書籍・雑誌

「蜜蜂と遠雷」

書籍の紹介。

「蜜蜂と遠雷」

(リンク←amazon)

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 直木賞と、本屋大賞のW受賞となった。史上初のことである。
直木賞はともかく、本屋大賞はねぇ……。
個人的には、恩田さんみたいにガッツリと実績がある人じゃなくて、
「さすが書店員さん」というような、埋もれている才能を掘り起こして
欲しいんだけどな。

 恩田さんは、本屋大賞自体も2回目になる。
「夜のピクニック」で第2回本屋大賞受賞済み。
同じ人が本屋大賞を2度受賞するってのも、史上初

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 結論を先に。
この「蜜蜂と遠雷」は、直木賞、本屋大賞をW受賞して当然の作品だ。
本屋大賞の選考では、(投票だけど)当然、2回目であることや
直木賞受賞作であることも考慮に入ってるだろう。
 それでも、「今、一番売りたい本」と考えた時に、
この作品を上回る作品がなかったってっことだろう。

 それくらい、この作品は突出していた。

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 受賞を知ってから、恩田さんの作品は主に図書館で読んでる。
「夜のピクニック」は確かに面白かった。
すかっとした、読後感のよい青春小説。

 ただ、恩田さんの作品はそういうものだけではない。
いくつか読んだけど、かなり幅の広い作家さんだと思う。
ホラーっぽい作品もあるし、ドタバタコメディもあるし。

 デビュー作の「六番目の小夜子」は、かなり強烈で、
おいおい、そのラストでいいのか、と思った。
もやっとしたものが、いっぱい残る終わり方だったので。(苦笑)

 よく言えば、余韻を残す終わり方とも言えるけどね。

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 で、蜜蜂と遠雷。
これは、図書館で待つと1年かかりそうなので購入した。
他の作品を読んでも、評判を聞いても、間違いなく面白いだろうし。

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 最初に、その本の厚さにビビる。w
500p超、しかも二段組み(1ページが上下に分かれてる。文字多い)
なかなかの超大作だ。(苦笑)
でも、二日で読み切ってしまった。しかも、普通に仕事してる平日の二日で。w
休日だったら、間違いなく一日で読み切っていただろう。

 ピアノの国際コンクールの話。
3年毎に開催される、若手の登竜門となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。
そこに参加するコンテスタント(コンテストに参加する人)の群像劇。

 主人公格は4人。

 養蜂家の父とともに各地を転々としていて、
まともに音楽教育を受けていないが、有名な巨匠の弟子であり、
今までのクラシックを破壊する衝撃のある少年、風間塵16歳

 天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビュー
しながらも、13歳で母を亡くし一線から退いた栄伝亜夜20歳

 楽器店勤務のサラリーマンで妻子もおり、
コンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳

 完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補、ジュリアード音楽院の
マサル・C・レヴィ・アナトール19歳

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 ほか、審査員側の話もあれば、調律師の話もあり、
ステージマネージャーの話もある。(この人がまたカッコイイ

 1次予選で90人から24人に絞られる。2次予選では半分落とされ、
3次予選に進むのは12人。本戦まで残るのは6人。
徐々に絞られていく感じがたまらない。

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 基本的にネタバレはしない方針だけれども、
一つだけ。これ、前半のかなり早い段階ででてくるからいいでしょ。

 亜夜とマサルは「マーくん」「アーちゃん」と呼び合う幼馴染み。
10年以上前にマサルがフランスに渡って以来、消息不明だったが、
このコンクールでいきなり再会する。

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 もうね、ベッタベタのシチュエーションでしょ、それ。w
あまりにも王道すぎる。ww
この再会エピソードは、クライマックスではない。
むしろ、序盤の布石の一つに過ぎない。なんて贅沢な。

 他にも、展開的に「これは王道だよなぁ」と思うシーンは多い。
誰がどうなるのか、ある程度読めてしまうところもある。

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 でも、王道はみんなが好きだから王道なんだ。
オリジナリティを目指して奇をてらう必要はない。
風間塵のような、「業界外からいきなり出てくる超新星」とか、
高島明石のような、「努力している苦労人」みたいな設定も、
ありきたりと言えばありきたりでしょ。

 それでも、恩田さんはそれを面白くかけるから問題ないんだ

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 盛り上がるのは、第三次予選までで、
実は本戦に入ると、少しだれてくる感じがある。
でも、コンクールを描くとそれも当たり前かもしれない。

 もちろん、優勝争いも気になるけれども、
どちらかというと、「入賞できるかどうか」に
みんな力を入れていた感じがするし……。

 現実のコンクールもそんなもんかもね。
本戦は、おまけ、みたいな。w

 読んでいるこちらとしても、
正直なところ本戦までたどり着いてしまうと、
別に誰が勝ってもいいかなぁ、と思ってしまった。(苦笑)

 それよりも、ああ、この物語も終わってしまうんだなぁ、と。
もっとこの話を読んでいたかった
、という気分になった。
それって、実際のコンクールでも同じかもね。
第三次予選あたりで、「もう、このお祭りも終わりかな」と。

 本戦に進むまでに、それぞれが成長、進化する。
そこが見どころだったわけで。
特に、上位の三人は刺激しあうけれども、
あまり「ライバル」という認識は描かれていない。
むしろ、「同志」という方が近い。
そうなると、誰が勝ってもねぇ。

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 おススメは、それぞれの演奏曲をyoutubeで鳴らしながら
本を読むことかな。時間的にアレなのもあるけれども。w

