書籍・雑誌

読書記録 2026.6

2026年6月の読書記録
読書メーター

.

6月は20冊読了

小説(新規)10冊、小説(再読)3冊
学術/エッセイ 6冊、その他 1冊。

 今月も20冊。
創作大賞に向けて忙しかったのもあるが、
ちょっと仕事が大変で、なかなか読書まで回らなかった。


今月の3冊

.

まずはフィクション

徘徊タクシー」(坂口恭平)

 認知症を扱った作品を色々読んでいる。
これは、その中でもかなり昔。10年以上前に書かれたもの。
当時の認識で書かれたものなので、古い……と思いきや、
意外にそうでもなかった。

 おそらく、当時の認識でこの発想が出てくるのは、
「ははは、さすが坂口さん、面白いこと考えるね」
くらいのノリだったのではないのかな?

 ところが、現在の知見から見ると、
この当時の「荒唐無稽にみえた与太話」が、
意外といい線行ってたのがわかるから面白い。

.

 認知症老人の徘徊をエスコートするタクシー、という発想が、
時代を先取りしてると思う。
 認知症患者には彼らの世界があり、
その中では極めて正常なんだ、という気づきが元になっている。

.

「認知症の人たちが世の中をどうとらえてるのか?」
という当事者性が明らかになってきたのは、
実は割と最近の話なんだよね。
 それ以前は、もう「認知症になったらすべて忘れる」
くらいのいい加減な認識しかなかった。

 でも、当事者の証言や意見から、どんどんと
「認知症の実態」がわかるようになってきている。

 そうすると、この「徘徊タクシー」で書かれているように、
認知症患者は、彼らの中では極めて論理的に行動していることが
わかってきたんだよね。
 彼らの言葉から、その意味するところを解き明かしていく過程が
面白かったんだけど……残念ながら、ネタが続かなかったのか
短編で終わってしまった。

 これ、この時点で長編にできてたらすごかったのにね。

 
 つぎ、学術系

わたしは盗らないクレプトマニア:
万引きをやめられなかったわたしが、「盗らない生活」を手に入れるまで
(高橋悠)

 クレプトマニア、窃盗症の当事者である高橋さんの本。

 本当に、やめられないんだなあ。
 セクシュアリティの問題とか、摂食障害とか、他にも色々と問題抱えてるけど、
 普通にいい家族に恵まれてるいい人、に見える。

 だからこそ、闇が深いんだろう。
 なぜこの人がこんなことに?自己肯定感の低さとか、認知のゆがみもありそう。
 何かに依存しなければ生きられない。
 それなら、人に依存する方がまだマシなのかも。

 いや、万引きされる方はたまったもんじゃないんだが

.

 いわゆる「行動依存」になるんだけど、
 この人、めちゃくちゃ頭いい人のはずなんだよ。
 それなのに、これだけ認知が歪んでしまってるのが怖い。

.

 私が若いころに聞いたことがある。
「男の性癖と女の盗癖は、死ぬまで治らん」という言葉。
 なんとなくそうなのかな?くらいに思っていたけれど、
これ、めっちゃ当てはまるのよね……。

 もちろん、クレプトマニアには男性もいるだろうし、
異常性癖、性依存症には女性もいるんだろうけれども、
傾向としては、かなり性差がありそうな気がするんだよね。

(もっとも、高橋さんは性別が怪しいけど)

.

 で、この本の「盗癖」のところを、「性癖」で置き換えて
読んでみると、これがもう、とても読めたもんじゃないんだ。
怖すぎて。

 でも、おそらく痴漢とか盗撮みたいな依存症の人って、
クレプトマニアの人と全く同じような思考回路の歪み方してると
思うよ……。

 やめようと思ってもやめられないって。

.

 3つ目は、ノンフィクション

子どもを育てられない親たち(草薙厚子)

 児童虐待のドキュメンタリー。これは、読むのが辛い。
 児童相談所の職員って、よほど強いメンタルがないと
やってられないんじゃないか?
 なんで、こんな親が子ども産むんだ?とも思う。

 そりゃ、虐待が疑われる案件があったら
 少々強引でも安全重視の姿勢で動くわな、と、
 某野球監督の事件を思い出した。

 結局、自分の親のやり方しか知らないから、
 親からそういう扱いを受けていたら、
 自分の子供に対してもそうなってしまうんだよね。

 体罰がダメっていっても、体罰で育てられた人間には
 他の方法がわからないんだ。教育が必要、としか。

.

 あと、怖いのはやっぱり、というか、
境界知能の人(親)が多い、というところ。
偏見になるかも知れないけど。

 ただ、まともに育てる親からは、まともな子が育つ。
そうでない親に育てられると、そうでなくなる。
特に、子育てに関しては。

 自分の親のやり方が、一番の手本になるんだよね。
他のやり方は、自分から学びに行かない限りわからんもん。

 知らないこと、教えてもらう機会がなかったことは、
罪になるのか?

 子供の前で夫婦喧嘩しちゃダメ、それも児童虐待になる。
……いや、これは知らん人も多いんじゃないかな。
私はしないし、うちの親もしない人たちだったけど、
そうでない家庭に育ったらこれはわからんと思うよ。

| | コメント (0)

読書記録 2026.5

2026年5月の読書記録
読書メーター

.

5月は20冊読了

小説(新規)10冊、小説(再読)1冊
学術/エッセイ 8冊、その他 1冊。

 今月も20冊。
創作に忙しかった・・・わけでもなく、
他(懐かしのゲーム)に気を取られていたからだったりして。

 

今月の3冊

.

