

.

 その村の住人は、程度の差こそあれ全員が認知症。
都会では、特養なんて空きがなくて入れない。
東京は高齢者率が低いとはいえ、
もともとの人口が多いんだから
高齢者の絶対数は多い。

 では、地価の安い北海道に、
認知症の高齢者ばかりを集めて、
集中的にケアをすればよいのでは?
 そういうコンセプトで作られた村。

 いや、姨捨山かよ、と思うかもしれないが、
これはこれで高齢者にもメリットがある。
自分の好きなこと、得意なことをすればよい。
農業でもよいし、モノづくりでも。
 自分の好きなことをすることが幸せだし、
認知症でも穏やかに過ごすことができる。

.

 話としては、もっと裏にいろいろと
怪しげな陰謀めいたものが出てくるんだけど、
そこはネタバレになるので。

 そっちの方も怖いけど「あり得る」話かな、と
思ってしまった。

 

 


社会的処方」(西智弘(編著))

 社会的処方とは、従来の医療の枠組みでは対処が難しい
問題に対し、薬ではなくて「地域での人のつながり」
を処方すること。

 例えば、ご主人が認知症で、介護に四苦八苦している女性とか。
もちろん、医療や介護による介入は大事なんだけれども、
家に籠りきりになってしまうのがよくないんだよね。
社会との接点がなくなってしまう。
 いわゆる、「孤立」が問題。

 そこで、少しお話ができる場所とか。
サークルとか。そういうところとつながることで
「孤立」が解消できれば、むしろ過剰な医療や介護を
減らせるかもしれない。

 医療や介護は、田舎の方が明らかに手薄なんだけど、
でも、田舎のお年寄りの方が元気だ、という実態もある。
地域とのつながり(若い人からみると「しがらみ」)があるから。


 社会的処方とは、そういうつながりを作っていくこと。
昔でいうところの「地域」との関わり方かな。

 いろいろな事例が紹介されていて面白かった。

 タバコ好きで集まった愛煙家登山とか。
普通、医療者は喫煙を否定するんだけれども、
否定されたところで、やめない人はやめないよね。

 ところが、そういうタバコ好きが集まって
色々なイベントをこなしているうちに、
自発的に禁煙する人が出てくるそうだ。
 このイベントでは、喫煙を一切否定しない。

「北風と太陽」のような話だな。

.

 一番、印象的だったのは
仕事付き高齢者住宅

 認知症や障害を持っている方たちが住むんだけれども、
ここで店員として仕事をさせる、と。
ちょっとした駄菓子屋、とからならまだわかるんだけど、
これがレストランだっていうから恐れ入った。

 それぞれの入居者の特性に合わせて仕事を割り振れば、
ちゃんと仕事ができる。
 そして、仕事をして社会とかかわっていることが、
高齢者にもよい影響を与えることは間違いないよね。

 実際にやるとなると、「いや、そんなん管理できるのか?」
とか、いろいろな問題が立ちはだかるだろうけどさ。
でも、できることからやっていくことは大事。

 大切なことは「世界を一歩でも先に進めること」

.

 もうひとつ。
「マイナスをプラスに、ではなく、プラスをダブルプラスに」

 その人のできないところをみつめるのではなくて、
できることを際立たせてあげよう、ということ。

 認知症だから、これができない、あれができない、ではなくて、
昔の経験があるから、こんなことできるよね。
あんなこともできてしまう。

 この辺、「アルツ村」にも少しつながる話。

.

 最後

安い・美味しい・簡単 実践健康食」(岩田健太郎)

 感染症の専門家、イワケン先生の新書だけど、
感染症はほとんど関係ない、健康食の話。

 この先生、神戸大学教授で研究、教育、臨床と
かなり忙しいはずなんだけれども、
その合間をぬって自炊しているらしい。

.

 健康な食生活には、持続可能性、そしてお金も大事。
例えば、「こうすれば健康的に痩せられる」なんてのは、
どうすればよいか、わかっているんだよね。

 ただ、それに持続可能性がありますか?という。
わかっていても、毎日まずいものや高価なものばかり
食べられるわけはないだろう。それが「持続可能性」

.

 今月読んだ本で、
「人はなぜ太りやすいのか」という本がある。
(これ読むのに三日かかった)

 ものすごく、厳密に学問的に書かれた本なんだが、
「どうすれば、太らないのか」という記述は
ほぼなかった。w

 つまり「簡単に痩せられる方法なんてない!」
ってことなんだろうな。

.