 一つだけ注意。
この本、最終ページに最終審査結果が書いてある。
「何ページあるのかな?」とか、「あとがきあるかな?」とか、
「これってどっかで連載されていたのかな?」とか、
「どれくらいのペースで重版してる?」とかで、
 奥付を探す人が、うっかり最大級のネタバレを見てしまうことに。ww
ってか、私も見てしまったひとりだ。

 別に見たからと言って、それほどどうと言うこともないんだけど、
やっぱり、(少しは)興ざめする人もいるだろうし。
これから読む人には、注意しておいてもらいたい。

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 この作品は、2009年から2016年まで連載された超大作。
たぶん、書きはじめの時点で結果を決めていなかったと思うし、
書いている間、作者はピアノコンクールに通ってると思う。w

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 私が2017年に読んだ本(現在170冊くらい)の中で、
1冊の単行本としてはぶっちぎりの1位だ。
というか、人生振り返ってもこの上あるかどうか……という。

 シリーズ物なら、もっとのめりこんだ話はあるんだけど、
1冊の単行本としての完成度の高さはすごい

 昨年、自分的に1位だったのは西加奈子さんの「サラバ」だったけど、
なんだろう、比較できるものではないと思う
西さんの作品は、エンタメというよりも、かなり自己主張の激しい小説なので。
その破壊力で人を感動させる。

 一方で、「蜜蜂と遠雷」は、メッセージ性はほとんどない。
純粋に、「エンターテイメント」として面白い
まったく、方向性が違う。

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 恩田作品は他にも少しだけ読んでいるけれども、
「チョコレートコスモス」と似ている感じがあった。

「チョコレートコスモス」は、舞台演劇をテーマにした小説だけど、
オーディションの場面の緊迫感が、よく似てると思った。

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 もっとも、「チョコレートコスモス」の方を先に読んでいたんだけど。
その時の感想は、「ガラスの仮面」みたい、と。w
「夜のピクニック」もそうだけど、「チョコレートコスモス」も
間違いなくおすすめできる。

 ただ、恩田さんの作品のすべてがそうじゃないので(苦笑)。
それもまた面白いところなんだけどね。
伏線張りっぱなしで、いきなり読者を放り出して終わることもある。w

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 さて、これだけの話題作だから、
まず間違いなく、映像化の話は出るんだろうけれども、、
これ、ちゃんと映像化できるのだろうか……。

 特に、風間塵の破壊的な演奏は、文章でなきゃ伝わりにくい。
いや、実際にそれができる音楽家がいれば問題ないけどさ。

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「王様のくすり図鑑」「王子様のくすり図鑑」

書籍の紹介。

王様のくすり図鑑

王子様のくすり図鑑

(リンクはamazon)

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 くすりをキャラクター化して、わかりやすく説明している。
王様の方が、汎用されている薬。
王子様の方が続編として出ていて、こちらは子供向けの薬。

 子供向け、というか、一般向けに分かりやすく書かれてある。
薬剤師から見ると、こまかなツッコミどころがあって、
それはそれで面白い。

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 絵は、「王子様」の方がかわいい。子供向けだからかな。
「王様」の方は、目がベンゼン環で書かれている。w
いっそのこと構造式に似せるくらい徹底してくれればよかったのに。

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 薬のチョイスは、なんで?ってのもあるけれども、
まぁすべての薬を紹介する訳にもいかないから、
ある程度はしょうがないね。

 OTCも一部紹介されている。
本当に一部だけど。w
脱水症状にはOS-1、とか。

 薬局や病院の待合室においてもいいかも知れない。

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 細かいところで、ちゃんと考えられてるところもある。
例えば、「溶連菌」を攻撃しているのが「サワシリン」だったり。
(第三世代セフェムでもいい気がするが。w)

 あと、「カチリ」の扱いに笑った。
前半の物語パートでは、明らかに「水ぼうそう」に対する薬として
描かれているんだけれども、後半の解説ページには、

……どこにも、水ぼうそうに使うとは書いていない

 これには唸った。
カチリは、水ぼうそうに対してよく使われる薬なんだけど、
実は、効能効果に「水ぼうそう」とは書いていないし、
実際に効果があるかどうかも怪しい。

 その現状を、うまく表現している……とも言えるけど。
でも、あえてそんな微妙な薬取り上げなくてもよかったんじゃね?w

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 全体的にはわかりやすく、非常によくできている。
ただ、いくつか、??というところもあった。

 まず、致命的にまずいのは、「王様のくすり図鑑」で、
神経障害性疼痛に使われる
「リリカ」が、なぜか「抗うつ薬」の分類にされていることだ。

 後半の薬紹介のページだけならまだなんとかなるが、
前半のページでも、完全に抗うつ薬のページに書かれてる。
これ、修正すると一ページまるごと描きなおしかも。
全体のバランスも崩れるし……。

 専門的には、リリカに抗うつ作用が全くない訳ではないんだけど、
一般的に抗うつ作用を期待してリリカが使われることはほぼない

 何より、一般向けの本なんだから。
単純に、「鎮痛剤」でいいんじゃないだろうか
逆に、リリカ服用している人がこの本を読んで、
これってうつに使われる薬なの?」って聞かれる方が困る。

 これは、出版社に通報かな。
ってか、「じほう」社が出してるのにそんなミスやっちゃいかんでしょ。
無名の出版社ならともかく、医療系では大手出版社でしょ?(苦笑)

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 王子様の方は、道中がRPG風に進んでいく。
ただねぇ、最後の敵キャラが……

 ぎょうちゅう

ってどうなのさ。w
位置的にはラスボスの立ち位置だよ、そこ?
最後にでてきた薬がコンバントリンとか。ww

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 あと、ワクチンが多いのはいいとして、
第三世代経口セフェム系の薬が多すぎる。(苦笑)

メイアクト、フロモックス、セフゾン。

DU(=だいたいウンコになる)ってDisられてるんだけど。
でも、実際に濫用されているからしょうがないか。。
今どき、とびひにセフゾン使う医師がいるのか?(汗)

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 全体的な話として。このシリーズって、
商品名をそのまま使ってるところが画期的だと思う。

分りやすくていいんだけどさ。

……現在は後発品が使われていることが多いんだけど。w
一般名で書いてくれた方が、薬剤師としては助かる
(それでなくても、子どもに後発品は勧めにくい)

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 できれば、何年かおきに情報を改訂した版を作って欲しい
古い情報は、そのままだと通用しなくなることもあるから。

 でも、さすがにそれは難しいかな??