まずはフィクション

エピクロスの処方箋」(夏川草介)

 今年の本屋大賞4位。
 スピノザの診察室の続編になるけれども、
これ単体でも問題なく読める。

 古き良き医師と、働き方改革とは。大学医局との付き合い方。
 医師たるもの、すべてをなげうって医療のために尽くすべき、
という考えもわかるが、そうはいっても医師にも生活がある訳で。

 どれが正解という訳でもないんだよな。
研修医に残業させるなというのはどういうことだ?と
叫ぶ教授の気持ちもわかる。

 それでしわ寄せ食ってるのは、一番大変な世代じゃないか、と

.

 最後の展開は、いかにもフィクションの王道だけど、
まぁ、こうでなくっちゃ、というところはあるよね。
天才的な腕を持つ医師が、ライバルと協力して何とかする。

 神様のカルテシリーズでは、最終的に大学医局に戻ったけど、
本作はどうするのかな?
中学生になったとはいえ、子育てというハンデ?があるので、
簡単に大学には戻れないんだよなぁ。

 医師に限った話ではないけれども、
誰もが目を見張るような業績を残すためには、
家庭を省みる余裕はなかったんだよね。

 でも、それでいいのか?というお話。
難しい。

.

 つぎ、学術系

医療機関のサイバー対策」(大阪急性期総合医療センター)

.

 2022年の秋にサイバー攻撃によるシステムダウンで、
大惨事を引き起こした大阪急性期・総合医療センターの話。

 あの時は大変だった。お薬手帳をコピーした処方せんとか。
 めちゃくちゃ混乱してたよね。

 追加コストをかけて安全性強化するよりも、
 基本的なことを徹底する方がはるかに効率的で安上がり。

 全パスワード使い回しとか、全職員管理者扱いとか。
 今から思えばそりゃあかん、ってわかるけど、
 危機意識が全然なかったからだろうね。

 失礼ながら、めちゃ面白かった。

.

 院内のシステムは、外部から切り離されてるから大丈夫、
という根拠ない安心感があった。

 クラウド上にバックアップデータがあっても一緒に暗号化されるから無意味。
全端末(2000以上)の初期化に三週間かかってる。
もはや、紙のカルテとか書いたことないスタッフが多数。
ネットにつなげなくても、仕事にパソコンは必要らしい。

 DACS(診療記録文書統合管理システム)が、
電子カルテとは違うセグメントにあったので、被害を免れていた。

 システム復旧するまでは、それだけをあてにしていた。
患者さんに連絡とろうにも、電子カルテにアクセスできないから電話番号がわからない。
また、ほぼすべてがオンラインマニュアルになっていたので、
そもそもマニュアルが見られない、という事態にもなった。

 もはや、喜劇だな。
 システムが使えなかった間の診療記録のデータは膨大な量になり、
システム復旧したあとにそのデータをサーバに取り込むのに二年近くかかっている。

.

 この話があまりに面白かったので、
これをベースに短編小説を書いてしまった。w

 

 電子カルテが消えた日(切手ゆうひ)

 これは、TALESに連載した。
(遊びで、)創作大賞に応募していたりする。
 明確に元ネタがある話を発表してもいいのか?と思うけど、
真面目なテキストだけではなく、エンタメにした方が伝わりやすいこともあるかなぁ、と。

.

 3つ目は、フィクション

心を持つAIは作れるのか? いや、そもそも人に心はあるのか?」(前野隆司)

.

 ようするに、タイトルそのまま。

 AIが心を持つ以前に、人に自由意志はないんじゃない?
そもそも、人の心って何?という話。

 科学的というよりは哲学的。

 私たちの脳は、自分に自由意志があるように錯覚させているだけで、
実際は無意識のうちに色々きまってるんじゃないの?という仮説。

 ただ、それで幸せかどうかは別問題。
自分に自由意志が存在しないのであれば、そんなに悩むことないんじゃない?
という楽観論と、自由意志がないなら、努力する必要もない、とする話も。

 面白いけど、私がこの本を選んだのは自由意志なのか?

.

 心や意識といっても、神経細胞の興奮に過ぎないし、
記憶にしても、あとから自分で改ざんすることが可能。
つまり、「これは自由意志によって自分で決めた」と
勝手に思い込んでいるだけかも知れない。

 AIが心をもてるか?という議題を
ちゃぶ台がえしするような話である。(苦笑)

 ただ、感覚的には否定したくなる気持ちもわかるな。
それを言っちゃぁおしまいよ、というか。
「自由意志によって決定してきた」という記憶で
自分の精神の安定させているところはあると思うから、
この説を認めると、精神的に不安定になるんだよね。

 信仰に近いかも知れない。
科学が神を否定しても、信仰は崩れないように。
 科学が自由意志を否定しても、
信じ続ける人の方が多いんじゃないかな?

 

| | コメント (0)

読書記録 2026.4

2026年4月の読書記録
読書メーター

.

4月は21冊読了

小説(新規)13冊、小説(再読)2冊
学術/エッセイ 5冊、その他 1冊。

 今月も20冊オーバー。
だいたい、このくらいの数で安定してきた。

 

今月の3冊

.

まずはフィクション

イン・ザ・メガチャーチ」(朝井リョウ)

 今年の本屋大賞。
 朝井リョウが推し活について書くと、こうなるよなあ。

今、流行りの推し活について知りたいなら是非読んでみて。
そして、朝井さんの気持ち悪さを体感すべき。

「桐島部活やめるってよ」、「何者」、と同じような路線。

おそらく、推し活する人と朝井さんの本を読む人って重ならないのね。
読者からすると、自分では知り得ない世界を朝井フィルターを通して学ぶことができる。

推し活は、とにかく「視野を狭める」こと。
視野を広げちゃだめだ。我に返ってしまうから。
そして、「推せる」物語を提供すること。

 作中では、そのまま陰謀論の沼にハマってしまう人も。
これ、構造が全く同じなのね。
推しのタレントの自殺が信じられなくて、って
これ、実際にあった話だと思う。

 私は、物語よりもファクトを追求したいんだけど。
でも、世の中の動きはそうじゃないんだね。
物語で事実や科学を動かされると困るんだけど……。

何とも言えない気持ち悪さだけど、さすがに本屋大賞だな。


.