 昔から言われていることだけれども、
一つのものを集中して取るのはよくないよ、と。

 「これは体によい」と言われているものでも、
のちのち研究が進むと「まずいかも」となることがある。

 そんな時に、その食品を大量に摂取していれば、
被害は甚大だ。

 最近の話では、人工甘味料。
発がん性はほぼ否定されていて、ゼロカロリー飲料とかに
よく使われているんだけれども、
どうも心疾患の発症率を上げるんじゃないか?という
研究がでてきている。

.

 こういう話が出たときに、
人工甘味料ばっかり大量に摂取していました、
ってのは、かなりヤバイことになるわけね。

 何事もほどほどが肝心、と。
これ、このブログのかなり初期に書いた記憶があるな。

健康情報の基本」(2007.2.4)

>健康のためには、色々な食材をバランスよく
>取ることが大事であり、
>決して一つの食材に偏ってはならない。

.

 さて、イワケン先生の健康食なんだけど、
まず、巷にあふれる「〇〇をすれば健康になる」
なんてのは、全てインチキだ、と。w

 ではどうすればよいか。
イワケン先生のおすすめの方法は

「スーパーで特売品を集中的に買い、
 食材をクックパッドで検索して自炊する」

 クックパッドかよ

と笑ってしまった。

.

 でも、持続可能性を考えると確かにそれもあり。
いや、忙しいのにこった料理スキルとか
身に着ける暇ないでしょう。

 特売品を集めれば、家計によいのは明らかだし。

 毎日、ずっと同じ食品が特売ってことはないから、
自然にいろいろな食品を使うことになるし、
かつ、特売ってのは供給が多い=旬なもの、
とも言えるので。

.

 イワケン先生の本は、ちょっと癖があって
人を選ぶんだけど、私は好き。
わかりやすくて面白い。
(本人は親父ギャグと言われているが。)

 しかし、この人の周りの人は大変だろうな、と
思ってしまった。
私も、同じように思われてるかも知れんが。w

 

| | コメント (0)

読書記録 2023.1

2023.1の読書まとめ(読書メーター)

.

 1月は27冊読了。

小説(新規)11冊、小説(再読)4冊、
学術/ビジネス 9冊、エッセイ/その他 3冊

 今月は、本屋大賞ノミネート作が発表された。
たまたまだけど、ノミネート作を今月だけで3冊読んでいる。

ノミネートが発表されてから買った訳ではなく、
図書館で予約していたりしていた本が、
いいタイミングで回ってきただけ。

.

 今月の3冊。

.

 まずは小説

川のほとりに立つ者は」(寺地はるな)

 本屋大賞ノミネート作。
意外にも、本屋大賞ノミネートは初めてだったらしい。
最近、コンスタントに話題作を連発してるから、
何となくとっくにノミネートされてるものだと思ってた。

 このブログでは、2021.8に「水を縫う」を紹介している。

.

 タイトルの「川のほとりに立つ者は」というフレーズは、
作中に出てくる、別の本(さすがに架空の本だと思う)の引用

川のほとりに立つ者は、水底の石の数を知り得ない

この作品、連載中は「明日がいい日でありますように
というタイトルだったらしいのだが、
単行本化にあたり、改題した。

 それが「川のほとりに立つ者は」
読み終わってみると、これ、鳥肌が立つような言葉だ。

.

 主人公はカフェの店長、清瀬(名前。女性)
しばらく連絡とってなかった、恋人の松木が
怪我をして意識が戻らない、と病院から連絡を受ける。

 もっとも、松木と清瀬はコロナ以降で
いろいろと行き違い、すれ違いがあり、
ほとんど会えていなかったのだが。

 松木は、清瀬に隠していることがあった。
それが原因ですれ違いがあったんだけれども、
清瀬は、松木の部屋に残されたノートから、
その秘密を少しずつ知ることになる。

.

 少しだけネタバレをすると、
この話は、「ディスレクシア」「発達障害」が
テーマの一つになっている。

 ディスレクシアは、読み書きが異様に苦手なこと。
とにかく、字が書けない、読めない。
実は、そのほかのことは人並みに、
もしくは人並み以上にできるのに、
文字が書けないので、学校の勉強はまるでダメ。

 ただ、それも特性というか個性の一つ。
実際、文字が書けないだけで、受け答えは普通にできる。
誰かに読んでもらえれば、物語も理解できるし、
頭が悪い訳ではないので、
口述筆記なら素晴らしい文章も書けたりする。

 最近は、オーディオブックとかも出てきてるけど、
あれって、ディスレクシアの人たちには、
とても有難いんだろうなぁ。
 文字が苦手なだけで、文学的な素養が無い訳ではないので、
ディスクレシアの詩人とか、作家とかも出てくるかもね。

.

