読書記録 2025.1
2025年1月の読書記録
(読書メーター)
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娘の受験が原因で、ストレス蓄積中。
いやぁ、親の方もしんどいね、これ。
おかげで、なかなか読書がすすまない。
1月は27冊読了。
小説(新規)13冊、小説(再読)4冊、
学術/ビジネス 9冊、エッセイ/その他 2冊。
ストレス解消のため、心を落ち着けるための
再読が多かったかな。
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今月の3冊
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小説
「松岡まどか、起業します」(安野貴博)
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副題が、AIスタートアップ戦記。
AIを利用した起業、スタートアップのお仕事小説。
起業のスピード感がよくわかると思う。
とにかく、お金をかき集めて、
それをすごい勢いで使って時間を買う。
まぁ、本作は1年で10億作るという無理ゲー設定だから
仕方ないとはいえ、このスピード感はちょっと信じられない。
どこまでリアルなのかはわからないけど、
いま、こういうスタートアップ起業がたくさんあって、
同じだけ消えていってるんだろうなぁ、と思う。
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話全体としては、わかりやすい悪役がいて、
なんというか、「半沢直樹」のような感じがした。
わかりやすい王道だよね。
あと、AIの近未来も見せてくれる。
AIの恋人って、今でも存在するのか?
いや、それでいいのか、と思ってしまうが。
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さて、作者は安野さん。
おそらく、この分野が専門なんだろうな。
ただ、この人の名前は、別で知っていた。
昨年の東京都知事選に出ていたんだ。
若者の間では、そこそこ支持されていたように思う。
で、調べてみたら本を出してるから見てみよう、と。
この人、本業は作家さんになるのかな?
(いや、政治家だろ)
ただ、政治家が片手間に小説出しました、
というクオリティーではない。
普通に小説を生業にしている作家さんの作品だわ。
「めちゃくちゃ面白い」という訳ではないんだけれども、
意外に面白かった。
普通にエンタメのお仕事小説になっていたから。
でもまぁ、昔から作家出身の政治家っていたよね。
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学術系
「依存症の人が「変わる」接し方」(山下悠毅)
ギャンブル依存や、アルコール、薬物依存。
依存とは何か、なぜやめられないのか。
脳科学的に解説した本。
冒頭に、ハリガネムシとカマキリの関係がでていた。
ハリガネムシは、カマキリに寄生していて、
最終的には脳を乗っ取って水中にダイブさせて殺すんだよね。
わかりやすく言うと、依存症ってのは、
「脳を乗っ取られてる」状態に近い。
主に、ドーパミンによって。
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この分野の勉強は少しずつ進めていたけど、
この本で一気に解像度が上がった感じがした。
いやぁ、そりゃやめられないわ。
特にギャンブル依存が厄介だなぁ、
「賭けてはいけないお金を賭けるのが最大の快楽」って、
そんなもん、破滅するしかないじゃないか。
痴漢や下着泥棒なんかの行為も。
あれは、「やってはいけない」ことをするのが快感なのであって、
そういうお店にいってプレイする、とか、
通販で女性用下着買う、では満たされるわけがない。
(そりゃそうだ。)
身体的な依存と、精神的な依存の違いも。
タバコの依存は大したことがなくて、
お酒の方が深刻だ、と。
医学的にはニコチンの依存もたいがいだな、って
思うんだけど、「タバコが原因で家庭が崩壊した、という話は聞かない」
確かに。お酒で崩壊した家庭は多いよね……。
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あと、本書の特徴は哲学的な内容まで踏み込んでるとこ。
人は、どうやったら幸せになれるのか?
他人に迷惑かけなきゃ何やってもいいとは思うけれども、
それで幸せなのかなぁ、と。
作者さんの別の著書も読んでみたくなった。
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個人的な感想としては、
依存症って、不倫や浮気もほぼ同じ側面もつよなぁ、と。
あれも、「やってはいけない」ことをやるのが快感なんだろう。
そして、脳を乗っ取られる感じも、同じじゃないだろうか。
(ドーパミンが主役なのも全く同じだろ)
わかっちゃいるけどやめられない。
なら、どうするか?