 つぎ、学術系

Evidence Update 2026」(名郷直樹・ほか)

.

 毎年読んでいるような気がするけど、
実は去年、読んでない。もういいかな、って思ったんだけど、
今年はさくっと図書館で借りられたので読んでみた。

 
 今年はAIの研究が多く、興味深い。
医師が手紙をAIで書いても、別に満足度は下がらない、とか。
AIが薬を決める場合の妥当性、とか。

 一番笑ったのが、AIを用いて
「患者の無断キャンセル、直前キャンセル」を予測する、という研究。
やらかしそうな人には前もってリマインドを投げる、という対策。

 まともな研究では、ガンに対する運動療法や、
帯状疱疹ワクチンの認知症予防効果。
これ、予想以上に大きい。

.

 ただ、臨床研究自体が難しいところもある。
帯状疱疹ワクチンの認知症予防効果って、RCTできないのね。
倫理的に問題があるから。

 帯状疱疹に対する効果がすでに認められているので、
ここにプラセボを使うことができないんだ。
認知症に対する効果は、まだ未知数のところも多いんだけど、
プラセボ使っちゃうと、帯状疱疹にかかってしまう可能性があって、
それは、いかんでしょ、と。

 運動療法も適切な対照群が設定しにくい。
いわゆる、プラセボが設定できないから、ダブルブラインドができない。
つまり、運動療法を実施していることが、
患者さんにもわかるし、研究者にもわかるからね。
(これを隠すのは難しいだろう)

 だから、「この人は運動している」という情報で効果を判断してしまう
バイアスが避けられないよなぁ。

 とはいえ。
 こういう、コストが低くて馬鹿にならない治療効果、
という方が社会的には重要だと思う。

 数百万円かかるような抗がん剤や、認知症予防薬と同等の効果が、
「運動」とか「ワクチン」で得られたら、社会的影響は非常に大きいよね。

.

 3つ目は、フィクション

明日の記憶」(萩原浩)

.

 2005年の本屋大賞2位。
 若年性アルツハイマーを描いた作品だけど、もう20年前の話。

 本人も大変だけど、周りも大変なんだろう。
当時と比較しても、治療方法は進化してないし、長谷川式も変わってない。

 むしろ変わったのは認知症に対する理解や、
スマホやAIはじめとする情報技術でなんとかなる部分が増えてるよ?

 この部分のアップデートも必要だろうな、と思う。
認知症といっても、人それぞれだし。
みんながみんな、典型的な例をたどるわけでもないよ。

 また、人格が崩壊する、と決まったわけでもない。
ただ、世界の見え方が変わる、と言った方が近いのかも知れない。

 この10年で治療法はあまり変わっていないけれども、
「当事者からの声」が聞こえるようになってきたところが大きいよね。

 私が20年前に体験した事例でいうと、
「この(認知症の)薬、夕方になると効き目が切れる」
 という訴えを、患者さん本人から聞いたことがある。

 また、当時のことを思い返せば、認知症の薬を介護者なしで患者さんだけで取りに来るのは、
「少し困るなぁ」という印象だったのは否定できない。

 これ、今の私なら「何を言っているんだ?」って思うよ。
夕方になると効果が切れる、かどうかはともかく、
朝の方が調子が良くて、夕方になると認知機能が落ちてくる、という訴えだろうし、
認知症の薬を服用している人でも、普通に意思疎通できる人の方が多いよ。

 つまり、当時の「認知症になった人はもう何もわからない」という常識は、
すでに過去のものになりつつあるんだ。

 薬や治療方法じゃなくて、社会の環境、認識の進歩によって、
認知症でも生きられる社会を目指す方がよいだろう。

 

| | コメント (0)

読書記録 2026.3

2026年3月の読書記録
読書メーター

.

3月は22冊読了

小説(新規)9冊、小説(再読)1冊
学術/エッセイ 11冊、その他 1冊。

 今月も20冊オーバー。

 

今月の3冊

.

まずはフィクション

僕には笑いがわからない」(上村 裕香)

 上村さんの本は初めてだけど、M-1にかける若者の話。
大学のお笑いサークルって、本当にこんな感じなのかな。
昔の芸人とのギャップがひどい。

 今は、本当に勉強できる大学生がお笑いやる時代なんだ。
笑いが全くわからない主人公が、一周回って面白い。

しかし、好きな人に振り向いてもらいたいからM1優勝狙いますってのは、
もはやギャグじゃないか?

 人を笑わせるのは非常に難しい。特に小説では。

漫才を小説にしてしまうというのは、なんというか、とんでもない度胸だな、と。
下手したらずっとすべり続けるわけで。そんな怖いことよくできるな。

.

 M-1や漫才が出てくる話としては、
ほかに森バジルさんの「ノウイットオール」や
あとは、成瀬シリーズもそうだね。
 お笑いというくくりでは、又吉さんの「火花」もそう。

 笑いに自信がないとできない、チャレンジングな分野だと思う。

.

 つぎ、学術系

ルポあなたの知らない民生委員」(武井優)

.

 民生委員という言葉は知ってたけど、
ほとんどボランティアなんだ。

 地域のために相談にのるボランティアで人のために尽くす人たち。
渋沢栄一が尽力したらしい。
 ほとんどが高齢者なのは、仕方ないけど、
それはそれで問題だと感じる。

 もはや、人の善意に頼る仕組みは限界じゃないだろうか。

 とりあえず、もっと予算つけようよ。
あと、知られてないのも問題だよね。

 地域のためにできることを考えるけど、私には無理だな。
多分、抱え込み過ぎると思う。

.