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7月の購入書籍

 今年もボーナスが無事に出たところで、
自分へのご褒美として、書籍購入。

 ときどき、衝動的に買うこともあるけれども(苦笑)
だいたい、半年に一度にまとめ買いしようかな、と。
 
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  勉強用に一冊。

「医師ともっと話せるようになるための基本的臨床医学知識」

「薬のデギュスタシオン2」も気になっていたんだけど、
店のスタッフで読みまわすつもりなのでもう少し簡単なのを、と。

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 新刊で6冊

「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)   図書館で回ってきそうにないので。
「夜のピクニック」(恩田陸) 既読。面白かったので文庫で購入。
「陽炎太陽」(綾崎隼)    図書館になかったので購入。
「ハルさん」(藤野恵美)    既読。男親としては泣ける話。

「リケジョ探偵の謎解きラボ」(喜多喜久) この人の新作はとりあえず買う。
「短編学校」(アンソロジー) 学校をテーマにした短編集。書店店頭で気になって。

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 以下、古本で5冊

「ゴールデンスランバー」(伊坂幸太郎)
「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健)
「船を編む」(三浦しをん)
「凍りのくじら」(辻村深月)
「和菓子のアン」(坂木司)

「嫌われる勇気」はアドラー自己啓発本でベストセラーになってる。
こっちも図書館で回ってきそうにないので。
他は全て既読。単純に面白かったので手元に置いておきたかった。

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 古本屋さんを使うのは、基本的に「ベストセラー」にしようと思ってる。
図書館で待ってもなかなか回ってこない本。
もしくは、面白かったから手元に置いておきたい本。

 逆に、新刊で買うのは、「対価を払いたい」と思った作家かな。
ファンがちゃんと買わないと、次の本が出ないかも知れないので。(苦笑)

 ただ、シリーズ物だと金額が跳ね上がるのでちょっと苦しい。。w

今回購入した、辻村深月さん、坂木司さん、三浦しをんさん、恩田陸さん。
このあたりは今年の上半期で結構読み込んだ作家さん。

 でも、もっと読んでるのに買ってない作家さんもいる。
大崎梢さんと、似鳥鶏さん。この二人、シリーズ物が多いので、
買おうと思うと大量になってしまうから、二の足を踏んでしまう。

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 そのうちブログでも書くつもりだけど、
今年上半期、個人的に一番のヒットは香月美夜さんの
「本好きの下剋上」シリーズ。
これがソフトカバー単行本で、長編のシリーズ物……。
購入するとかなりお金かかるし(10冊で1万円くらい?)スペースも取る。

 それなら電子書籍かな、とも思うけど、
そもそもネット上で全て公開されているという。(苦笑)

 非常に対価の払いにくい作品だと思う。w

 しょうがないから、ふぁんブックでも買うかなぁ。

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 次に大量購入するのは年末の予定。
もちろん、ちゃんとボーナスが出れば、の但し書きはつくけど。

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「きみの膵臓をたべたい」ほか。住野よる

 書籍、というか作家の紹介。
(今回、ネタバレはほとんど書かないつもり)

きみの膵臓をたべたい」という恐ろしくインパクトのある名前の小説がある。
本にとって、タイトルは大事。大したことない話でもタイトルがよければ売れるし、
どんなにいい話であっても、タイトルが目立たないと読んでもらえないことも。

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 昨年読んだ中で、「なんだこのタイトル」とインパクトがあったのは、

ぼくは明日、昨日のきみとデートする」タイトルが激しくネタバレ。w

ちょっと今から会社やめてくる」現在映画公開中。

これは経費で落ちません!」これはちょっとタイトル詐欺だった。

砕け散るところを見せてあげる」このタイトルじゃなきゃ読まないな。

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ちなみに、上から順におススメ。でも、タイトルのインパクトだけなら、

きみの膵臓をたべたい」(住野よる)

がナンバーワンだろう。(リンクはamazon)
住野よる氏は、これがデビュー作になるんだけれども、
あれよあれよという間にベストセラーになり、昨年の本屋大賞2位
この夏に映画化が決まっている。

 私の感想は、「とにかくわかりやすく泣かせにくる本」だということ。
高校生の青春モノなんだけど、ヒロインは難病を抱えていて、
いつまで生きられるかわからない。
 主人公は、内向的な(友達の少ない)男子高校生で、
なぜか、彼だけがヒロインの病気の事情を知ってしまうことになる。

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 ちょっとご都合主義な気もするけれども。(ラノベくさいという批判もあるし)
でも、この「きみの膵臓をたべたい」というタイトルは素晴らしい
初めにこのタイトルありき、という一発ネタかも知れないけれども、
この訳の分からない言葉に共通の「意味」をもたせるのはすごい。