 私は、もともとディスレクシアという言葉も知ってたし、
発達障害に関しては、最近、いろいろと本を読みこんでいる。
「ああ、なるほど。こういう系の話なのね」
と思いながら読み進めていたら、

 最後で見事に裏切られた。

 結構ショックだった。

 なるほど、私も「川のほとりに立つ」だけの人間だったか、と。

 知らない、わからないともちろん理解できないのだけれども、
知っているからといって、理解できているとは限らない。
むしろ、そういうレッテルをはり、理解した気になる分、
かえってタチが悪いんじゃないのか?と思った。
 
.

 次、学術系。

誰も教えてくれなかった 実践薬学管理」(山本雄一郎)

 これは、#読めよ薬剤師2022で、一番人気だった本。
山本先生のお名前は知っていたけれども、
なぜか、一つも読んだことなかった。

 うーん、私は昔から薬歴苦手だったなぁ、と思った。
苦手だったから、あえて避けてたのかもしれない。

 勉強で得た知識を、実際の服薬指導にどう活かすか?
それを、多くの実践例で紹介してくれている。

.

 知識としては、知っていることが多かったけれども、
私はそれを実践で活かしきれていない。
特に、患者さんに対しては。

 いや、薬剤師になって20年くらいになるんだけど、
20年たってもこんなレベルじゃダメだろう、と
恥じ入った次第だ。

 ものすごく高い壁だけれども、
目指す到達点は、こういうところなんだな、と思う。

.

 うん、そりゃ「読めよ薬剤師」だわ。
若いうちにこれ読んでたら、もっとマシな薬剤師になれたかな?

いやいや、まだあと20年は働くつもりなんだから、
もっと頑張らにゃならんよね。

 とはいえ、日常の仕事は、これとは程遠いレベル。
一日一人でもいいから、「私、いい仕事した!」と
胸を張れるレベルの服薬指導をしないとね。

.

 最後、もう一つ小説

方舟」(夕木春央)

 これは、昨年から話題になっていた、ミステリー作品。
多分、ノミネートに入ってくるだろうな、と思っていたが、
予想通り、本屋大賞にノミネートされた。

 夕木さんの名前なんて、全く知らなかったし。
この作品で一気にブレイクしたようだ。

.

 大学時代の友達と、頭の切れる従弟と一緒に、
なぜか山奥の地下建築を訪れた主人公。

 そこに、偶然出会って迷い込んだ三人(家族)も
合流し、計10人で一夜を過ごすことになる。

 翌日の明け方、地震が発生して出口の扉が塞がれる。
さらに、地盤の異変で地下水が流入しはじめる。
地下建築が水没するまで、推定1週間。

 当然のように、電波は届かない。通信手段もない。

.

 そこでおきる、殺人事件。

.

 もう、絵にかいたようなクローズドサークルのミステリー。
しかも、時限装置つきである。

 さらに、誰か一人を犠牲にすれば、
残りの人間は脱出できる、という構造になっている。

 じゃぁ、事件の犯人を見つけ出し、
そいつに犠牲になってもらおう、ということになり、
残された9人で捜査を始める。

.

 そこでおこる第二の殺人。。

.

 そんな感じ。
いや、設定盛りすぎだろ、と。w

 で、なぜか主人公についてきていた従弟が
探偵役となって、極めて理論的に推理していくんだけど。。

 これ以上は何を書いてもネタバレになるな。

.

 ま、読んでみ。

.

 としか書けない。

 いや、これよりもすごい作品もあるんだろうけどさ、
そうそう本格ミステリに触れない人たちには、
この読書体験は、ぜひおすすめしたいな。

 そして、感想を語り合いたい。w

.

 本屋大賞にノミネートはされたけど、
大賞は厳しいんじゃないかな、と思う。

 私は、ノミネート作全部読んだ訳じゃないけど、
少なくとも私の感想では、
寺地さんの「川のほとりに立つ者は」
の方が上なのよね。

 本屋大賞って、過去をみても
ミステリーってほとんどないんだよな。
「謎解きはディナーのあとで」くらいだけど、
あれだって、ミステリーというよりは、
コメディーに近いと思うし。w

 特に近年は、テーマをもった「重い」
作品が受賞する傾向にあると思う。

.