 こういうのって、地元の「名士」みたいな人がやってたのかな。
ただ、そういう環境が残っている地方も少なくなってるんじゃないか。
 欧米なら、こういうのは教会や、宗教の役割なのかも。

.

 3つ目は、児童書?

逃げる田中」(石川宏千花)

.

 一発ネタのような児童書。
一応、中学生の『ドクター』こと以印が、
なぜかいつも逃げてる田中さんの生態を知っていく話、という。

 ボーイミーツガール?といえなくもないが、
結末があまりにもぶっ飛んでいて笑える。

 宇宙人のような田中さんを、一般人の以印が眺める、
というありきたりな設定だけど、

 なぜか餃子が好きだったり、Gが嫌いだったりという、
普通の女子のような特徴も持ってるのが、不思議。

 あまりにもシュールな話なんだけど、これ。
ネタバレしてもいいかな?嫌いな人はブラウザバック推奨。

.

.

 以下、ネタバレ。

.

 田中さんの正体は、惑星の生まれ変わり。

惑星が人間に転生した、っていうんだから。

「渦を作っておかないと、
私のなかの水素が金属になっちゃう。」

 意味わかんないでしょ?
これが中学生向けの児童書らしいよ。

 本当に、何食べたらこんな設定思いつくんだか。w

 

| | コメント (0)

読書記録 2026.2

2026年2月の読書記録
読書メーター

.

2月は2冊読了

小説(新規)8冊、小説(再読)2冊
学術/エッセイ 6冊、その他 4冊。

 毎月20冊くらいで安定してきたかな。
今回、スキージャンプの小説を書くにあたって、
参考資料を3冊ほど読み込んだ。
 読まなきゃいけない本がどんどん増えていく。


今月の3冊

.

まずはフィクション

サイレント・ウィッチ」(依空まつり)


 友人から勧められた作品。
私は小説を創作しているけど、この手のラノベはあまり読まない。
全く読まない訳ではないんだけれども。
 面白いらしいので読んでみた。

 コミュ障でチート級に強い魔女が、
なぜか学園に潜入して、素敵な王子様をそうと気づかれずに護衛する話に
悪役令嬢がついている。

 なんだこのテンプレてんこもり設定は、と思うけれども、
それが面白いんだから仕方ないよね。

 私は昭和の人間だから、
古き良き少女漫画の歴史を踏襲しているように思えるし、
ハリーポッターっぽくもあるし。

 まだ一巻しか読んでないんだけれども、
チート級に強いところって、プロローグだけなんだよね。
他者目線だったからわかりにくいし。
 今のところ、魔女というより数学者なんだが。w

「人としゃべるのが苦手だから、無詠唱魔術極めました」
っていう設定がバカすぎるんだよなぁ。(誉めてる)

 一巻はKindleUnlimitedで読んだけど、
続きはぼちぼちと図書館で借りて読む予定。

.

 つぎ、学術系

陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点
(黒猫ドラネコ、ほか)

.

 2月には衆議院選挙があった。
黒猫ドラネコさんは、「参政党ウォッチャー」して有名な方で。
主に、参政党を対象とした陰謀論や、排外主義について書かれた新書。

.

 おそらく、今までもこういうのはあったんだろうけど、
分断社会によって目に見えて力を持ってきた。

 特に、政治や選挙の現場で力を持ちつつある。
今まではただの泡沫候補に過ぎなかったのに、
排外主義を声高に叫ぶことで票になることに気づいてしまった。

 参政党には、いろいろな陰謀論者が集まってきている。
どうすればいいんだろうね。

 間違いなく言えるのは、陰謀論者はこの本を読めない、ということ。

.

 一番衝撃的だった文章はこれ。

「移民政策反対デモの中に、必ずと言っていいほど、
 もっとたくさんの外国人労働者が日本にくればよい、
 と主張する人が混じっている。
 これは、書き間違いではない。」

 うん、意味わからないよね、これは。
作者が「書き間違いではない」と注釈するほどわからない。

 どういうことか、というと、

 彼らは、自分たちが矛盾したことをしている認識がない。
いや、となりに住んでるパキスタン人はめっちゃいい奴だよ、
と言いながら、移民政策反対デモに参加する。

 その行動が矛盾していることに、まるで気づいていない。

.

 ようは、わかりやすい敵がいて、
それを解決するストーリーであれば、内容なんてどうでもいい、
ってことらしい……。

 今まで、こういう層は政治に興味がなかったから、
見えてこなかったんだと思う。
参政党のすごいところは、こういう「政治に無関心な層」の票を、
ナラティブだけで掘り起こしたところにある。

 政策の正しさとか、まったく関係ない、見ていない。
これちょっと、どうすればいいのかわからなくなってしまった。

 逆に言うと、今まで既存政党が無視していた人たちに目を付けた
参政党がうまい、とも言えるんだけど。難しい。

.

 3つ目も学術系で。

地政学が最強の教養である “圧倒的教養”が身につく、たった1つの学問
(田村耕太郎)

.

 流行りの地政学の話。
 プーチンや習近平のロールプレイをすることが地政学の本質だという。
善悪判断は別にして、相手の立場を理解することが必要だということ。

 アメリカは圧倒的に有利な島国。
すべての資源が自給自足できるから、孤立主義に陥りがち。

 中国、ロシアはランドパワーの大国。

 北極海航路のことがでてきたなぁ。
グリーンランドが話題になってる理由はこれだよね。

 しかし、どこまで信じていいのかわからん話もちらほらある。
地理と歴史から学べるところはあるが、
未来予想ができるかは別の話だろう。

 中国が海洋進出できるかどうかが、今後のカギになりそう。

.