 西加奈子さんの直木賞作品、「サラバ」に匹敵するかも。w
あの作品でも「サラバ」は、主人公と親友だけに通じる特別な言葉だった。

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 で、こんな作品でデビューして、果たしてこの人大丈夫なのか、と。
ネタ一発で終わるんじゃないかと思っていたが、ちゃんと本を出している。

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 二作目は、
また、同じ夢を見ていた

 こちらはうってかわって、小学生の女の子が主人公になる。
(この辺も、西さんとかぶるな、と思った)

 おませな小学生が、「人生とは」「幸せとは」という課題に立ち向かう。
少しファンタジーが入った話だった。
(ってか、タイトルで夢オチなのがばれてるんだが。w)

 ただ、小学生が読んでわかるかというと難しいかも。(苦笑)
この作品で、住野さんは、少なくとも一発屋ではないことを示した

 人によって評価の分かれるのは当たり前だけど、
むしろ、「キミスイ」よりもこっちの方がいい、という人もいると思う。

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 で、三作目。これもインパクトは強烈
よるのばけもの

 主人公が夜になると化け物に変身してしまうという、
もはや日常どこいったよ、みたいな話なんだけどね。w
でも、昼間は普通の男子中学生だったりする。

 前の二作と比べると少し読みにくかった。(嫁は断念した)
テーマが重い。こんなタイトルで、ありえない設定なのに、
テーマは「いじめ」なんだ。

 もうここまでくると、ただのエンタメ作家ではないね。
私は、この話が一番衝撃的だった。
え、この人、こんな話も書けるの、と。

 「よるのばけもの」は、一作目とも二作目とも全く印象がかぶらない。
それでいて、話題にはなる。まさに問題作。
(さすがに映画化は無理だろうが。w)

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 で、この春に出た最新作が、

『か「」く「」し「」ご「」と「』

 タイトル書きにくいな、これ。
なんでタイトルの最後、『「』で終わるんだろう?
(実はこれ、作品を最後まで読んでもわからんw)

 小説を「書く仕事」みたいなエッセイかと思ったら、全然違う。
今度は、(少し特殊能力のある)5人の高校生の群像劇

 私の感想では、これが一番「読みやすかった」
高校生っていいなぁ。w

 これは、雑誌で連載された作品らしい。
それぞれが主人公で5編、連作短編集。
京、ミッキー、パラ、ヅカ、エルの5人。
個人的には「ぱっぱらぱー」のパラが好き。
(たぶん、同じ意見の人は多いと思う)
どう見てもおかしな人なんだけど、
パラ目線の話があるので、ただの変人でないことがわかる。

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 ここまで、全部図書館で読み通した。
(「きみの膵臓をたべたい」は文庫化したから購入した)

 うーん、タイトルは一発屋だったけど、
この作家さんは全然一発屋じゃないよ。

 全体を通して、中高生向けの作品だとは思うけれども(苦笑)
別に大人が読んでも問題ないと思う。
現在進行形で、生まれつつある作家さん、かな。

 デビューから4つ全部読んで、「ハズレ」がない、というのはすごい。
次はどんな話を書いてくれるのかな。どれだけ引き出しもってるかな?

 私が次回作を楽しみに待っている作家さんの一人になった。

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「異世界薬局」

 最近読んだ書籍の紹介。

「異世界薬局1」(高山理図)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01AXD9RPC/

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 よくある異世界転生ものファンタジー。
これも、「小説家になろう」サイトからの作品。
このサイト初の作品は「なろう系」の作品と言われていて、
素人による駄作も多いんだけれども、稀にすごいのが入ってる。

 ネット発の作品で、私が最初に読んだのは「まおゆう」だけど、
今思えば、あれが結構典型的な話かもしれない。

 現代の知識を、そのまま中世風ファンタジーに移植して
活躍する、という話なので。

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 最近読んでいるのが、「本好きの下剋上」シリーズで、
これも、本好きの女子大生が中世風ファンタジー世界に転生して、
現実世界の知識をいかしつつ本作りに邁進する話。

 正直、今回紹介する「異世界薬局」よりも、
こっちのシリーズの方が圧倒的に面白いんだけど、
非常に長い話だし、まだ完結もしてないので割愛。

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 で、その手の「よくある」異世界転生ファンタジーに、
最新薬学知識をもって、中世風ファンタジーに薬剤師として転生する、
ってのが、「異世界薬局」である。

 転生モノに耐性があって、薬剤師ならこれは読むしかないでしょう。(苦笑)
(転生モノはある程度慣れてる人じゃないと拒否反応おこすと思う)

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 まだ1巻しか読んでないけど、なかなかぶっとんでて笑った。

 主人公の能力がチートすぎる。
(※チート:プログラムを不正に改変して、自分のキャラを異常に強くすること)

 現代薬学の知識があるだけでも十分ズルいのに、
物質生成から消去まで思いのまま。この世界では「神」クラスの力をもつ。

 なんせ、物質名に構造式を思い浮かべればその物質を作れるっていう。
確かに、その能力がなければ現代薬学を利用しにくいとは思うけど、
それにしても反則でしょ、それ。

 私が(一人で)大爆笑した、主人公ファルマの初めての薬物合成シーンを
少し長くなるが引用してみる。水疱瘡にかかった妹、ブランシュのために
抗ヘルペスウイルス薬を合成するシーンだ。

 以下、引用

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 物質合成はファルマの脳内イメージに完全に依存している。
だから間違いのないよう、よりリスクの少ない、つまり単純な化合物を合成したい。

 アシクロビルはヘルペスウイルスのDNA合成を阻害することにより増殖を
抑える薬剤だ。その薬自体は比較的簡単な構造の化合物だった。

「プリン骨格に、非環状側の側鎖の……」

 物質名、そして構造を脳裏に正確に思い浮かべる。出来上がったイメージを、
そっくりそのまま左手に伝え、写し取っていく感覚だ。構造に間違いがあっては
ならない。別の薬剤になってしまわないよう、細心の注意をはらって合成する。