基本的には、行為をできない環境に身を置くしかない。
たとえば、スマホ盗撮がやめられないなら、
カメラ機能を封印する、とか。
あとは、スリップ(行為を再びやってしまう)しても、
責めないこと。ちゃんとスリップしたことを告白してくれる
環境の方が望ましい。
罰するだけじゃ何も変わらない。
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ホストやコンカフェにはまるのも「依存」の一種だと思うが、
そのためにパパ活、風俗に沈んでいくのは、どうなのか?
親的には、非常に困るけれども、この作者がいうには、
「それで、本人が困ってないのなら問題ないかも?」
確かに。本人がそれで幸せならそれでいいのかも知れないな。
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最後
「子どもたちは、ゲームやインターネットの世界で何をしてるんだろう?」
(関正樹)
こちらも、依存と少し関係のある話なんだけど。
親は、ネットやゲーム、特に自分に理解できないものは、
子どもから遠ざけようとするけれども、
子どもがどうしてハマっているのか、
ちゃんと理解しておく必要がある。
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関先生は、児童精神科医でASD,ADHDなどの発達障害や、
不登校にかかわりながら、ネットやゲームに関しても異様に詳しい。
まず、子どもがゲームを自発的にやめるのは非常に困難ということ。
今のゲームって、なかなかやめられないようになってるから。
守れる約束を作るのが肝心。
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たとえば、昔の「ゲームは1日1時間」ってのは、
さらにその昔の、テレビの時間制限に由来するみたい。
私はゲームで育った世代だけど、
さらにもう一つ前の世代はテレビだった。
テレビの場合、番組が30分や1時間で終わることが多くて、
1時間ってのはキリがよかった。
でも、それをそのままゲームに当てはめるのは無理がある。
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また、ゲームといっても種類によって違うでしょ、と。
多人数対戦のFPSやTPSと、長時間プレイが基本のMMORPGや
マインクラフトを同列に語るのは無理があるよ、と。
うわー、確かにそうだなぁ。
あと、昔と違ってオンラインでつながってる、というのも
あるよ。
私らの世代だと、
「親にいきなりゲームの電源落とされた」
みたいな話があったけど、
あれは、私らの親世代って、そもそも
ゲームに「セーブ」があることを知らなかったんだよね。
それが時代が変わって今になると、
私ら、親世代の人間は、
「モニター(テレビ)の向こうに、
つながっている対戦相手がいる」ってことがわからない。
私ら世代にわかるようにいうと、
時間だからって終了させるのは、
いきなり電話中に親が回線遮断するようなもんだぞ。
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本書の特徴は、関先生のネットやゲームに関する知識の深さだ。
この先生、なんでこんなに詳しいの、ってくらい詳しい。
相談にきた不登校の子供と、普通にゲームやネットの会話で
盛り上がってしまう。
(まぁ、それができるのが強みでもあるんだが)
頭から否定するんじゃなくて、
何が問題なのか。どうすれば解決できるのか。
そういったことを考えていく必要があるってのは、
依存症と全く同じだよなぁ。
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可能であれば、子どもと同じゲームで遊んでみるのが
一番理解は早い。
私は、3D酔いするので現代のゲームはほとんどできない。
子どもはよくやっているよなぁ。
lineで会話しながらオンラインゲームみたいなのも
してたりするし。
理解したうえでコントロールしていくのが大事。
ちなみに、我が家の現在の規制は、
「パソコンは1日3時間」が基本で、その上で、
絶対にできない時間帯があったりする。
たとえば、日曜日は基本的に午前中しかできない。
(そうしたら早起きするので)
ただし、友達とオンラインで遊ぶ場合は、
申告してくれれば制限は解除するようにしている。
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