 地政学的には、中東ってどうなってるんだろう?
複雑怪奇というか、カオスというか。
 あそこは、地政学的に、というよりも
歴史的、民族的に手の施しようがなくなっている気がするなぁ。

 イスラエル、イランだけじゃなくて、
アフガニスタンとパキスタンも衝突始めちゃってるし。

 どうやっても解決しそうな気がしなくなってきた。
とりあえず、トランプさんを誰か止めてくれよ。
あの人が好き勝手やるから、他が止まらないという側面がある。

.

 なんか、世界がよくない方向に進んでいっている。
考えすぎても暗くなるばかりだから、よくないね。

 

| | コメント (0)

読書記録 2026.1

2026年1月の読書記録
読書メーター

.

1月は22冊読了

小説(新規)12冊、小説(再読)1冊
学術/エッセイ 7冊、その他 2冊。

 創作のために頭を使っていると、
本を読むエネルギーが残っていないことが多い。
先に本読んでから創作活動しないとな。

 頭が疲れてくると、本も読めなくなってくる。
創作にはインプットも必要だから、
そこはバランスとる必要あるね。

今月の3冊

.

まずはフィクション

今日の日はさようなら(完全版)」(一穂ミチ)


 もともとは2016年に書かれた作品の再文庫化。
1978年生まれの今日子が、女子高生だった1995年から
コールドスリープに入り、2025年に目覚める話。

 あえて(執筆の)10年後にしたのがすごいな。
そこは「現代」(つまり2016年)でよかったんじゃないの?

 47歳の女子高生なんだけど、
30年間コールドスリープだから、見た目は17歳のまま。
設定にいろいろと無理があるんだけれども、
そこはもう気にしちゃダメなんだろう。

.

 面白いのは、今日子の感覚で。
私がちょうど今日子とほぼ同年代になるのね。
だから、1995年当時の様子が手に取るようにわかる。

 しかし、作中に出てくるゲームは
初代スーパーマリオだと思うんだけど、
当時の女子高生がまだスーパーマリオをクリアできるってのは、
今日子、相当なゲーマーだぞ。w
 おそらく発売当時は小学校低学年だったはずで、
セーブも何もない時代にクリアするのは至難のはずだが。

 でも、攻略情報も何もなかった時代に、
あの8-4は確かにきつかったはずで。
でも、やり込んでいたらちゃんと覚えるんだよね。

.

 ラストの展開は、ちょっと悲しかったな。
もっとこうしたら、とか、こうできたんじゃ?
みたいなifを考えてしまうけれども、
まぁ、この手のSFで普通のハッピーエンドには
できないわな。

.


 つぎ、学術系

TIME OFF」(ジョン・フィッチほか)

.

 タイムオフ。余暇や休暇についての考えかた。
いまはやりの休養学を、さらにもう一歩進めた感じ。

 身体のために休むのではなく、よりよい仕事のために休む。
休むことでアイデアがあふれ、創造性が高まり、生産性も高くなる。
素晴らしい。

 そりゃ、クリエイターならそうかも知れないけど、
普通の肉体労働にはあてはまらないような。

 でも、働くことが良いことだ、という常識を疑うのはいいね。

 たまに、アーティストで長期休業する人いるけど、
長く続ける気ならそのほうがかえって効率がよい、ということかな。

.

 もちろん、「そんなに簡単に休めたら苦労しない」
これは、そう。たぶん、みんなそう。
そもそも、アーティストや知識労働者にしか
あてはまらなそうだし。

 でも、「働くこと」=「よいこと」という常識を
疑ってみるのって、いいんじゃないかな。

.

 ただ、おそらく、原著が書かれたのはchatGPTの前。
AIに関する予測が楽観的にすぎる。
著者らは、誰でもできる仕事がAIに取ってかわられ、
クリエイターが生き残る、と思っていたのではないかな?

 実際に起こったのはその逆なんだけどな。
むしろ、クリエイティブな仕事をしている人の方が
AIの脅威を感じてると思うぞ。

.

 あと、私は余暇で創作活動を楽しんでるけど、
これは、仕事なのか、余暇なのか・・・?
むしろ、日常の単純作業の仕事の方が、
頭を使っていない余暇なのかも知れない。

.

 3つ目

「普通」ができないADHD脳のトリセツ
(お話タイムの鈴木さん)


.

 ADHDの当事者である鈴木さんが、どうすればミスをなくせるか。
社会生活を無事に送れるかについて書かれたアイデア集。

 もちろん、人によってタイプは違うから、
すべてのアドバイスが役に立つ訳ではないのは前提だけど、
それ差し引いてもものすごく役にたつ本。

 ADHDじゃなく、グレーゾーンの人にも使えるし、
何なら、単に掃除片付けが苦手、というだけの人にも使える。
ようは、自分の特性を知って、それをハックしよう、
ということだから。


 私含めて家族全員、これ読んでくれ、と思った。
今の世の中、工夫すればなんとでもなるんだね。

.

 ADHDに限らず、自分の特性を理解できれば、
対策もちゃんと考えられる。

 カバンの中が気付けばごみであふれてるって、
私やん、、って思った。
 
 鈴木さんは、帰ってきたらカバンを全部からにするらしい。
でもそれすると、絶対忘れものすると思うから、
私はそのアドバイスを実行できないな。
全部いれておけば、忘れることないから。

.

「できない自分」を責めるんじゃなくて、
できないことを前提として、ならどうするか、
と考えていくのが大事。

 仕事の優先順位を決められない、という悩みに対して、
「放置したらヤバい順番から片付ける」ってのが笑った。
「最悪の状況さえ避けられればそれでよい」

 もちろん、人によって対策方法は違うんだろうけど、
そこは、試行錯誤で探っていくんだろうなぁ。

 

| | コメント (0)

2025年読書まとめと、読書メーター10年分の記録

 まず、2025年全体の読書記録から。
(読書メーター/2025年の記録

.