 ファルマの左手の、薬神の聖紋とロッテやエレンに呼ばれた疵が、
青白く発光した。

「"2-アミノ-9-(2-ヒドロキシエトキシメチル)-3H-プリン-6-オン」
物質名を唱えてみる。そして次に一般名を唱える。
(”アシクロビルを合成")

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 引用終わり。(改行位置は引用者が変更)

 いやこれ、ヤバイっしょ。
アシクロビルのIUPAC名を唱えるとか。こんなもんわかるやついるか、と。w
これは、薬剤師や薬学生でなければ笑えないと思うが。
 物質の構造式を頭に思い浮かべてそれと同じ物を合成できるって、
どんだけヤバい能力なんだよ。ww

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 ただ、残念ながら物質名が出てきたのは、1巻の中でここだけ。
あとは一般名だけになっていったし、後半になるとそれもなくなってきて、
単なる異世界ファンタジーに成り下がってしまった。

 一応2巻も図書館で予約してるから読んではみるけれども、
面白くなければもういいかな、という感じ。

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 作者の高山さんは医療系の研究者らしい。
そうでなかったらこんな話は書けないだろうから、当然か。

 薬学系の知識を抜きにして、単なる転生異世界ファンタジーとみると、
私には駄作にしか思えなかった。ご都合主義、安直、二番煎じな感じ。
私もこの系統は時々読むだけで、詳しくはないけれども、
そっち方面が主戦場の読書家さんからみたらどうなんだろうね?

 キャラのデザインが萌え系でかわいいから、そっち方面の需要はあるかも。
個人的にはその辺、あんまり興味ないので。(苦笑)

 ただ、かなり尖った能力で、(一部の)同業者には受けるんじゃないか。w
色々な人が作品を発表してるので、本来なら商業ベースにのらないはずの
ニッチな本でも、出版されることがある。

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 これ、コミカライズ(コミック化)もされているので、
文章読むのが苦手な人はそっちの方がいいかも知れない。

http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/

 絵にされると萌え系の設定がより活かされていると思う。w

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「女子的生活」

 書籍の紹介。

女子的生活」(坂木司)

 上記リンクはamazon。

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 今年(といってもまだ三カ月足らずだが)一番衝撃的だった本。

 (少しだけ)ネタバレも書くつもりなので、
嫌な人は、ここから先を読まないで欲しい。

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 もともとは、アンソロジー集で読んでいた。
この部屋で、君と。」(リンクはamazon)

 (自分にとって)新しい作家さんを発見するのには、
アンソロジー集を読むとよい。

「この部屋で、君と」は、同じ屋根の下で暮らす二人をテーマにしている。
執筆陣が豪華で、面白い話が多かった。

 越谷オサムさんとか、読んだことなかったけど、なかなか強烈な話だった。
短編のオープニングが女の子の渾身のジャンプングニーパッドとか。w

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 で、この「女子的生活」も第一話は、アンソロジー集で読んだ。
(もちろん、本当の初出は雑誌に掲載されたものだけど。)
ものすごく引き込まれる話だった。

 調べてみると、続きも書かれて単行本になっていたので、
図書館で予約して借りた。(結構時間かかった)

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 そろそろ、ネタバレ解禁

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 まぁ、一話目の半分もせずに出てくる話だし、
この話の肝でもあるので、この設定を話さずにこの本は語れない。

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 主人公の「ミキ」が、普通の、ノーマルな性別ではない。

 本人曰く「一番近いのはトランスジェンダー
これ、つまり一般的なトランスジェンダーですらない、ということだ。

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 LGBT、とひとくくりにして言われることもある。
L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー。

 トランスジェンダーも定義が難しいんだけど、
日本語で言うと、性同一性障害、になるのかな。

 ようは、体と心の性別が違う人。
身体は男性なのに、心が女性とか、その逆とか。
いわゆる、「オネエ」もトランスジェンダーにあたるかな。
(キャラや仕事のためにやってる人もいそうだから微妙だけど。)

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 主人公のミキは、体は男性。心は女性。
だから、トランスジェンダーではあるんだけれども、
さらに、「レズビアン」でもある。

「わかりやすく言うと、私は女の子になって女の子とカップルになりたいの。」

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 文章だけの小説だから、成り立つ部分はあると思う。
映像にしたら、さすがに無理があるんじゃないかと。(苦笑)
文章だけで読むと、ミキはとても女子力の高い女子であるからして。

 女の子が大好きで、女の子になりたくて、
実家から離れて女の子ライフを満喫している。それがミキ。

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 どこまでリアルだかわかんないんだけれども、
この設定が、割と周囲に受け入れられている。

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 成り行きでミキと同居人になってしまった男性の後藤は、
色々と衝突はあるけれどもそのたび「学習」して、
ミキと「友達」になる。

 (最後には、「俺の大切な友達だ!」と叫ぶ。)

 また、職場の同僚も、ミキをほぼ「女友達」として扱っている。
同僚のかおりのことを、ミキは、友達として最高に好き。と書いているし、
実際に二人の関係は、女友達(というか戦友に近い)。

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 もちろん、偏見もあるんだけれども、ミキは強い。
あくまで自分の道を貫いていく。そこがかっこいいんだけど。。

 ちょっと、女子が怖くなってしまう本でもある。w

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 合コンや、それに近いようなシーンが結構でてくるんだけど、
その辺の女子の戦いぶりが、怖い。
単純な男子には全く理解できんわ。(苦笑)