 でも、あまり本を読まない人に一冊だけ勧めるなら、
「方舟」を選ぶなぁ。

 エンタメとしての読書体験で言うなら、
「方舟」は、かなり上位に入るのよ。

 でも、ミステリーって前評判が良すぎるとね、
読むときに変なフィルターがかかったりするから。
この作品は特にそう。

 まっさらな状態で読んでほしいから、
あえて本屋大賞を取らせたくない気がする。
何かの拍子にネタバレくらうのも嫌だしさ。

 

| | コメント (0)

読書記録 2022.12

記事の順番がめちゃくちゃだけど、
12月の読書記録

2022.12の読書まとめ(読書メーター)

.

12月は26冊読了。

小説(新規)11冊、小説(再読)2冊、
学術/ビジネス 11冊、エッセイ/その他 2冊。

学術、ビジネスが多いのは、
これはKindleUnlimitedの加入期間だから。
ずっと入っている訳ではなくて、
格安の期間だけ加入して、いったんやめて、
を繰り返してる。

「3カ月198円」みたいなキャンペーンを時々
やってくれてるんだけど、
退会後1年くらいは、そういうキャンペーンは対象外。
でも、1年たつとまた対象になるので、
そのタイミングで再加入している。

.

 さて、今月の3冊。

.

 小説から。

小説の小説」(似鳥鶏)

 似鳥さんは、本格推理作家なんだけど、
普通ではない作品も多い。

 たとえば、「叙述トリック短編集」なんてのも書いてる。
叙述トリックというのは、作者が地の文で読者を騙してくる
トリックのこと。ふつう、小説でしか成立しない。

 なので、叙述トリックの本は紹介しにくいんだ。
ネタバレを書くわけにいかないし、
かといって、叙述トリックがあることを教えてしまえば、
慎重に読み進めていくだろうし。

 だが、この叙述トリック短編集は、
最初から「叙述トリックがあります!」と宣言して
書いてくる、とても変わった小説で、
こんなことできるのは似鳥さんしかいないと思う。

.

 さて、この「小説の小説」もそういった似鳥さんのお遊び。
小説という形態をどこまで崩せるのか、に挑戦している。

 一編だけ紹介すると、「文化が違う」という作品。
これ、2022年で一番笑った小説。

 人は、ネーミングに引っ張られて、
勝手に自分の中で映像を捏造する。
という前振りから、
いきなり異世界ファンタジー転生ものが始まるんだが、
ネーミングがとてもおかしい。

 まず、ヒロインの名前が
マッスルゴリラ=ウンコナゲルです。ゴリラとお呼びください。」

 いや、名前以外の描写はいたって普通、というか
勝手に美少女を連想してしまっているのに、
名前がソレというだけで台無し。

 ほかにも、魔法(魔法もある世界なのだ)のネーミングが
やばくて笑える。ちょっと書けない。
ちなみに、ゴリラの得意魔法は「ウホッ!」

.

 普通、ネーミングってのはそれらしく聞こえるように工夫する
もんだけど、この作品はすべてが逆転している。
「どんな名前なら面白いか?」を極限まで追求しているので、
本筋とは関係ないところで大笑いしてしまった。

.

 次、学術系。

失敗の科学」(マシュー・サイド)

 少し前の本だけど、KindleUnlimitedに入っていたので。
人はみな失敗するけれども、その失敗をどう活かすのか?
むしろ、失敗することでシステムが改善されていくべきなんだが、
そうなっていないところも多い。

 優秀な例として、航空業界があげられている。
何らかの事故がおこれば、全て解析されて、
二度と同じようなことがおこらないように改善される。

 では、医療業界はどうなの?
医療事故による死亡者は、航空業界よりもはるかに多いが、
すべて「仕方なかった、避けようのない事故だった」とされて
隠ぺいされていないか?と。

 失敗を認め、それを次に活かすための仕組みづくりの話だけど、
そもそも、失敗を認めるのが非常に難しい。

.

 人は、自分の失敗をなかなか認めたがらない。
その心理的メカニズムを解説してくれているんだが、
非常に恐ろしいと思った。

 私は自分の失敗を認める方だとは思うが、
それでも、認められないことってあるんじゃないかな。

 この本に出てくる、失敗を認められない人は、
はたから見ると、「いや、どう考えてもおかしいでしょ」
と思うんだけど、

 これ、自分だって同じ過ちに陥る可能性があるよ。
それが、非常に怖かった。

.

 あとは、ミスを責めるのは百害あって一利なし。
それしたら、誰もミスを報告しなくなるので、
システムを改善することができなくなる。

 これって、常識だと思っていたけれども、
意外に知られていないのかもしれない。
じゃぁ、どうすれば報告してもらえるのか。
そういう仕組み作りから必要になるんだろうな。

.