 2025年は生活は楽になって読書にかけられる時間増えたが、
後半は創作沼にはまって時間が減ってしまった。

 年間281冊読了。
小説(新規)120冊、小説(再読)32冊
学術/ビジネス 109冊、エッセイ/その他 20冊。

 小説は去年よりさらに減ったが、
学術系の本は減っていないな。

.

 また、読書メーターで記録をつけはじめて丸10年経過した。
ここで、10年分の記録をふりかえっておこう。

2016年 359冊
2017年 301冊
2018年 210冊
2019年 328冊
2020年 401冊
2021年 511冊
2022年 344冊
2023年 350冊
2024年 332冊
2025年 281冊

 計 3417冊(年平均 341.7冊)


 こまかなデータ(小説/学術の区分など)は、
別にエクセルで管理していて、
そっちはまだ、5年分のデータしかない。

.

 でも、年末のおすすめ小説20冊は、10年分あるよなぁ。
20冊×10年分、計200冊である。

 分母が3417冊ではない。
この数字には再読も小説じゃないのも入ってるから。
(阪急電車とか7,8回カウントしてるはず)

 それでもまぁ、半分以上は小説(新規)だろうから、
1800冊中のおすすめ200冊にはなるかな。

作家別ランクイン数を発表してみる。


1位 綾崎隼 11回 レッドスワンシリーズ、ほか
2位 辻村深月 9回 かがみの孤城、ほか
3位 香月美夜 7回 本好きの下剋上シリーズ
4位 恩田陸 6回 蜜蜂と遠雷、ほか
4位 伊坂幸太郎 6回 ゴールデンスランバーほか
4位 湊かなえ 6回 花の鎖、ほか
7位 成田名璃子 5回 東京すみっこごはんシリーズ、ほか
7位 西加奈子 5回   サラバ!ほか
7位 似鳥鶏 5回 小説の小説、ほか
10位 額賀澪 4回   タスキメシ箱根、ほか
10位 加納朋子  4回   空をこえて七星のかなた、ほか
10位 青山美智子 4回   木曜日にはココアを、ほか
10位 凪良ゆう 4回   流浪の月、ほか
10位 南杏子 4回   アルツ村、ほか


 圧倒的1位は綾崎さん。
レッドスワンシリーズで3冊入ってるけど、それ以外にも多い。
3位の香月さんは、すべて「本好きの下剋上」
7位の成田さんは「東京すみっこごはん」シリーズが多い。

 辻村さん、恩田さん、伊坂さん、湊さん、西さんは、言わずと知れた
ベストセラー作家。

 ミステリー作家としては、伊坂さんの次に似鳥さん、加納さん。
純粋なミステリーというよりも、読み味重視だね、これ。


 あと、全200冊中、本屋大賞とそのノミネート作だけで51冊ある。
実に4分の1。

 私が本屋大賞好きで、ノミネート作をよく読んでいるのもあるけど。

 逆に、本屋大賞全く無関係で上位に入ってる作品をみてみると、

この銀盤を君と跳ぶ/綾崎隼 (2024年1位)
東京すみっこごはん レシピノートは永遠に/成田名璃子 (2020年1位)
十の輪をくぐる/辻堂ゆめ (2021年2位)
星の降る家のローレン/北川恵海 (2019年3位)
オリオンは静かに詠う/村崎なぎ子 (2025年4位)
二百十番館にようこそ/加納朋子 (2020年6位)

 この辺は、私の趣味がよくわかるラインナップになっている。


 学術やビジネス書なんかでも、同じようなことできるかな?
そもそもランキングにしてないけれど。
そっちは5年前からのデータがあるので、
5年後に10年分のデータたまったらやるかもね。

 

| | コメント (0)

読書記録 2025.12

2025年12月の読書記録
読書メーター

.

12月は20冊読了

小説(新規)8冊、小説(再読)2冊
学術/エッセイ 9冊、その他 1冊。

 小説も、自分の創作の糧に読んだのが多い。
もっと、自分の好きな作品を読むのも必要だと思う。


今月の3冊

.

まずはフィクション

ゴリラ裁判の日」(須藤古都離)


 須藤古都離さんの本は初めて。メフィスト賞受賞作。

タイトルのインパクトが強すぎだが、中身も強烈すぎる。
言葉をしゃべるゴリラが裁判する話。

もちろんフィクションなんだけど、手話をしゃべるゴリラの、
その手話を音声に変換できる機械があればどうなるか。

 手話を学べるゴリラなら、すでに存在するのかも。

 この「ひょっとしたら可能かもしれない」のラインが絶妙すぎる。
ゴリラのローズが、非常に知的で魅力的。

 弁護士よりも共感できるってどういうことなんだ。

.

 多様性が叫ばれる時代だけれども、
ゴリラでも認めるべきか、というチャレンジングな話になっている。
偏見をなくすのって、無理だ。

 偏見はなくならない、ということを前提にして、
よりよい世界を考えていかなくちゃいけないね。

 まぁ、そんな深いこと考えなくても、普通に面白い小説だった。

.

 つぎ、学術系

ジェンダー平等世界一 アイスランドの並外れた女性たち
(イライザ・リード)

.

 ジェンダーギャップ指数世界一位の国、
アイスランドにおける、フェミニズムのお話、兼アイスランドの宣伝。

 あまりにも異世界、異文化すぎて、
面白いけど読み解くのに時間がかかってしまった。

 アイスランドですら、まだまだ男性優位なところは残っているけど、
日本からみると、楽園のように思えることも。

 とにかく、人口が少ないことがよい方向にはたらいてるのかな?
人口、40万に満たない。日本だと地方都市くらいの人口だ。

 合意形成も難しくないし、みんな知り合い、親戚みたいなもんだし。

.