 ミキは、合コンには「女子」として参加することが多い。
(中には、男性だとばれて参加するパターンもあるが)

 それでいて、ターゲットは女の子なので……。

 参加者の中で一番かわいい女の子を、
(見た目)女子のミキがお持ち帰りに成功する、なんてシーンもある。w
いや、それは男性陣(つーか他の女性陣も)ドン引きでしょ。(汗)

 見た目女子のミキは、むしろ男子よりも簡単に女子と仲良くなれる。
もちろん、真剣な交際に発展させるのは非常に難しいだろうが。(苦笑)

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 性別、ジェンダーなんて人それぞれ。
本当に、これくらいノーマルからかけ離れた人もいるのかも。
ひと昔前なら、「変態」で片づけられたかも知れないけど、
今日なら、十分、物語として成立するようになってきたのかも。

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 ただ、気になるのは、「友達」と「恋愛」の差。

 ミキから見れば、男子の後藤も、女子のカオリも友達。
ってか、それだけ好きなカオリが恋愛対象にならないのはなぜなんだろう?
と考えてしまった。友情が成立しているしなぁ。

 これは、男女の間にも友情が成立するか?という問題になるのか?

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 ミキの身体的特徴(トランスジェンダー)を取っ払った方がわかりやすいか。
ようは、レズビアンの女性にとって、親友って恋愛対象じゃないのか?
ゲイの男性にとって、男性は全て恋愛対象なのか?

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 うーん、わからん。w

 やっぱり、男女の友情は成立するのか、ってのと同じ問題になるのかな?

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 坂木さんの他の本もいくつか読んだ。
「和菓子のアン」が面白かったんだけれども、
この作品にも「乙女」な男子の同僚(立花さん)が出てくる。w

 ただ、立花さんは乙女系で女子っぽいけど、女子になりたい訳ではないし、
黙ってればイケメンということだから、ミキとはだいぶ違うなぁ。

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 ちなみに、作者の坂木さん、性別は非公開である。

 

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「火花」

 書籍の紹介。

 少し前に芥川賞を受賞した話題作、「火花」
リンク←amazon)
昨年の末に(ブックオフで)購入していた。

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 (見る気はないけど)いま、ドラマ化されているらしい。
あと、驚いたことにもう文庫化されている。
単行本が文庫になるタイミングってのは、出版社の自由なんだけど、
2年前に発売されたとこなのにもう文庫化って。かなり早いと思う。
(それより前の西さんの直木賞作品「サラバ」は、
 まだまだ文庫化の気配がない。)

 著者である又吉さんが2作目の長編を発表するという話もあり、
ドラマ化と併せてまた話題になるので、この売り時を逃すな、って
ことなんだろう。

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 でもね、もともと中編小説で、単行本でも150pほどしかない。
(物理的に)かなり薄い本だったんだけど、
それをさらに文庫にしたらもっと薄くなるんじゃないか。(苦笑)
 文庫の方には、受賞記念エッセイを追加で載せているらしいけど。

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 たった150pの薄い本である。ただこれが、「重い」
文章を読みなれていない人だと、読み切るのも大変じゃなかろうか。(苦笑)
私の感想は、「純文学ってこんなに重いんだ」という、内容と関係ないところ。

 私は、いわゆる「ライトノベル」そのものはたまにしか読んでないけど、
ラノベよりの軽い大衆小説を主戦場にしているので、
久々に純文を読むと、非常に重く感じた。

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 「重い」というのは、テーマという訳ではなく、読み進めるのに時間かかると。
多分、普段の倍くらいの時間がかかっている。(薄いのに!)

 言葉が重くて意味を考えながら読み砕いていくから、
それだけ時間がかかったのかなぁ、と思う。

 おそらく、話題作だから買ったはいいが、読み切れなかったという人も
結構いるんじゃないかと思う。w

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 これ、いわゆるタレント本とは訳が違うよ。
「作家」又吉が、真剣に純文学やった結果の作品だわ。

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 と、ここまで内容については何一つ触れていないな。(苦笑)

 この作品「火花」は、作家でなければ書けないんだけれども、
同時に、芸人でなければ書けない小説になっている。
ようは、「作家」であり「芸人」である、又吉にしか書けない話と言うこと。

 売れないお笑い芸人徳永が、さらに独創的な笑いを目指す先輩、神谷に
あこがれて上京する、という話。
「笑いってなんやねん?」という話を真摯に書いている。

 本職のお笑いだけあって、これがリアルだ。
実際にモデルがいるんじゃないか、と思うんだけど。
いてもおかしくない。

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 ネタバレはあえて書かないが、
ラスト近く、「スパークス」の漫才の内容は、本気で感動する。

 そこからのラストがあまりに衝撃的で、
受け付けない人もいるんじゃないかと。
そこで終わっとけばええ話やなのに、なんでこんなことするかな、と。w

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 でも、それが先輩芸人である神谷の真骨頂だと思う。
神谷にとっての笑いの哲学は、そうなっているから。
既成のものを破壊すること、それが笑いなんだろう。

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 さて、興味は発表されるという二作目なんだけど。
どれほどのものを書いてくれるんだろうか。
作家としての評価は、二作目で定まるだろう。
 「火花」はよくも悪くも全身全霊を使って書いた話だったので、
これ、又吉は二作目かける余力あるのか?と不安になっている。
実際、2年も開いてしまっている訳で。

 やっぱり、一作目以上の作品。それも長編を望まれるから。

 興味はあるけれども、いきなり買うことはないかな。w

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「吾輩も猫である」

 2月22日は、ニャンニャンニャンで猫の日らしい。

最近読んだ本で、猫にまつわる本があったので紹介する。
「吾輩も猫である」(リンク←amazon)