 最後。

グレーゾーンの歩き方」(成沢真介)

 少し前に、「認知症世界の歩き方」という本が流行った。
認知症の人がどう感じているのか?をわかりやすく解説した本で、
そりゃ健常者にはわからないわな、と思った。

 で、この「グレーゾーン」は、
発達障害のグレーゾーンにあたる人が、
どのように考えて、どのように感じているのか、という本。

 ま、二番煎じと言えばそうなんだけれども。(苦笑)
その視点は考えたことなかったから、新鮮だった。

.

 いやこれ、誰にでも当てはまるでしょっていう内容が多い。
まぁ、白に近いグレーもいれば、黒に近いグレーもいる。

あと、人間は「自分」の当たり前しか認識できないんだよね。

 例えば、私は息子に対して、
「冬休み、計画的に勉強しなさいよ」と言っているが、
たぶん、できそうにない。(苦笑)

 おそらく彼は、「物事の計画を立てる」ことができない。
他の能力に比べて極端に弱いんだろうな。

.

 でも、私から見れば、「なぜこれができない?」になる。
普通、みんなできることだよね?と思うから。
ただ、それも彼の「特性」なんだろう。

 で、特性ってのはそう簡単になおるもんじゃない。
なので、そういう特性があるのを、自分で自覚して、
じゃぁどうする?と考えるしかない。

 できないことをできるようになるのは、非常に難しいので、
できなくても何とか迷惑かからんように考えることが必要。

.

 ちなみに、彼はなくしもの、落とし物が異様に多い。
おそらく、これも特性によるものだろう。

 私の対策としては、「高価なものを買い与えない」になる。w
どうせ、なくすんだから、なくすことを前提に買う。

 今度、腕時計を買ってやるつもりだけれども、
3000円の腕時計を買うよりも、
1000円のを3つ買う方がいいだろう。

 財布にしても、どうせなくすから大金いれない。
財布自体を高価なものにしない。

.

 ものを落としやすい、なくしやすい、という性質を知っていれば
それだけで対策の立てようがあるんだ。

 でも、それは本人だけで気づくのは難しい


 特に今は、便利なアプリとか増えてるから、
うまく利用すれば、かなりの部分をフォローできるんじゃないかな。
スマホなくさないようにだけ気を付けてもらえれば。w

.

| | コメント (0)

2022年、1年間の読書記録まとめ。

2021年は500冊オーバーで、人生で一番本読んだ年だったけど、
今年は環境が変わったこともありペースは落ち着いた。

 今年の記録は、344冊である。
(あまり読まないけどコミック含まず。
 ただし、一部のコミックエッセイは含む。)

 2022年読書メーターまとめ

.

 2022年に読んだ作家さんtop10

1位 今野緒雪 10冊
2位 香月美夜 9冊
2位 矢崎在美 9冊
4位 伊与原新 8冊
4位 綾崎隼  8冊
6位 喜多喜久 7冊
7位 額賀澪  6冊
7位 知念実希人6冊
7位 成田名璃子6冊
10位 椹野道流 5冊

 今野さんは、マリア様がみてる全巻再読の残り。
香月さんは本好きの下克上だけど、再読もちらほら。
椹野さんは、最後の晩ごはん。矢崎さんは、ぶたぶた。
ただ、この二つのシリーズはほぼ追いついた。

全体みて思うのは、このランキングに入るのは
ほとんどが再読してる作家さん、ということ。
今年一気に読みこんだのは伊与原さんくらい。

そろそろ、新規の作家さんも開拓しないと。

.

 今年トータルで記録をみると、
小説(新規)  167冊
小説(再読)  55冊
学術/ビジネス  93冊
エッセイ/その他 29冊

 全体の約50%が小説(新規)、約30%が学術/ビジネス。
比率は昨年とほとんど変わってないな。
.

 2021年からは、毎月の読書記録をつけているので、
どんな本を読んでいるのかは思い出しやすくなってる。

 医療系の本以外では、
歴史や言語の本も読んでいたりして、
かなり興味の幅が広がっている。


 2022年は、私にとっても変革の1年で、
生活を軌道に乗せるのに苦労した。
軌道には乗ったけど、日常の仕事が多くて
なかなか読書に時間が取れていないのが実情。

 よく、そんな状態で300冊読めるもんだ。w

 今年は、読むペースはこれくらいでいいから、
もう少し新しいことにも挑戦したいと思う。

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