 作者のイライザ・リードさんは、もともとカナダ出身。
旦那さんがアイスランド人で、アイスランドに移住した。
あれよあれよという間に、旦那さんが大統領になってしまい、
気づけばファーストレディーになっている。

 女性が普通に社会進出している、というか、社長も多い。
また、子育てにも寛容で、子ども込で会議に出るシーンにびびった。

 あとは、パラレルキャリアも多いなぁ、と。
人口が少ないから、色んな仕事をする人が多いように感じた。

.

 アイスランドは、世界で初めて民主的に選ばれた女性大統領が生まれた国。
しかも、16年も続いた。

 この結果として、政治家になる女性も増えたし、
逆に「大統領って男の子でもなれるの?」という声も上がるほど。

 日本でも、2025年はじめて女性の首相が誕生したけど、
果たしてどこまで女性の政治家が増えるのか?

人の記憶に残るほど長期やってくれたらいいけど。

.

 最後は新書。

 「超合理的!ミステリーの書き方」(中山七里)

.

 超人的ミステリー作家の中山さんによる、ミステリーの書き方。
ミステリーをどうやって書こうかな、と模索中なので読んでみたが、
まぁ、予想通り。何の役にも立たない。w
 いや、この人超人すぎるんだよ。

.

 中山さんのやり方は、中山さんにしかできないよ。
だから面白い。

「トイレに行くのは一日一回にしました」ってどういうこと?
「時間がもったいないから」いや、本気で言ってるのが怖い。

 1日原稿用紙25枚、2日で50枚。
プロットは三日三晩で作り上げる。
睡眠時間平均三時間。
多作でなければ生き残れない。

 原稿の推敲?時間の無駄。
最初から完成形を出力すればよい。
取材?不要。
全部、想像で書いても問題ない。

 新人賞は賞金500万円以上を狙え。
そうでなきゃ捨てられる。

今死んでも、未出版の原稿があと10本あるから10冊以上本が出る。
いにしえの赤川次郎に比べれば。

.

 ・・・参考になる訳ないだろ、こんなの。w
もっとも、中山さんもわかってて書いてるよ、これ。
自分のやり方が他人の参考にはならんことなんて。

 実際、中山さんのファンは、この人がこういう人だって知ってるから、
最初から、こういう話を期待している訳で。
私ももちろん、最初から知っていて、楽しんで読んだ。

 しかし、本気でこの本を、
「有名なミステリー作家の書いた指南本」と思って読んだ人いたら、
「金返せ!」ってならないかな?w

 

| | コメント (0)

2025年おすすめランキングTop20

 小説の読書記録。

今年、新規で読んだ小説は120冊。
昨年よりもさらに減っているなぁ。

 私生活は楽になったんだけど、

今年の後半は創作活動が忙しかったので。
いや、創作にもインプットが必要なんだけどね。


今年読んだ小説のTop20


2025年のおすすめランキング

.

20位 殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス(五条紀夫)

 走れメロスを元にしたバカミス。
適当な命名や、まさかの作者登場で笑った。

19位 墓じまいラプソディ(垣谷美雨)

 お墓の問題は、どんどん変わってきつつある。
墓じまいも、今後のトレンドになるかも。

18位 しろがねの葉(千早茜)

 直木賞受賞作。戦国末期から江戸にかけての石見銀山の話だけど、
これもジェンダーの話なんだよね・・・。

17位 ロスト・ケア(葉真中顕)

 葉真中さんのデビュー作だけど、これは衝撃的。
時代を先取りしてるけど、これに近づいてきてるのが怖い。

16位 いのちの波止場(南杏子)

 今回は、緩和ケアの話だった。
やりがいのある仕事だろうけど、しんどそう。

15位 天使の跳躍(七月隆文)

 七月さんの書いた将棋の本。
モデルとなった棋士を知ってると、楽しい。

14位 近畿地方のある場所について(背筋)

 カクヨム発祥のホラー小説。
これも、モデルになった場所がわかってしまったから怖い。

13位 オー!ファーザー!(伊坂幸太郎)

 「父親が4人いる」という伊坂さんの作品。
富田林さん、という名前がきになってしょうがない。

12位 6days 遭難者たち(安田夏菜)

 山をなめちゃいけない。
遭難する時ってのは、こういう感じなんだろうな。

11位 ミス・パーフェクトが行く(横関大)

 総理の隠し子が、いろいろな問題を解決していく話。
莉子が有能過ぎて笑える。

10位 松岡まどか、起業します(安野貴博)

 AIスタートアップを扱った小説。
作者さんがAIガチ勢で、気づけば国会議員になってた。

9位 誰が勇者を殺したか(駄犬)

 ライトなファンタジー小説、ミステリ風味。
ミステリーとしては簡単なんだけど、キャラが面白かった。

8位 世界で一番すきとおった物語2(杉井光)

 「あの」一作目のあと、続きを書けることがすごい。
一作目を超えることはないけど、十分な出来。

7位 ラブカは静かに弓を持つ(安壇美緒)

 2023年本屋大賞2位。
チェロを題材にした音楽の話。

6位 明日もいっしょに帰りたい(織守きょうや)

 織守さんの、百合小説集。
危ない趣味に目覚めてしまいそうだ。

5位 光のとこにいてね(一穂ミチ)

 一穂さんの直木賞受賞作。
これも、女性同士の関係の話だけど、百合小説、ではないような。

4位 オリオンは静かに詠う(村崎なぎ子)

 聴覚障害者、ろう学校で競技かるたに挑戦する話。
音の聞こえが重要な競技を手話でやるとは。

3位 禁忌の子(山口未桜)

 2025年本屋大賞4位。
殴られるように衝撃的なミステリー。

2位 小説(野崎まど)

 2025年本屋大賞3位。
野崎さんらしいアクロバティックな話。

1位 カフネ(阿部暁子)

 2025年本屋大賞受賞作。
おいしいごはんは、生活を整える。

.