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 2016年は、夏目漱石生誕後150年。没後100年だったそうだ。
そこで、新潮社が漱石の代表作、「吾輩は猫である」にちなんで、

 「猫の1人称小説」のアンソロジーが発表された。
作家陣が異常に豪華。

 赤川次郎/新井素子/石田衣良/萩原浩
 恩田陸/原田マハ/村山由佳/山内マリコ

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 なぜか直木賞作家の荻原さんは4コマ漫画なんだが。w

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 赤川次郎氏は、私が中高生の時に大量に読み込んだ作家さん。
20年ぶりくらいで読んだけど、普通に面白いわ。
ってかこの人の作品数って尋常ではないと思う・・・。

 昨年からガッツリ図書館で本を借りるようになって、
お気に入りの作家さんの本は、ほとんど借り切ってしまって、
また、違う作家さんに手を出して・・・というサイクルになっている。

 以前にも書いたことのある、有川浩さんとか、西加奈子さんとかって、
せいぜい30冊やそこらだから、1年でほぼ全部読み切ってしまってる。

 赤川さんは、ウィキペディアによると2015年時点で580冊。
多い時に年で20作以上とか。もはや人間業とは思えないな。

 「三毛猫ホームズ」シリーズが有名だけれども、
あれは猫の一人称じゃないしなぁ。w

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 それぞれの作家さんがそれぞれの特色を出して、
猫の一人称小説を書いていて面白かった。
ただ、何作か続けて読んでいくと、やっぱり似たような感じになる。
なぜか、ほとんど雌猫が主人公だったし。

 そもそも、「猫」とはこういう感じ、というステレオタイプがあるので、
どれだけ色をつけても基本は同じような感じになってしまうのかな。

 一番偉大なのはオリジナルの夏目漱石じゃないだろうか。
子どもの頃に読んだきりだけど、再読したくなった。w

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 この本をソファに置いておいたら、子供たちが(少し)読んでいた。
表紙がかわいいから読みやすいというのはあるけどね。

 息子は、萩原さんの漫画を読んでいた。あれなら読めるわ。
娘は、活字のところを結構読んでいたけれども・・・どうなんだろう。
これくらいの本なら、頑張れば読めてしまうんだろうか。

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 ただ、最後の山内さんの作品はちょっと18禁なところがあるので、
そのまま読ませるわけにもいかず。(苦笑)

 それくらいなら、夏目漱石の「吾輩は猫である」の方がいいように思うが、
あれはあれで、時代背景を理解できないと難しい……。
まぁ、いつか読んでくれたらいいけどね。

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「検査値×処方箋の読み方」

 本の紹介

「検査値×処方箋の読み方」
リンク←Amazon)

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 血液検査などの検査値を処方箋に書いてくる病院がある。
(まだまだ、数えるほどしか見たことがないけど)

 腎障害や肝障害等の副作用って、基本的には血液検査しないと
わからないんだから、薬の副作用をチェックするためには、
検査値があった方がわかりやすい。

 また、薬によっては腎機能や肝機能によって用量の調節が必要な
ものもあるので、そこをチェックするためにも検査値は必要。

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 ということで、処方箋に検査値を載せてくる病院が出てきた。
(さすがに大病院が多いかな。個人の医院では無理だろう。)

 保険薬局の薬剤師も検査値をチェックして、
副作用や処方内容の確認を行うべき、という流れなんだろう。

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 といっても、今までまともにそんな勉強をしていない薬剤師も多い。
そんな薬剤師にとっては、検査値書かれたところで、
プレッシャーにしかならなかったりする。(苦笑)

 恥ずかしながら私もそれほど詳しくなかったので、
この本を買って勉強してみた。

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 内容はかなり難しいところもあるけれども、
実例が多いので、検査値をどう活用するのか、想像しやすい。

 もっとも、疑義照会の実例を果たして自分ができるのか、
と考えると、なかなか難しいと思うんだが。(苦笑)

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 印象に残った内容としては、

1、とりあえず、腎機能、肝機能をチェックする。

 保険薬局にくる患者さんとしては、ここが一番多いと思う。
白血球や貧血なんかは、抗ガン剤治療してると問題になるけど、
町の薬局ではそれほど調剤することないし。
 凝固能に関しても、ワルファリン自体の使用頻度が下がってるし。
町の薬局では、腎機能、肝機能のチェックができれば十分かな、と。

2.添付文書を熟読する。

 特に腎機能に問題がある場合、どのように減薬するかなどは、
たいてい添付文書にちゃんと書いてある。
疑義照会の実例も、ほぼ添付文書の内容からになる。

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 という訳で、なかなか勉強になった。

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 ただ、まだまだ検査値を書いてくる病院は少ない。
もうちょっと時間が経てば、もっと多くの病院が書いてくるかも。
勉強するのは、それからでもいいかも知れない。

 また、後になればなるほど、もっといい本がでてくるかも。w

 現時点では、この本は(自分の中で)かなり高評価だけど、
何年も経てば、もっといい本が出てくるかもしれない。
本当に必要になるまで、待つというのもアリかもしれない。

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「シャーロットの贈り物」ほか。

 本の紹介。

「シャーロットのおくりもの」(E.B.ホワイト)
リンク←amazon)

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 先月、堺市立図書館主催のビブリオバトルを見てきた。
(投票には参加したけれど、発表した訳ではない。)

 テーマが、「子どもに読ませたい本」。
いい児童書がないか探している私にはぴったりかな、と。
ついでに、ビブリオバトルそのものにも興味があったので。

 結果もアップされているので、リンクはっておく。
https://www.lib-sakai.jp/bibliobattle/record/bibliobattle0029.htm

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 票数は発表されなかったけど、一回目の投票で同票で並んだ。
最終的に勝ったのは、絵本の「おへそのあな」だった。
(これもすぐに図書館で借りて読んだけど。)

 私も(嫁も)「おへそのあな」に投票したけれども、
同票で並んだのが「シャーロットの贈り物」だった。
ただ、このビブリオバトルの趣旨を考えると、(ルールはともかく)
個人的には「シャーロット」の勝ちだったと思う。

 投票者中、唯一の小学生であった娘が「シャーロット」を選んだんだから。w

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 アメリカでは定番(古典)の児童書で、映画にもなってるらしい。
主役、というかタイトルロールの「シャーロット」が誰なのか、
表紙から見つけるのは非常に困難である。
(これ、ビブリオバトルでもネタにされていた。)

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 主役は、子豚のウィルバー。
シャーロットは、子豚の命を救うことになるヒロインのうちの一匹。
最初に子豚の命を救ったのは、人間の少女、ファーン。
小さく生まれてしまった子豚は、世話をするのも面倒なだけなので、
生を受けてまもなく殺されそうになる。

 そこを、ファーンが救う。小さいからって子豚を殺すなんてかわいそう、と。
ファーンが世話をすることを条件に、大人たちは子豚を殺すのをやめる。

 でも、この豚はペットではない。
いずれ、ハムやベーコンになる運命なんだ。
(大人はそれを知っているから、子豚を殺すのをためらわない)

 ハムになる運命の子豚のウィルバーの命を救うのは、
もう一人のヒロインである、シャーロットである。

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 古典的名作らしいので、ネタバレする。読めばすぐわかるし。
シャーロットは、蜘蛛だ。元々の原題は"Sharlotte's Web"

 この小さな小さなシャーロットが、ウィルバーの友達になり、
ウィルバーのために知恵を絞り、命を救うことになる。

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 これが児童文学というのだから、恐れ入る。
作品では、蜘蛛のシャーロットも、子豚のウィルバーも、「人格」がある。
(ほかに、ガチョウやネズミにも。)
でも、この作品の世界も、私たちの世界と同じように、
子豚は食べられる運命であり、蜘蛛も邪魔に思われる運命なんだ。

 「かわいい」と「おいしい」が両立するのがおかしいだろ?
本書の最初のテーマの一つ。
肉を食べるということは、どういうことなのか。
子どもたちにも考えさせる話なんだろう。

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 とはいえ、考えすぎると何もできなくなるのだが。(苦笑)

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 同じビブリオバトルで紹介されていた本が、
まさに同じテーマの本だった。

「ぼくらはそれでも肉を食う」(ハロルド・ハーツォク)
リンク←Amazon)

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 これも図書館で借りたんだけど、これくらい読むのに苦労した本もないな。
それほど難しい話ではないんだけど、話があっちこっちに飛ぶし、
考えるのに頭を使うので……。
これは、子供が「大きくなってから」読んでほしい本だな。w

 人間と動物の付き合い方、倫理、道徳の考え方の本である。

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 人間はこの問題に、一貫性をもって立ち向かうことは非常に困難だ。
例えば、動物虐待。ここでいう「動物」はどこまで??

 ペットである、犬や猫は動物でいいだろう。
じゃぁ、アライグマは?ペットとしてなら可能かもしれないが、
野生化して害獣と化したアライグマを殺したら虐待になるのか?

 鯨を食べるのが許せない人もいる。日本人は鯨を食べる民族だ。
それは文化だし。でも、そうなると、犬を食べる文化も認めなくては。
じゃぁ、ウサギは?ネコは?

 これ、平均的な人であれば、どっかで境界線が引かれると思う。
でも、その境界線の決め方って何?論理的、倫理的なものか?
ぶっちゃけ、「かわいいかどうか」じゃないの?(苦笑)

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 例えば、殺処分されることが決まっている捨て猫。
その捨て猫を、ペットであるニシキヘビに餌として与えることはアリか?

 合理的思考に基づけば、これは「アリ」じゃないか
他の生餌を減らすことができるのであれば、救われる命は多くなる。
動物の命も大事なのであれば、死ぬことが決まっているネコを
餌にするのが合理的じゃないか?

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 ただ、これ感情的に納得できる人間はまずいないと思う。(苦笑)
それが、「一貫性がない」ということ。

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 そういう話が山ほど載ってる。
工業的に生産されているような鶏肉のニワトリの環境はひどい。
生まれてから死ぬまで、太陽を拝むことすらない。閉じ込められたまま。
それなら、牛の方がまだマシじゃないか?
 取れる食肉の量を考えると、牛一頭で済むところを、
ニワトリなら100羽以上殺さないといけない。

 そう考えると、もっとも効率のいいのは、鯨じゃないか、なんて話も。w

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 あと、被害者(?)の数が増えれば増えるほど、無視されがち。
たとえば、たった一匹の哀れな子豚の話には共感しても、
これが一日千匹処理される豚肉の話だと、どうよ?
 被害は千倍なのに、関心はむしろ下がってしまう。

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 とまぁ、そういう話である。
面白いけど、読むの疲れた。ってか、
このテーマなら「シャーロットのおくりもの」を読む方が
よっぽど楽だったわ。w

 娘はまだ「シャーロットのおくりもの」読んでいないみたい。
なぜか、先に1年生の息子がベッドにもっていってしまった。(苦笑)

 まぁ、もう一回借りてもいいし。
この本、今年の読書感想文の候補に考えている。

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