 今年の本屋大賞の上位が見事にそろった。
過去の本屋大賞ノミネート作もいくつか読んでるし。
結局、本屋大賞にハズレはないよね。

 

| | コメント (0)

#読めよ薬剤師2025

 年末恒例の企画

 今年は、創作沼にはまってしまったせいで読書量が足りてない。
それでも、このブログに紹介しただけでも30冊はあるので、
なんとかひねり出してみた。


 まずはフィクションから。

7.5グラムの奇跡」(砥上裕將)

.

 デビュー作、「線は僕を描く」という水墨画の小説で
本屋大賞ノミネートされた砥上さん。
この人、水墨画の作家さんでもあるので、
他が書けるのか?という疑問があったが、
この「7.5グラムの奇跡」は、水墨画まったく関係ない。

 本作は、視能訓練士のお仕事小説である。
視能訓練士とは、眼科のお医者さんの検査技師、
というのが一番近いかな。
 そういえば、そんな人いたな、と思うけど
これもまた、かなりニッチな分野をついてきている。

.

 眼科ならではの豊富な症例を、
素人に近い、ペーペーの視能訓練士から見ることで
「眼科の世界」を見せてくれる。

 カラコンの注意点とか、緑内障と眼圧の話とか。
緑内障の目薬、大事なのにコンプラ悪くなりがちなんだ。
薬剤師として、結構勉強になることが多い。

.

 ただ、よくも悪くも
「線は僕を描く」と雰囲気が似ている。
ほぼ、いいひとしか出てこないし
人情系のお話も多い。

 これはもう、この人の味なんだろうな。
好きな人は好きだけど、
物足りない、と思う人もいるかも知れない。

 
.

 次、学術系

オーバードーズ」(川野由起)

.

 近年、問題になってきているオーバードーズの話。
デキストロメトルファンのオーバードーズは知ってたけど、
ジフェンヒドラミンって。。眠くなるだけちゃうんか、と。

 もちろん、規制は必要なんだけれども、
大元の原因は、「居場所がない」「孤独」なんだよ。
そこの対策を何とかしないと、
市販薬の次の依存先を探してしまうだけだ。

.

 オーバードーズでの死亡事例ってあったけれども、
あれって、極端な話本人「死んでもいいや」って思って
やってるよね。
少なくとも「危険だからやめよう」と言われても響かない状態で
手を伸ばしてしまっているケースが多い。

.

 他の本でも見てきたけど、
「ダメ、絶対」っていうキャッチフレーズは本当にダメ。
薬物対策の授業でこんなんやって、
その場にオーバードーズやってる子がいたら、
絶対に言えなくなるよ。孤立が深まるだけ。

 オーバードーズって、ある意味セルフメディケーション。
自分の辛さを自分で何とかしてるんやね。
しかも、合法的手段で。
 別に法律違反してるわけじゃない、、よね。だから問題が複雑。

 もちろん、健康に悪影響あるに決まってるので、
対策は必要だけど、規制さえすればいい訳じゃなくて
根本的には社会的な援助が必要、ということ。

.

 もう1冊はAIの本

AIは私たちの学び方をどう変えるのか」(サルマン・カーン)

.

 カーンアカデミー(Youtubeによる教育無料動画の配信)のCEOである著者が、
生成AIを利用した教育について解説している本。

 実用例も多く、非常に勉強になった。
「生成AIによって、教師の価値は下がるのではなく高まる」
「AIによって職を奪われるのではなく、AIを使いこなす誰かに職を奪われる」
「文章をAIに書いてもらうのではなく、AIと一緒に書く」

 ただ、あまりにも理想論が多く、何か裏というか、
落とし穴が待っているような気がしなくもない。

 理屈ではわかるんだけど、果たしてそんなにうまくいくのかどうか。

 この本の中では、ちゃんとリスクも示されているし、
AIによるバイアスも、0にはできない。
ただ、それでも、現状よりはいいんじゃない?という提案。

 例えば、日本の教育環境でいうと、教育格差はかなり大きい。
どこに生まれるか。地方か、都市部か。
また、教育にどれくらいお金をかけるのか。

 中学受験するのか?中学受験のために塾にいれるのか。
お金をかけたもの勝ち、という環境がある。

 それを、「AI使いこなしたもの勝ち」に変えるのは、
今までとは違う格差が生まれるけれども、
AIに関して言えば教育費よりもはるかに安いし、
ネット環境さえあれば使えるわけで。


 私が今年考えている内容に、一番近い本だった。
これからの人材の能力は、
「既存の能力」×「AIを使いこなす能力」の掛け算になる。

 薬剤師がAIに取ってかわられる?違うよ。
AIを使いこなす薬剤師が、AIを使えない薬剤師を淘汰するんだよ。

 AIが使えれば、今までの勉強がいらなくなる訳ではない。
どちらも大事、ということ。
 ただ、ペーパーテストで点を取るためだけの勉強は、
今後必要なのか?とは思うなぁ。

 何にせよ、AIを毛嫌いしているだけでは、
世の中から取り残されるのは間違いないだろう。
それは、30年前のIT革命と同じことだ。

.

 さて、今年はあまり読めなかったから、
年末年始にがっつりとインプットの時間をとろう。

 あとは、年明けに、他の人の推薦してくれた作品を
がっつりと(図書館で借りて)読むのも、恒例行事。
自分で読まないとわからないこと、多いからね。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